JALに国交省が「厳重注意」 安全管理システムの不備を指摘
日本航空(JAL)の客室乗務員2人が乗務前日に社内規定を超えて飲酒し、広島発羽田行きJL252便が遅延した問題で、国土交通省航空局は2026年6月12日、JALに行政指導の「厳重注意」を行った。
国交省は、飲酒規定違反だけでなく、アルコール検知後の報告遅れ、虚偽報告、同僚からの指摘を組織として把握できなかった点を問題視。JALに対し、7月17日までに再発防止策を報告するよう求めた。
広島発羽田行きJL252便が42分遅延
問題が起きたのは5月23日のJL252便。50代の先任客室乗務員、いわゆるチーフキャビンアテンダントと、30代の客室乗務員が前夜、広島市内のホテルで飲酒した。
翌朝、チーフCAの出社前検査で呼気1リットルあたり0.23ミリグラムのアルコールが検知されたが、会社に報告しなかった。その後も同僚から事前検査を促されたものの、検査を実施しないまま空港へ移動。空港到着後の検査でもアルコールが検知され、乗務不可となった。
この影響で交代要員の手配が必要となり、JL252便は定刻より42分遅れて出発。乗客186人に影響が出た。
チーフCAを懲戒解雇 社長ら全役員も報酬減額
JALは6月12日、当該客室乗務員2人の処分を発表した。50代のチーフCAは懲戒解雇、30代の客室乗務員は停職処分となった。
役員処分も重い。鳥取三津子社長は月額報酬30%を2カ月減額。安全統括管理者の中川由起夫常務、客室本部長の中野淳子執行役員は月額報酬20%を1カ月減額し、その他の取締役・執行役員も月額報酬10%を1カ月減額する。社外取締役を含む全役員が処分対象となった。
問われる「権威勾配」とJALの安全文化
今回の問題で特に重いのは、同僚が異常を把握し、再三検査を促していたにもかかわらず、組織として乗務可否を速やかに判断できなかった点だ。
チーフCAという職位の高さが、周囲の制止を弱めた可能性もある。航空安全の現場では、肩書に関係なく危険を止められる文化が不可欠だ。国交省が安全管理システムの不備を指摘したのは、この組織風土そのものに問題があると見たからだ。
編集部まとめ
JALは過去にも飲酒問題で行政指導を受けており、今回の事案は「またか」という不信を招きかねない。客室乗務員は機内の安全を守る最後の砦であり、飲酒規定違反や隠ぺいは単なる服務違反では済まされない。
JALは国内外すべてのステイ先で客室乗務員の飲酒を禁止する緊急対策を取ったが、信頼回復には制度変更だけでは足りない。検査体制、報告ルート、上下関係に左右されない安全文化をどこまで作り直せるか。7月17日までに提出される再発防止策の中身が問われる。
Q1. JAL飲酒CA問題とは何ですか?
JALの客室乗務員2人が乗務前日に規定を超えて飲酒し、広島発羽田行きJL252便が42分遅延した問題です。
Q2. 国交省はどのような対応をしましたか?
2026年6月12日、JALに対して行政指導の「厳重注意」を行い、7月17日までに再発防止策を報告するよう求めました。
Q3. 処分された客室乗務員はどうなりましたか?
50代のチーフキャビンアテンダントは懲戒解雇、30代の客室乗務員は停職処分となりました。
Q4. 役員処分はありますか?
鳥取三津子社長は月額報酬30%を2カ月減額。安全統括管理者や客室本部長、その他全役員も報酬減額処分となりました。
Q5. 今後の焦点は何ですか?
アルコール検査体制の再構築、飲酒対策、権威勾配をなくす安全文化の確立、7月17日までに提出される再発防止策の実効性が焦点です。
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