「ディズニー接待」だけではなかった 日本郵便元社員、吉原ソープランドで10回以上接待か

120万円相当の賄賂、7億円超の受注 郵便ポスト回収業務で癒着常態化の疑い

郵便ポストから郵便物を回収する「取集業務」の委託契約をめぐり、日本郵便東京支社の元社員が運送会社側から現金や東京ディズニーリゾートの宿泊代などを受け取ったとして逮捕された事件で、接待の内容が東京・吉原のソープランドにも及んでいた疑いが浮上している。

警視庁に逮捕されたのは、日本郵便東京支社の元主任、米田伸之容疑者(37)。日本郵便株式会社法違反の加重収賄などの疑いが持たれている。

贈賄側として、東京都板橋区の運送会社「ハルキエクスプレス」代表の西村光一容疑者(56)と、経理担当の橋本英孝容疑者(64)も逮捕された。

警視庁は、米田容疑者が取集業務の委託契約でハルキエクスプレス側に便宜を図った見返りとして、現金10万円や東京ディズニーリゾートの宿泊代など、計120万円相当の利益を受けたとみている。

ハルキエクスプレスは、過去4年間で7億円を超える取集業務を受注していたとされる。

問題は、接待の中身が現金や宿泊代だけにとどまらない点だ。米田容疑者は2021年ごろから、東京・吉原のソープランドで10回以上接待を受けていた疑いがある。飲食店での接待もあったとみられている。

さらに、接待は米田容疑者の代で突然始まったものではなく、前任者時代から続いていた可能性がある。警視庁は、発注担当者と委託業者の関係がいつから深まり、どの範囲まで広がっていたのかを調べている。

取集業務は、郵便ポストから郵便物を回収し、郵便局へ運ぶ業務だ。利用者が直接目にする場面は少ないが、郵便サービスを支える重要な作業にあたる。

その業務をめぐり、入札の予定価格に関する非公表情報が業者側に漏れていた疑いもある。米田容疑者は、ハルキエクスプレス側に有利になるよう、入札前の価格情報を伝えていたとみられる。

さらに、予定価格を他社の見積額より低く設定し、入札で契約先が決まらない状態にしたうえで、随意契約に移行させた疑いも出ている。

随意契約は、本来、競争入札で契約先が決まらなかった場合などに使われる手続きだ。しかし、予定価格の設定が意図的に調整されていた場合、表向きは入札手続きでも、結果として特定業者に契約を寄せることが可能になる。

今回の事件では、120万円相当の賄賂7億円超の受注10回以上のソープランド接待という数字が並ぶ。いずれも、単発の会食や一度の金品授受では説明しにくい。

日本郵便東京支社は、今回の問題について謝罪し、チェック機能が働いていなかったと説明している。米田容疑者はすでに懲戒解雇されている。

ただ、処分だけで終わる話ではない。予定価格を誰が管理していたのか。非公表情報に誰がアクセスできたのか。入札不調から随意契約へ移る過程を、別の担当者が確認していたのか。委託業者との会食や接待を把握する仕組みはあったのか。

前任者時代から接待が続いていた疑いがある以上、問題は元社員1人の行為に限られない。担当者が代わっても同じ業者との関係が続き、飲食や性風俗店での接待が重ねられていたなら、発注現場の管理そのものが問われる。

郵便ポストの回収は、地域の日常に組み込まれた公共性の高い業務だ。利用者は、ポストに投函した郵便物が適切に回収され、届けられることを前提にしている。

その裏側で、委託契約が現金、宿泊代、性風俗店接待によってゆがめられていた疑いがある。警視庁は、入札情報の漏えい、随意契約に至った経緯、接待の回数と内容、前任者を含む担当者側の関与について捜査を進めている。

日本郵便には、元社員の処分だけでなく、予定価格の管理、委託先との接触ルール、接待の把握、随意契約の確認手続きについて、具体的な説明が求められる。

今回の事件は、派手な接待の話では終わらない。郵便という生活インフラの裏側で、発注担当者と業者の距離がどこまで近づいていたのか。警視庁の捜査と日本郵便の再発防止策が問われている。

編集部まとめ

日本郵便東京支社の元主任、米田伸之容疑者(37)が、取集業務の委託契約をめぐり、運送会社側から現金や東京ディズニーリゾート宿泊代など計120万円相当を受け取った疑いで逮捕された。運送会社「ハルキエクスプレス」は過去4年間で7億円超の業務を受注していたとされる。米田容疑者は、東京・吉原のソープランドで10回以上接待を受けていた疑いもあり、警視庁は前任者時代からの癒着の有無を調べている。

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