兵庫県芦屋市の市立小学校で、当時小学4年生だった女子児童が同級生から「死ね」「地獄に落ちろ」などと書かれた携帯電話のメッセージを見せられ、不登校となったいじめ問題で、児童と保護者が芦屋市に損害賠償を求めていた裁判は、8日に和解が成立した。
和解では、市が児童と保護者側に60万円を支払うことなどで双方が合意した。保護者側は、学校や市教育委員会の対応が遅れたことで被害が深刻化し、転校を余儀なくされたとして、慰謝料など約540万円の損害賠償を求めていた。
問題が起きたのは2021年12月。女子児童は、同級生から強い中傷の言葉が書かれたメッセージを見せられた直後から登校できなくなった。学校や市教育委員会に相談した後も十分な対応が取られなかったとして、保護者側は市の責任を訴えていた。
この事案で大きな焦点となったのは、いじめを「重大事態」として認定するまでに時間を要した点だ。重大事態として認定されたのは、発覚から約7か月後だった。被害児童は不登校となり、その後、転校を余儀なくされた。
いじめ防止対策推進法では、いじめにより児童生徒の心身に重大な被害が生じた場合や、不登校が続く場合などに、学校や教育委員会は速やかに調査と対応を行うことが求められている。今回のように認定や対応が遅れれば、子どもの心身への影響はさらに深刻化する。
芦屋市の髙島崚輔市長は、被害を受けた本人と家族に多大な負担と心痛をかけたとして謝罪した。市は第三者委員会の調査報告書を踏まえ、いじめ対応マニュアルの見直し、教職員研修の強化、早期相談体制の整備を進めるとしている。
この問題は、単なる児童同士のトラブルではない。「死ね」「地獄に落ちろ」という言葉を突きつけられた子どもが学校に行けなくなり、最終的に転校を余儀なくされた。そこに学校と行政がどれだけ早く介入できたのかが問われている。
和解金60万円という数字だけでは、この事案の重さは測れない。問われているのは、被害を訴えた子どもの声を、学校と教育委員会が最初の段階でどれだけ深刻に受け止めたのかという点だ。
学校・保護者が確認すべきこと
子どもが急に登校を嫌がった場合は、まず安全な聞き取り環境を作る。
理由を問い詰めるより、子どもが安心して話せる状態を整えることが重要です。
メッセージやSNSの文面は保存する。
日時、相手、内容が分かる形で記録を残すことで、学校や教育委員会への説明がしやすくなります。
学校への相談は記録に残す。
いつ、誰に、何を相談し、どのような回答があったのかを残しておく必要があります。
欠席が続く場合は重大事態の可能性を確認する。
不登校が長引いている場合、学校や教育委員会に重大事態認定の検討状況を確認すべきです。
転校後の心のケアも継続する。
環境を変えて終わりではなく、子どもの心身への影響を長期的に見守る必要があります。
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編集部まとめ
芦屋市立小学校のいじめ問題は、「死ね」「地獄に落ちろ」といった強い中傷をきっかけに、女子児童が不登校となり、転校を余儀なくされた事案だ。
市が60万円を支払うことで和解は成立したが、問題の本質は金額ではない。発覚から重大事態認定まで約7か月を要したこと、学校と市教育委員会の初動が十分だったのかが問われている。
いじめ対応で最も重要なのは、子どもが被害を訴えた最初の段階で、学校が深刻に受け止めることだ。初動の遅れは、子どもの学校生活だけでなく、その後の人生にも影響する。
事件のポイントQ&A
芦屋市立小学校で何が起きたのですか?
当時小学4年生だった女子児童が、同級生から「死ね」「地獄に落ちろ」などと書かれた携帯電話のメッセージを見せられ、不登校となったいじめ問題です。
被害児童はその後どうなったのですか?
児童は登校できない状態となり、その後、転校を余儀なくされました。
なぜ裁判になったのですか?
保護者側は、学校や市教育委員会の対応が遅れたことで被害が深刻化したとして、芦屋市に慰謝料など約540万円の損害賠償を求めました。
和解内容はどうなったのですか?
市が被害児童と保護者側に60万円を支払うことなどで、8日に和解が成立しました。
何が問題視されているのですか?
いじめが重大事態と認定されたのが発覚から約7か月後だった点です。被害児童が不登校となった段階で、学校と市教育委員会がより早く対応できなかったのかが問われています。
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