「うるさい」と怒鳴り、トイレを約15分我慢させる行為も 市は現地確認と巡回継続へ
豊橋市内の保育施設で、園児に対する不適切保育が確認され、市が4月30日付で児童福祉法第46条第3項に基づく改善勧告を出していたことが分かった。豊橋市が保育施設に改善勧告を行うのは初めて。
市や各報道によると、不適切保育は2025年4月以降に確認された。中心となったのは女性保育士1人で、泣いている園児に「うるさい」と大声で怒鳴る、恐怖心を抱かせるような言動をする、トイレに行きたいと訴えた園児に約15分程度我慢させるといった行為があった。この保育士の名を挙げて登園を渋る園児もいたという。
また、身体的特徴をからかうようなあだ名で呼ぶ、園児を呼び捨てにするといった行為については、複数の保育士が関わっていたとされる。発覚のきっかけは2025年9月の公益通報だった。
市は公益通報者保護の観点から、施設名を非公表としている。一方で、施設名が明かされないことで、保護者の間には「どこの園なのか」「今も子どもを預けて大丈夫なのか」という不安も残る。
市保育課の担当者は本紙の取材に対し、当該施設では現在も通常通り保育を実施していると説明した。不適切保育に関わった職員についても、現在は指導、認識確認、見守りを行いながら、子どもと接する業務を続けているという。市側は、単に現場任せにしているわけではないとの立場だ。
市の確認は、施設からの報告だけではない。市職員が実際に施設へ出向き、現地確認を行っている。改善報告書の提出期限は5月末までで、市は施設側に、不適切保育が起きた原因、管理体制、再発防止策などをまとめて提出するよう求めている。
報告書の提出後も、市は確認を続ける方針だ。具体的には、循環保育時や通常巡回時に現場を確認し、報告書に書かれた改善策が実際の保育の中で行われているかを見ていく。市保育課の担当者は、改善が不十分と判断した場合、児童福祉法に基づく「改善命令」を出すと明言した。
一方、対象児童の保護者への個別説明や謝罪について、市は困難との考えを示している。理由は、公益通報者保護との関係だ。対象児童や保護者に個別説明を行うことで、通報者や通報内容が推測されるおそれがあるためだという。市は保護者への説明の必要性を認めつつ、通報者を守る必要があるとしている。
市保育課の担当者は、他の保護者が不安を抱くことについて「不安な気持ちは重々承知している」と話した。そのうえで、「子どもと保護者が安心して保育施設を利用できるよう、市内全施設に法令順守を徹底させる」としている。
市は今後、市内すべての保育施設に対し、本事案の発生と、保育所保育指針などに基づく適切な保育の実施を求める文書を出す。また、2026年6月までに外部講師を招き、保育従事者を対象とした子どもの人権研修を実施する予定だ。 施設名が公表されない中で、保護者が知りたいのは、今の安全確認だ。市が現場を見続けるのか。報告書の内容が実際の保育に反映されるのか。改善が不十分な場合に、次の行政対応へ進むのか。今回の勧告は、その確認が問われる事案になっている。
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本件について、豊橋市の行政対応や改善勧告の意味を動画でも解説しています。
Q&A
Q1. 豊橋市の保育施設で何が問題になったのですか?
豊橋市内の保育施設で、園児に対する不適切保育が確認されました。泣いている園児に「うるさい」と怒鳴る、トイレに行きたいと訴えた園児に約15分程度我慢させる、身体的特徴をからかうようなあだ名で呼ぶ、園児を呼び捨てにするなどの行為があったとされています。
Q2. 豊橋市は保育施設にどのような対応を取りましたか?
豊橋市は2026年4月30日付で、児童福祉法第46条第3項に基づく改善勧告を出しました。市が保育施設に改善勧告を行うのは初めてです。施設には5月末までに改善報告書の提出を求め、市職員による現地確認や巡回も続ける方針です。
Q3. 改善が不十分だった場合、豊橋市はどうするのですか?
豊橋市は、改善報告書の内容や実際の保育現場を確認したうえで、改善が不十分と判断した場合、児童福祉法に基づく「改善命令」を出すとしています。今後は、市が報告書の内容だけでなく、現場で改善策が実行されているかを確認することが焦点になります。


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