2026年7月30日
愛知県は29日、県内の最低賃金について、国が示した目安と同じ54円以上の引き上げを求める要請書を、愛知地方最低賃金審議会と愛知労働局へ提出した。
愛知県の現在の最低賃金は時給1140円。54円引き上げられた場合は、時給1194円となる。ただし、1194円は現段階で決定した金額ではなく、国の目安を当てはめた試算となる。愛知県の最低賃金は2025年10月18日から時給1140円が適用されている。
物価高を受け、54円以上の引き上げを求める
大村秀章知事は記者会見で、物価上昇が続き、県民の家計が厳しい状況にあると指摘した。
春闘では前年並みの高い水準で賃上げが進んだとする一方、その流れを大企業だけにとどめず、地域の中小企業や非正規雇用を含む幅広い労働者へ波及させる必要があるとの考えを示した。
県は、生活費の上昇に対応し、働く人の所得を底上げするためにも、最低賃金を国の目安と同額以上引き上げることが重要だとしている。
愛知県はAランク 国の目安は54円
中央最低賃金審議会は28日、2026年度の地域別最低賃金額改定の目安について答申した。愛知県は、地域の経済状況などを踏まえた区分でAランクに位置づけられ、引き上げ額の目安は54円とされた。中央最低賃金審議会では、6月から地域別最低賃金の改定に向けた審議が進められていた。
国の目安通りに改定された場合、愛知県の最低賃金は現在の時給1140円から1194円へ上がる計算となる。
愛知地方最低賃金審議会は、地域の賃金実態や企業経営への影響などを踏まえ、県内の具体的な引き上げ額を審議する。
中小企業には人件費上昇の負担も
最低賃金の引き上げは、物価高に直面する労働者の家計を下支えする一方、人件費や原材料費の上昇に苦しむ中小企業にとっては新たな負担となる。
特に、人件費の割合が高い小売業、飲食業、介護・福祉、サービス業などでは、最低賃金の上昇が経営や雇用に直接影響する可能性がある。
愛知県は、企業が賃上げの原資を確保できるよう、取引価格への適正な転嫁を促すほか、補助制度などを通じて中小企業を支援する考えを示している。
最低賃金の引き上げだけでなく、発注側企業が原材料費や人件費の上昇分を取引価格へ適切に反映できる環境を整えられるかも重要となる。
時給1194円は審議前の試算
今後、愛知地方最低賃金審議会が労使双方の意見や県内の経済状況を踏まえて審議し、愛知労働局長が最終的な最低賃金額を決定する。
国が示す目安には拘束力がなく、地方審議会の判断によって、実際の引き上げ額が目安を上回ることも、異なる金額となることもある。
このため、現時点で焦点となっている時給1194円は確定額ではない。正式な金額と適用開始日は、今後の審議と答申を経て決まる。
編集部まとめ
愛知県は、物価高で厳しさを増す家計を支えるため、最低賃金を54円以上引き上げるよう求めた。
国の目安通りなら時給1194円となるが、賃上げを持続させるには、中小企業の価格転嫁や生産性向上を支える施策を同時に進める必要がある。今後は、愛知地方最低賃金審議会が示す引き上げ額が焦点となる。
週刊TAKAPI編集部/一条
特記事項:時給1194円は、現在の愛知県最低賃金1140円へ国の目安額54円を加えた試算です。正式な最低賃金額と適用開始日は、愛知地方最低賃金審議会の審議などを経て決定されます。
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