鹿児島市の鹿児島実業高校で、ソフトテニス部の40代男性顧問が2年生の男子生徒の頬を平手打ちする体罰を行っていたことが明らかになった。学校は6月9日付で顧問を訓戒処分とし、部活動指導を1カ月停止した。
事案が起きたのは6月4日の昼休み。男子生徒がJRの遅延で遅刻したことを顧問に報告した際、顧問は「話を聞く態度に誠意が見られず」感情的になり、生徒の頬を1回平手打ちしたという。
学校の聞き取りに対し、顧問は「話を聞く態度に誠意が見られず感情的になってしまった。申し訳ない」と説明し、体罰を認めている。
学校側は事案を確認後、関係者への聞き取りを進め、処分を決定した。「体罰は許されるものではない」とし、再発防止に取り組む方針を示している。
鹿児島実業高校は、スポーツ強豪校として知られる。ソフトテニス部も県内で実績を残してきた部活動だ。だからこそ、今回の体罰は「強豪校の指導」という言葉で済ませてはいけない。遅刻の理由がJRの遅延だったことを踏まえても、報告に来た生徒に対し、教員が感情的に手を上げた事実は重い。
部活動では、顧問と生徒の間に強い上下関係が生まれやすい。特に強豪校では、勝利や規律が強調されるあまり、生徒が萎縮し、指導者の言動に異議を唱えにくい空気が生まれることもある。体罰は一度きりでも、生徒の心に深い不信感を残す。
教育現場で守られるべきなのは、勝利や実績より先に、生徒の安全と尊厳である。指導の名を借りた暴力は、どれだけ短い時間の行為であっても正当化できない。
今回の処分で終わらせるのではなく、学校は部活動内の指導体制、顧問と生徒の距離感、相談しやすい仕組みを検証する必要がある。生徒が安心して競技に打ち込める環境を取り戻せるかが、名門校としての責任になる。
【編集部コメント】
今回の問題で最も重いのは、「感情的になった」という説明だ。教育者が感情を抑えられず、生徒に手を上げたなら、それは指導ではない。
遅刻の報告を受ける場面で、生徒に何を伝えるべきだったのか。理由を確認し、必要なら注意し、再発防止を話す。それが教育の場である。平手打ちは、教育ではなく暴力だ。
鹿児島実業高校は強豪校だからこそ、厳しさと暴力の線引きを明確に示す必要がある。1カ月の指導停止で終わらせず、部活動全体の空気を点検すべきだ。
【鹿児島実業高校ソフトテニス部体罰問題の要点Q&A】
Q. 鹿児島実業高校で何が起きたのですか?
A. ソフトテニス部の40代男性顧問が、2年生男子生徒の頬を1回平手打ちする体罰を行いました。
Q. 体罰はいつ発生したのですか?
A. 6月4日の昼休みに発生しました。男子生徒がJRの遅延で遅刻したことを顧問に報告した際の出来事です。
Q. 顧問はなぜ平手打ちしたのですか?
A. 顧問は「話を聞く態度に誠意が見られず感情的になってしまった」と説明し、体罰を認めています。
Q. 学校はどのような処分をしましたか?
A. 学校は6月9日付で顧問を訓戒処分とし、部活動指導を1カ月停止しました。
Q. 今後の焦点は何ですか?
A. 顧問個人の処分だけでなく、部活動内の指導体制、顧問と生徒の関係、体罰を防ぐ相談体制が機能するかが焦点です。
コメント
0件まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか。