【注目】旭川女子高生殺害事件 内田梨瑚被告「いまは殺意があったと思う」 両親が法廷で極刑求める

北海道旭川市で2024年4月、当時17歳の女子高校生Aさんが神居大橋から石狩川に落とされて死亡した事件で、殺人、不同意わいせつ致死、監禁の罪に問われている内田梨瑚被告(23)の第6回公判が6月3日、旭川地裁で開かれた。

この日は、殺意の有無をめぐる被告人質問、内田被告の母親への証人尋問、そしてAさんの両親の供述調書読み上げが行われた。

法廷で浮かび上がったのは、被告が危険性をどう認識していたのか、共犯者の証言とどこが食い違うのか、そして遺族がどれほど深い悲しみと怒りを抱えているのかという点だった。判決は6月22日に予定されている。

内田被告、殺意について踏み込む

公判の大きな焦点は、殺意の認定だった。

検察側は、Aさんを橋の欄干に座らせた行為について、内田被告に問いただした。

「落ちたら死ぬかもしれないと分かっていたか」

内田被告は「はい」と答えた。

さらに検察側が「それは殺意があることにならないか」と重ねると、内田被告は長い沈黙の後、**「いまは、そんな危険なことをしていたので、殺意があったと言われるのも当然だと思う」**という趣旨の供述をした。

これまで内田被告は、監禁については認める一方で、殺人と不同意わいせつ致死については否認してきた。橋から落とした行為そのものも否定している。

一方、共犯として有罪が確定している小西優花受刑者は、内田被告がAさんを押したと証言している。橋の上で何が起きたのか。被告の説明と共犯者証言の食い違いは、判決に向けた最大の争点として残っている。

被告母親が語った「反省ノート15冊」

午後の公判では、弁護側証人として内田被告の母親が出廷した。

母親は、内田被告の幼少期について、人懐っこく、祖父母を慕う子だったと振り返った。高校卒業後は、土木関係や飲食店、美容関係の仕事にも就いていたという。

事件後、母親は内田被告との面会を重ねてきた。拘置所などで書き続けた反省ノートは15冊に及ぶと証言した。

ノートには、Aさんや遺族への謝罪、怖い思い、痛い思い、苦しい思いをさせたことへの後悔、そしてAさんの将来や夢を奪ってしまったことへの悔いが書かれているとされた。

ただし、母親は橋の上での行為については「梨瑚の証言を信じています」と述べた。共犯者証言と対立する重要な部分では、娘の説明を支持する姿勢を示した。

反省ノート15冊が、どこまで真実の反省として評価されるのか。
そして、橋の上での出来事について被告側の説明が信用できるのか。
この2つは、量刑判断に大きく関わる。

母親が語った「Aを守れなかった」という後悔

この日の法廷で最も重く響いたのは、Aさんの両親の供述調書だった。

母親の供述では、Aさんが祖父母や親族から可愛がられて育ったことが語られた。子どもが好きで、将来は幼稚園教諭を目指していたという。

事件当夜、母親が用事で遅く帰宅した後、Aさんが家を出る音がした。
それが、母親が聞いた娘の最後の生活音になった。

Aさんが行方不明になった後、家族は警察への相談を続けた。AさんのInstagramから被告側とのメッセージを見つけ、手がかりをたどった。

そして5月下旬、Aさんは石狩川で遺体となって見つかった。

母親は、滝川警察署の霊安室でAさんと対面した。Aさんはサラシのような包帯で全身をぐるぐる巻きにされ、顔も髪の毛一本も見えない状態だったという。

母親は、何時間も連れ回され、生きたまま川に落とされたAさんの恐怖、痛み、悲しみを思うとやりきれないと語った。Aさんは泳ぎが苦手で、10メートルも泳げなかったという。

