旭川女子高生殺害事件 内田梨瑚被告が初公判で殺人罪を否認 「橋から落下させていない」 小西優花受刑者の証言が焦点に事件から約2年1カ月、旭川地裁で裁判員裁判始まる 争点は殺意、実行行為、共謀の有無 判決は6月22日

2024年4月、北海道旭川市の神居古潭で留萌市の女子高校生、当時17歳が橋から転落して死亡した事件で、殺人、不同意わいせつ致死、監禁の罪に問われている内田梨瑚被告(23)の裁判員裁判が5月25日、旭川地裁で始まった。

事件から約2年1カ月。初公判の法廷では、冒頭から「殺人罪を認めるのか」が最大の焦点となった。内田被告は、監禁罪などについては一部認める一方、殺人罪については否認した。弁護側は、内田被告に殺意はなく、女子高校生を橋から落下させた実行行為もないと主張している。

この裁判で問われるのは、女子高校生が石狩川に転落する直前、橋の上で何が起きたのかという一点だ。検察側は、内田被告らが女子高校生を追い詰め、転落死させたとみている。一方、弁護側は、内田被告が橋を立ち去った後に悲鳴と転落音を聞いたという趣旨の主張をしており、両者の見方は正面から食い違っている。

起訴状などによると、内田被告は2024年4月18日夜から19日未明にかけて、共犯者らとともに、留萌市の女子高校生を車に乗せて連れ回し、監禁したとされる。その後、旭川市内や神居古潭周辺で暴行を加え、衣服を脱がせ、土下座で謝罪させたうえ、神居大橋付近で欄干に座らせた状態を動画で撮影したとされている。

検察側は、内田被告らが女子高校生に対し、「落ちろ」「死ねや」などと発言し、石狩川へ転落させて死亡させたと主張している。女子高校生の遺体は、後に現場から離れた下流で発見された。

事件の発端は、SNS上の画像使用をめぐるトラブルだったとされる。内田被告が写った画像が無断で使われたことをきっかけに、女子高校生を呼び出し、車に乗せ、謝罪を求める流れになったとみられている。

しかし、刑事裁判で問われるのは、画像使用をめぐるトラブルの是非ではない。問題は、その後に女子高校生が車で連れ回され、暴行を受け、衣服を脱がされ、深夜の橋の上で逃げ場を失い、死亡したとされる一連の行為である。

初公判で強く浮かび上がったのは、内田被告と共犯者側の供述対立だ。すでに懲役23年の実刑判決が確定している小西優花受刑者(21)は、内田被告の関与を示す証言をするとみられている。これに対し、内田被告側は、殺意も実行行為もないとして殺人罪の成立を争っている。

小西優花受刑者の裁判では、女子高校生が橋の欄干に座らされ、転落するまでの経過が審理された。今回の内田被告の公判では、その内容を前提にしながらも、内田被告自身が何をしたのか、どの場面で主導したのか、死亡結果をどこまで認識していたのかが、より細かく確認される。

殺人罪が成立するかどうかは、現場にいたという事実だけでは決まらない。女子高校生が死亡する危険を認識していたか。転落につながる行為をしたか。共犯者との間で、死亡結果につながる行為について意思の連絡があったか。裁判員裁判では、供述だけでなく、動画、移動経路、現場状況、通話記録、関係者の証言などが一つずつ検証される。

弁護側は、内田被告が女子高校生を「置いてきただけ」とする趣旨の主張をしている。だが、女子高校生は深夜、橋の欄干付近で衣服を脱がされ、強い恐怖の中に置かれていたとされる。仮に直接押していないという主張があったとしても、そこに至るまでの監禁、暴行、脅迫的な言動が死亡結果にどう関係したのかは、裁判の重要な判断材料になる。

弁護側はまた、画像の無断使用をめぐり、女子高校生側にも責任の一端があったのではないかと主張している。しかし、刑事裁判で判断されるのは、被害者側の落ち度ではない。被告らが女子高校生を車に乗せ、現場へ連れて行き、暴行やわいせつ行為に及び、死亡に至らせたとされる行為について、どの刑事責任を負うかである。

法廷での緊張感は、認否の時点から明確だった。内田被告側は殺人罪を否認し、検察側は死亡に至るまでの経過を立証する構えを示した。争点は、量刑ではなく、殺人罪そのものの成否にある。初公判は、被告の反省を確認する場ではなく、17歳の女子高校生が命を落とした経緯を、証拠で一つずつ確認する場になった。

この事件は、SNS上のトラブルが現実の暴力に直結した事件として注目されてきた。ただし、「SNSトラブル」という言葉だけで終わらせることはできない。女子高校生は、深夜に車で連れ回され、暴行を受け、橋の上で極度の恐怖に置かれたとされる。裁判では、その一つ一つの行為が死亡結果とどう結びついたのかが問われる。

内田被告の裁判員裁判は、初公判を含めて8回の公判が予定されている。6月8日に結審し、6月22日に判決が言い渡される見通しだ。

この裁判の核心は、ただ一つだ。内田被告は「橋から落下させていない」と主張する。小西優花受刑者は、内田被告の関与を示す証言をするとみられている。裁判所は、どちらの言葉が証拠と合うのかを判断する。

17歳の命が失われた夜、橋の上で何が起きたのか。旭川地裁の法廷は、その最後の数分を証拠でたどる場になる。

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忘れてはいけない事件〗5月25日、北海道の2つの法廷で重大初公判 江別大学生暴行死と旭川女子高校生殺害

編集部まとめ

旭川女子高生殺害事件は、2024年4月に北海道旭川市の神居古潭で起きた重大事件です。留萌市の女子高校生、当時17歳が車で連れ回され、監禁や暴行を受けた末、神居大橋付近から石狩川に転落して死亡したとされています。

5月25日に旭川地裁で始まった裁判員裁判で、内田梨瑚被告は監禁罪などについては一部認める一方、殺人罪については否認しました。弁護側は、内田被告に殺意はなく、女子高校生を橋から落下させた実行行為もないと主張しています。

一方、すでに懲役23年の実刑判決が確定している小西優花受刑者は、内田被告の関与を示す証言をするとみられています。内田被告側の主張と小西受刑者の証言が食い違うため、法廷では、橋の上で誰が何をしたのか、女子高校生が転落する直前に何があったのかが重要な争点になります。

この裁判の焦点は、殺意の有無、殺害の実行行為、共犯者との共謀、そして小西優花受刑者の証言の信用性です。判決は6月22日に言い渡される予定で、旭川地裁は、17歳の女子高校生が命を落とした夜の事実を、証拠に基づいて判断することになります。

Q. 旭川女子高生殺害事件の初公判で、内田梨瑚被告は何を主張しましたか?
A. 内田梨瑚被告は、監禁罪などについては一部認める一方、殺人罪については否認しました。弁護側は、殺意も実行行為もないと主張しています。

Q. この裁判の最大の争点は何ですか?
A. 最大の争点は、内田被告に殺意があったか、女子高校生を橋から落下させた実行行為があったか、共犯者との共謀が認められるか、小西優花受刑者の証言をどこまで信用できるかです。

Q. 小西優花受刑者の証言はなぜ重要ですか?
A. 小西優花受刑者は、すでに懲役23年の実刑判決が確定しています。内田被告の関与を示す証言をするとみられており、その内容と客観証拠が合うかどうかが裁判の重要な判断材料になります。

Q. 判決はいつですか?
A. 内田梨瑚被告の裁判員裁判は6月8日に結審し、6月22日に判決が言い渡される予定です。

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