【和歌山・海南市】9年前の小1いじめ問題で市教委・学校職員を刑事告訴 「後付け資料」疑惑、公文書偽造・名誉毀損の疑い

和歌山県海南市のいじめ問題で市教委と学校職員が刑事告訴・告発されたことを伝える報道用アイキャッチ

週刊TAKAPI編集部/担当記者:成田

和歌山県海南市で9年前に起きた小学校1年生の女子児童へのいじめ問題をめぐり、被害者側は6月19日、市教育委員会と学校の職員を公文書偽造罪や名誉毀損罪などの疑いで海南警察署に刑事告訴・告発した。告訴・告発状は受理された。

問題は2017年頃に発生した。当時小学1年生だった女子児童は、同級生から「ミッション」と称して用水路に入るよう強要されたほか、ランドセルから携帯電話を奪われるなどの行為を受けたとされる。女子児童はその後、不登校となった。

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保護者は長年、この問題をいじめ防止対策推進法上の「重大事態」として認定するよう求めてきた。しかし、海南市教委は長く重大事態とは認めず、対応の遅れや判断の妥当性が問われてきた。

今年3月、海南市は第三者委員会の答申を受け、ようやく重大事態と認定した。第三者委は、市教委の過去の判断について「不適切かつ誤った判断」と指摘。市長が謝罪する事態となっていた。

今回の刑事告訴・告発で焦点となっているのは、市教委が「開催した」とするいじめ対策会議の資料だ。第三者委の調査では、開催年だけを変えた内容がほぼ同一の資料が複数確認された。さらに、保護者が7年前に情報公開請求した際、市教委は当初「非保有」と回答していたにもかかわらず、後になって該当資料が開示されたという。

第三者委は答申書で、これらの資料について「後付け資料として付した可能性が極めて高い」と指摘していた。被害者側は、この資料作成の経緯に不正があるとして、市教委職員と学校職員を刑事告訴・告発した。

被害者の母親は取材に対し、「たかがいじめと思われるかもしれないが、虚偽の内容で親子を引き剥がされそうになったこともある」と訴えたうえで、「この虚偽により支援を受けられなかったり、不利益を被っている人も多くいる。私たちには多くの証拠があるので、警察にはこの証拠を使ってほかの不正を世に出して欲しい」と話している。

海南市教育委員会は取材に対し、現時点で「担当者がおらずお答えできない」としている。

いじめ発生から9年。被害者側の訴えは、学校現場の初動対応だけでなく、市教委の文書管理、情報公開、重大事態認定の在り方にまで及んでいる。警察が今後、資料作成の経緯や関係職員の認識をどこまで調べるのかが焦点となる。

編集部まとめ

海南市の小1いじめ問題は、発生から9年を経て、市教委・学校職員への刑事告訴・告発に発展した。第三者委員会は、市教委が長く重大事態と認めなかった判断を「不適切かつ誤った判断」と指摘。さらに、いじめ対策会議の資料について「後付け資料」の疑いも示していた。今回の焦点は、いじめ対応の遅れだけでなく、公文書の信頼性と行政の説明責任に移っている。

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