「Aを守れなかった」

母親はその後悔を抱えたまま、法廷に極刑を求めた。

一番の願いは、Aさんが生きて帰ってくること。
しかし、それはもう叶わない。
だからこそ、犯人には極刑を望む。

母親の供述は、単なる処罰感情ではなかった。娘の人生を奪われた親として、二度と戻らない時間と向き合い続ける言葉だった。

父親「人間のすることではない」

父親の供述も、法廷に重い沈黙を残した。

離婚後も、父親は毎月Aさんと面会していた。食事をし、旅行をし、娘の成長を楽しみにしていた。

将来の夢もあった。
Aさんの結婚相手と酒を酌み交わすこと。
孫を抱くこと。
普通の父親として、娘の未来を見届けることだった。

その未来は、突然奪われた。

父親は霊安室で、包帯に覆われた娘に向かい、こう語りかけたという。

「怖かったろう、痛かったろう、寒かったろう、辛かったろう」

父親は「こんなひどいことは人間のすることではない」と述べ、できる限り厳しい処分を求めた。

現在も毎朝、Aさんの骨壺に手を合わせ、「おはよう、昨日はこんなことがあったよ」と話しかけ続けているという。

事件は終わっていない。
家族にとっては、毎朝、娘がいない現実を確認する日々が続いている。

SNS上のトラブルから監禁、暴行、死亡へ

事件の発端は、Aさんが内田被告の写真をSNSに無断掲載したことだったとされる。

そこから金銭要求、監禁、暴行へと進み、Aさんは神居大橋に連れて行かれた。約1カ月後、Aさんは60キロ下流の石狩川で発見された。

SNS上の投稿をめぐるトラブルが、なぜ命を奪う事件にまで進んだのか。
誰が主導したのか。
橋の上で何が起きたのか。
そして、被告にどの程度の殺意が認められるのか。

公判で問われているのは、まさにその一点である。

判決は6月22日 量刑判断の焦点

今回の公判で、内田被告は殺意について「いまは、殺意があったと言われるのも当然」と述べた。一方で、Aさんを橋から落とした実行行為そのものは否定している。

反省ノート15冊。
被告母親の証言。
共犯者証言との食い違い。
被害者両親の極刑を求める声。
Aさんが受けた恐怖と痛み。
17歳で奪われた将来。

これらを旭川地裁がどう評価するかが、6月22日の判決に直結する。

Aさんは幼稚園教諭を目指していた。
家族に愛され、将来を生きるはずだった。
その人生は、神居大橋で断ち切られた。

裁判で問われているのは、被告の言葉の重さだけではない。
Aさんの命の重さである。

編集部まとめ

旭川女子高生殺害事件の第6回公判では、内田梨瑚被告が殺意について踏み込んだ供述をした一方で、橋から落とした行為は否定した。共犯者証言との食い違いは残り、実行行為の認定が判決の大きな焦点となる。

被害者Aさんの両親は、霊安室で対面した娘の姿、奪われた将来、今も続く悲しみを供述調書で訴え、極刑を求めた。母親の「Aを守れなかった」という後悔、父親の「人間のすることではない」という言葉は、事件の重さを法廷に突きつけた。

6月22日の判決で、殺意、実行行為、反省の程度、遺族感情がどう判断されるのか。Aさんの17年の人生と、遺族の痛みを前に、司法の判断が問われる。

この記事の要点Q&A

Q1. 旭川女子高生殺害事件とは何ですか?

2024年4月、北海道旭川市の神居大橋で、当時17歳の女子高校生Aさんが石狩川に落とされ死亡した事件です。内田梨瑚被告は、殺人、不同意わいせつ致死、監禁の罪に問われています。

Q2. 内田梨瑚被告は殺意について何と述べたのですか?

検察側から、橋の欄干に座らせた行為の危険性を問われ、内田被告は「落ちたら死ぬかもしれない」と分かっていたと認めました。そのうえで、「いまは、殺意があったと言われるのも当然だと思う」という趣旨の供述をしました。

Q3. 被告母親は法廷で何を証言しましたか?

内田被告の母親は、事件後に内田被告が反省ノートを15冊書いていると証言しました。ノートには、被害者や遺族への謝罪、恐怖や痛みを与えたこと、将来や夢を奪ったことへの後悔が記されているとされます。一方で、橋の上での行為については娘の説明を信じていると述べました。

Q4. 被害者Aさんの両親は何を訴えましたか?

母親は、霊安室で包帯に覆われたAさんと対面したこと、泳ぎが苦手だったAさんがどれほど怖かったかを思うとやりきれないと語り、極刑を求めました。父親は「怖かったろう、痛かったろう、寒かったろう、辛かったろう」と娘に語りかけ、「人間のすることではない」と厳しい処分を求めました。

Q5. 判決で注目される点は何ですか?

注目点は、殺意の認定、橋の上での実行行為の認定、共犯者証言の信用性、反省ノート15冊の評価、被害者遺族の心情、量刑判断です。判決は6月22日に予定されています。

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