宮崎市内の認可保育所で、保育士4人が複数の園児に暴言や威圧的な言動を繰り返していたことが分かった。宮崎市は一部の行為を虐待にあたると認定し、施設側を2度にわたり指導した。園児に向けられたのは、呼び捨てに近い強い言葉や、叩くことを示す発言、容姿や家庭環境をからかう言動だった。子どもを預かる場で、2024年4月から2025年7月まで不適切な保育が続いていた。
宮崎市などによると、問題が確認されたのは市内の認可保育所に勤務していた保育士4人。複数の園児に対し、威圧的な口調で「おい」と呼びつけたり、「たたくからね」と脅すような言葉を使ったりしていた。さらに、園児の容姿を侮辱する言葉や、家庭環境をからかう発言も確認された。市は、このうち容姿や家族に関する言動などを虐待にあたると判断した。
市が動いたきっかけは、2025年6月の匿名通報だった。宮崎市は同月、施設への立ち入り調査を実施。その結果、2024年4月から2025年7月にかけて、保育士による威圧的な言動などがあったことを確認した。市は施設側に指導を行い、施設は園内に複数のカメラを設置するなどの対策を取った。
しかし、問題はそこで終わらなかった。2026年1月に行われた2回目の立ち入り調査で、園児の体を叩く行為などが新たに確認された。市は改めて施設側に指導を実施した。関与した保育士4人は、2026年3月末までに全員退職している。
被害を受けた園児の保護者からは、強い不信感の声も出ている。保育所は、子どもが日中の多くを過ごす生活の場であり、保護者が安心して預けることを前提に成り立っている。そこで大人から威圧的な言葉を浴びせられたり、体を叩かれたりすれば、子どもは自分の言葉で被害を説明できないまま、園に通い続けることになる。
今回の事案で重いのは、匿名通報後に市の指導が入り、施設側がカメラ設置などの対策を取った後にも、再び不適切な行為が確認された点だ。単に「職員個人の問題」として済ませることはできない。園内で職員同士が声を上げられる状態だったのか。園長や管理者が日常の保育を確認できていたのか。保護者からの不安や子どもの変化を、早い段階で把握できていたのか。施設全体の見守り体制が問われる。
宮崎市は5月11日付で、市内すべての教育・保育施設に対し、不適切保育の未然防止を求める文書を通知した。通知だけで終わらせず、今後は園内研修、管理者による定期確認、保護者からの相談窓口、職員が匿名で報告できる仕組みをどう整えるかが焦点になる。
子どもは、保育士の言葉をそのまま受け止める。大人にとって一瞬の怒鳴り声でも、子どもにとっては登園を怖がる理由になる。今回の虐待認定は、1つの保育所だけの問題ではない。宮崎市内の保育施設が、子どもの表情、登園時の様子、職員の言葉遣いを日常的に確認できるかどうか。子どもを守る仕組みを、現場任せにしない対応が求められる。
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Q&A
Q. 宮崎市の認可保育所では何が問題になったのですか。
A. 保育士4人が複数の園児に対し、暴言や威圧的な言動、園児の体を叩く行為などを行っていたことが確認されました。宮崎市は一部を虐待にあたると認定しました。
Q. 不適切保育はいつからいつまで続いていたのですか。
A. 宮崎市の調査では、2024年4月から2025年7月にかけて、威圧的な言動などが確認されています。
Q. 宮崎市はどのような対応をしましたか。
A. 2025年6月の匿名通報を受けて立ち入り調査を行い、施設を指導しました。その後、2026年1月の2回目の調査でも新たな行為が確認され、再度指導しました。5月11日には市内の教育・保育施設に対し、不適切保育の未然防止を求める文書を通知しました。

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