滋賀県近江八幡市教育委員会は7月31日、市内の市立小学校に通う男子児童が同級生から危険な行為を受けた問題について、いじめ防止対策推進法に基づく「いじめ重大事態」に認定したと発表した。
問題の行為が起きたのは、2025年12月5日の休み時間だった。
市教委の調査によると、男子児童は教室後方で同じクラスの児童にあおむけに押し倒され、両脚の上に座られた状態で、胸部を3回押す「心臓マッサージのような行為」を受けた。さらに、相手児童の臀部を顔に押し当てられたという。
被害児童は聞き取りに対し、「息ができず、命の危険を感じた」「今後も同じことをされるかもしれない」と訴えた。
身体的な苦痛に加え、同様の行為を再び受けるのではないかという強い恐怖や精神的負担が確認されたことから、市教委は重大な被害が生じたと判断した。
周囲の児童が制止、担任は授業準備中
行為があった際、周囲にいた児童が止めに入った。
一方、担任教師は同じ教室の前方で次の授業の準備をしており、後方で起きていた状況に気づかなかったという。
被害児童の保護者から連絡を受けた学校は、いじめ防止対策委員会を設置。2025年12月から2026年4月にかけて、被害児童や関係児童、教職員らへの聞き取りを進めた。
委員会は、今回の行為について、被害児童に息ができないほどの命の危険を感じさせ、肉体的、精神的に深刻な苦痛を与えたとして、いじめ重大事態に該当すると判断した。
2023年以降にも同じ児童から3件のいじめ
調査では今回とは別に、2023年11月から2025年10月までの間、被害児童が同じ児童から身体を振り回されたり、背中に頭突きを受けたりする行為が計3回あったことも確認された。
委員会は、これらについても、被害児童に身体的、精神的な苦痛を与える「いじめ」にあたると認定した。
過去の行為の一部は、学校の保健室に残されていた日誌をさかのぼって調べる中で判明したという。
こうした経緯を踏まえ、委員会は学校側について、「いじめに向き合う姿勢や組織的な対応を欠いていた」と指摘。児童の被害や異変を継続的に把握し、教職員間で共有する体制が不十分だったと評価した。
教育長が謝罪、再発防止策を検討
近江八幡市教育委員会の安田全男教育長は、「いじめの事実と学校の対応上の課題が明らかになった。結果を重く受け止め、再発防止策を徹底する」と謝罪の意を示した。
市教委は今後、教職員間の情報共有や児童の見守り体制を検証し、再発防止に向けた具体策を講じる方針。被害児童をはじめ、関係する児童への支援も継続するとしている。
編集部まとめ
同じ教室内に担任がいながら、周囲の児童が止めに入るまで危険な行為を把握できなかった事実は重い。過去の被害も保健室の日誌を調べて初めて確認されており、学校には、児童の訴えや小さな異変を個別の出来事として終わらせず、組織全体で共有する体制の再構築が求められる。市教委が今後、見守り体制や情報共有の改善について、どこまで具体的な再発防止策を示せるかが焦点となる。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項:本記事は、近江八幡市教育委員会が2026年7月31日に公表した調査結果と、提示された報道内容をもとに構成しています。被害児童と関係児童の特定につながる情報は掲載していません。
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