アビスパ福岡でコンプライアンス違反相次ぐ 18歳以下選手の送迎バスが108回速度超過、セクハラ・食中毒報告漏れも

サッカーJ1のアビスパ福岡で、複数のコンプライアンス違反が新たに発覚した。クラブは5月28日に会見を開き、西野努社長が謝罪した。

前監督によるパワハラ問題でJリーグから罰金100万円とけん責の処分を受けたばかりの中、今度はクラブ内のセクハラ行為、アカデミー選手を乗せた送迎バスの速度超過、海外遠征時の集団食中毒の報告漏れ、賞味期限切れ食品の提供などが確認された。

問題の中心の一つは、18歳以下の選手を乗せた送迎バスの運行だった。クラブのアカデミー部門で、選手の送迎バスを運転していたスタッフが、2024年3月から約2年間にわたり、高速道路で時速120キロを超える運転を繰り返していた。速度超過は108回に上るとされる。

このバスには、下部組織に所属する18歳以下の選手たちが乗っていた。プロを目指す若い選手の移動を支えるはずの送迎が、安全面で大きな問題を抱えていたことになる。

西野社長は会見で、「選手の安全性とか人権を守ることとか、そこはやはり何よりも優先されなければいけない」と述べた。クラブは今後、長距離遠征時のバス運行について、外部業者への委託を検討する方針を示している。

内部調査では、クラブ内でのセクハラ行為も確認された。詳細な内容や関係者の処分については明らかになっていないが、前監督のパワハラ問題に続き、選手・スタッフの人権に関わる問題が相次いで表面化した形だ。

さらに、海外遠征などで発生した集団食中毒について、必要な報告が行われていなかったことも確認された。あわせて、賞味期限切れ食品の提供も判明している。

スポーツクラブにとって、選手の体調管理と食の安全は、競技以前の基本事項にあたる。特に未成年選手を抱えるアカデミーでは、保護者がクラブに安全管理を預けている面も大きい。今回の問題は、トップチームだけでなく、育成部門の運営にも厳しい目が向けられる事態となった。

アビスパ福岡をめぐっては、前監督の金明輝氏によるスタッフへのパワハラ行為4件が認定されている。Jリーグは5月26日、クラブに対し、罰金100万円とけん責の懲罰を決定した。

Jリーグは、クラブ側がハラスメントを防ぎ、早期に見つけ、是正するための体制を整えていなかったと指摘している。さらに、研修の不足、経営陣による前監督へのけん制不足、通報ルートの整備不足にも言及した。

その直後に、今回の送迎バス、セクハラ、食中毒報告漏れが明らかになったことで、問題は個別の不祥事にとどまらなくなっている。クラブの現場管理、育成部門の安全確認、通報体制、経営陣の監督責任がまとめて問われている。

西野社長は会見で、「全ての関係者の皆様に多大なる心配とご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

クラブは、失った信頼を1日でも早く取り戻すため、再発防止と体制強化に取り組むとしている。ただ、今回確認された問題は、選手の移動、食事、職場内のハラスメント、報告義務にまたがっている。単発の研修や文書だけでなく、誰が現場を確認し、誰が異常を止め、誰が経営陣へ報告するのかを具体的に示す必要がある。

Jリーグクラブは、地域の子どもたちにとって身近な目標でもある。アカデミー選手を預かるクラブで、送迎バスの速度超過が長期間続いていた事実は、保護者や地域に重く受け止められる可能性がある。

今後の焦点は、セクハラ行為の詳細と処分、送迎バス運行に関わったスタッフへの対応、集団食中毒の発生時期と報告漏れの経緯、アカデミー選手と保護者への説明になる。

アビスパ福岡は、ピッチ上の結果だけでなく、選手の安全と人権を守るクラブ運営を示せるかが問われている。

編集部まとめ

アビスパ福岡で、複数のコンプライアンス違反が新たに確認された。主な内容は、クラブ内のセクハラ行為、18歳以下のアカデミー選手を乗せた送迎バスの速度超過、海外遠征時の集団食中毒の報告漏れ、賞味期限切れ食品の提供だった。

送迎バスは2024年3月から約2年間、高速道路で時速120キロを超える運転を繰り返していたとされる。前監督のパワハラ問題でJリーグから処分を受けた直後の追加発覚であり、クラブの管理体制、通報体制、育成部門の安全確認が今後の焦点となる。

この記事の要点Q&A

Q. アビスパ福岡で何が発覚したのですか。
A. セクハラ行為、アカデミー選手を乗せた送迎バスの速度超過、集団食中毒の報告漏れ、賞味期限切れ食品の提供など、複数のコンプライアンス違反が確認されました。

Q. 送迎バスの問題は何が重大なのですか。
A. 18歳以下の選手を乗せたバスが、約2年間にわたり高速道路で時速120キロを超える運転を繰り返していた点です。選手の安全に直結する問題です。

Q. Jリーグからの処分とは何ですか。
A. 前監督のパワハラ問題をめぐり、Jリーグはアビスパ福岡に罰金100万円とけん責の懲罰を決定しています。

Q. 今後の焦点は何ですか。
A. セクハラ行為の詳細、関係者への処分、送迎バス運行の見直し、食中毒報告漏れの経緯、アカデミー選手と保護者への説明が焦点になります。

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