キッセイ薬品工業が販売する血管炎治療薬「タブネオス」(一般名・アバコパン)を投与された患者のうち、国内で20人の死亡が報告された問題で、厚生労働省は安全対策の強化に乗り出しました。
上野賢一郎厚生労働大臣は5月18日、記者団に対し、投与後に死亡した患者が報告されていることを踏まえ、情報を精査したうえで、必要な安全対策を速やかに検討する考えを示しました。
タブネオスは、ANCA関連血管炎の治療薬として使用される薬です。キッセイ薬品工業によりますと、2022年6月の発売以降、国内で約8500人の患者に使用されたと推定されています。
同社は5月15日、医療機関に対し、当面の間、新規患者への投与を控えるよう呼びかけました。すでに投与中の患者については、重篤な肝機能障害のリスクや代替治療の選択肢を説明したうえで、投与継続の可否を慎重に判断するよう求めています。
問題となっているのは、重篤な肝機能障害です。キッセイ薬品工業の安全性情報では、肝臓内の胆管が減少または消失する「胆管消失症候群」が国内で22例報告され、このうち13例が死亡したとされています。
また、胆管消失症候群として集積された国内症例のうち、発現までの日数が分かっている20例はいずれも投与開始から84日以内に発症しており、重篤な肝機能障害全体でも多くが投与開始から3カ月以内に確認されています。
死亡した20人については、投与との因果関係が確認されていない事例も含まれます。厚労省は、報告された症例の内容を確認し、PMDA=医薬品医療機器総合機構とも連携しながら、追加の安全対策が必要かどうかを検討します。
タブネオスは、指定難病であるANCA関連血管炎の治療に使われてきた薬で、治療選択肢の一つとして医療現場で用いられてきました。一方で、今回の死亡報告を受け、医療機関には新規投与を控える対応と、すでに使用中の患者への丁寧な説明が求められています。
厚労省が安全対策の強化に動いたことで、今後は投与後の肝機能検査の頻度、患者への説明方法、代替治療の判断、製薬会社による情報提供の内容が焦点となります。
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編集部まとめ
キッセイ薬品工業の血管炎治療薬「タブネオス」を投与された患者のうち、国内で20人の死亡が報告された問題で、厚生労働省は安全対策の強化に乗り出しました。上野厚労大臣は5月18日、必要な安全対策を速やかに検討する考えを示しました。キッセイ薬品工業は医療機関に対し、当面の間、新規患者への投与を控えるよう呼びかけています。重篤な肝機能障害や胆管消失症候群が報告されており、厚労省とPMDAが症例の内容を確認し、追加対応を検討します。
Q. タブネオスで何が問題になっていますか?
A. 血管炎治療薬「タブネオス」を投与された患者のうち、国内で20人の死亡が報告されていることが問題になっています。
Q. 厚生労働省はどのように対応しますか?
A. 報告された症例の情報を精査し、PMDAと連携しながら、必要な安全対策を速やかに検討する方針です。
Q. 新規患者への投与はどうなりますか?
A. キッセイ薬品工業は医療機関に対し、当面の間、新規患者への投与を控えるよう呼びかけています。
Q. どのような副作用が報告されていますか?
A. 重篤な肝機能障害のほか、胆管消失症候群が報告されています。投与開始から3カ月以内に発症した症例が多いとされています。
Q. すでにタブネオスを使っている患者はどうなりますか?
A. 医療機関は、肝機能障害のリスクや代替治療の選択肢を説明したうえで、投与を継続するかどうかを慎重に判断することになります。

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