【検証】「いじめは終わったはずなのに」40〜50代の約4割が今も苦しむ“いじめ後遺症”の現実

学校いじめの後遺症が大人になっても続く実態を伝える報道アイキャッチ

週刊TAKAPI編集部/担当記者:成田

学校で受けたいじめは、卒業と同時に終わるのか。答えは、あまりにも重い。当事者団体「いじめ後遺症ドットコム」が行った252人調査で、いじめ被害が大人になっても心身に残り続ける実態が浮かび上がった。

調査では、いじめを受けた場所の98%が「学校」だった。さらに、被害期間が「5年以上」と答えた人は49.6%。つまり、半数近くが短期間のトラブルではなく、逃げ場のない教室や部活動、人間関係の中で、長期にわたり傷つけられていたことになる。

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最も多かった後遺症は「自己肯定感の低下」で84.4%。続いて「フラッシュバック・悪夢」77.5%、「周囲が悪口を言っているように感じる関係妄想」77.5%、「嫌われ不安」75.8%。回答者の97%が、自分には「いじめ後遺症」があると感じていた。

特に保護者世代に突き刺さるのは、年代別の結果だ。40代の37%、50代の39%が「症状が改善していない」と回答した。学校を出て20年、30年が経っても、教室で囲まれた記憶が満員電車でよみがえる。職場の小さな笑い声が、自分への悪口に聞こえる。人間関係への恐怖から、転職や退職を繰り返す人もいる。

これは「昔のことを引きずっている」のではない。長期間の加害によって、人を信じる力、自分を肯定する力、社会の中で安心して生きる感覚が壊された結果だ。

回復を左右するのは、周囲の支援だった。家族や周囲から支援を受けた人の症状改善率は76%。一方、支援がなかった人は50%にとどまった。誰にも相談できず、理解されず、孤立したまま大人になった被害者ほど、傷は深く残りやすい。

保護者が見るべきなのは、「今、学校に行けているか」だけではない。子どもが笑わなくなった、家で口数が減った、部活や友人の話を避ける、朝になると体調を崩す。こうしたサインは、将来まで続く傷の入り口かもしれない。

いじめは、卒業すれば消える出来事ではない。被害者の人生を数十年単位で削り続ける、見えない暴力である。学校、家庭、行政、企業が向き合うべきなのは、「その場の解決」ではなく、その後の人生まで含めた救済だ。

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編集部まとめ

今回の調査が示したのは、いじめ被害が「子ども時代の一時的な問題」ではないという現実だ。40〜50代の約4割が今も症状の改善を感じていないという結果は、保護者世代にとって他人事ではない。子どものSOSを早く拾うこと、被害後の医療・福祉・就労支援につなげること、そして「忘れればいい」という言葉を絶対に使わないことが重要だ。

いじめ後遺症・252人調査Q&A

Q1. いじめ後遺症とは何ですか?
学校などで受けたいじめの影響が、卒業後も心身の症状として残り続ける状態を指します。

Q2. 調査ではどのような症状が多かったですか?
自己肯定感の低下、フラッシュバック・悪夢、関係妄想、嫌われ不安などが多く報告されました。

Q3. 40〜50代にも影響は残っていますか?
はい。40代の37%、50代の39%が「症状が改善していない」と回答しています。

Q4. 支援の有無で違いはありますか?
あります。家族や周囲から支援を受けた人の症状改善率は76%だった一方、支援がなかった人は50%にとどまりました。

Q5. 保護者は何に注意すべきですか?
子どもが急に無口になる、登校前に体調を崩す、友人や部活の話を避ける、自己否定的な言葉が増えるなどの変化に注意が必要です。

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