写真加工アプリ「SNOW」に措置命令 広告明示なしのX投稿、消費者庁がステマ認定

写真加工アプリ「SNOW」の運営会社が、広告と明示せずXへの投稿を依頼したとして消費者庁から措置命令を受けたことを伝える報道アイキャッチ

消費者庁は8月6日、写真加工アプリ「SNOW」の宣伝をめぐり、広告であることを明らかにしないまま第三者にXへ投稿させていたとして、運営会社2社に景品表示法に基づく措置命令を出した。

対象は、韓国に本社を置くSnow Corporationと、東京都品川区の日本法人SNOW Japan。消費者庁は、両社が投稿内容の決定に関与した「事業者の表示」でありながら、一般利用者が広告と判別しにくい状態だったと認定した。

報酬を条件にXへの投稿を依頼

消費者庁によると、SNOW Japanは第三者に対し、対価を提供することを条件に、同社が示した方針に沿ってSNOWの機能を紹介する投稿をXへ掲載するよう依頼していた。

Snow Corporationは日本国内の表示内容の決定をSNOW Japanに委ねており、消費者庁は両社が共同で投稿内容の決定に関与していたと判断した。一方、投稿には企業から依頼された広告であることが明瞭に示されていなかった。

公表資料には、2025年4月2日から同月22日までに投稿されたものを中心に、少なくとも51件の表示例が整理されている。一部の投稿は2026年6月25日まで掲載されていた。

「ChatGPTより軽い」など具体的な比較表現も

対象となった投稿では、人物やペットの写真をアニメ風の画像に変換した作例とともに、SNOWの生成速度や再現性、手軽さを評価する文章が掲載されていた。

消費者庁の資料には、「ChatGPTより軽くて超いい」「SNOWならすぐできるよー!」「最近流行ってるSNOWのAI生成、めっちゃかわいいし楽しい」といった文言が記録されている。企業から依頼された投稿であることを示さないまま、投稿者自身が複数のサービスを比較して得た感想のように見える構成となっていた。

公表された投稿画面の例では、1件当たり約2440回、6300回、8537回などの表示が確認できる。これらは一部の例にすぎず、対象投稿全体の総表示回数や閲覧者数は公表されていない。

世界2億人以上が使うアプリ、日本の利用者数は非公表

SNOWは、人物写真の加工やAIプロフィール、アニメ風画像の生成などを提供する写真加工アプリ。アプリの公式説明では、世界で2億人以上に利用されているとしている。運営会社は、サービス開始から約1年半で利用者が1億人を超えたとも説明している。

ただし、日本国内の現在の利用者数や、今回の投稿を実際に見た利用者の総数は明らかにされていない。措置命令の対象は日本向けに行われたX上の宣伝表示であり、世界の利用者全体が直接影響を受けたことを示すものではない。

両社「マーケティングプロセスを再点検」

消費者庁の公表資料には、両社による詳細な公式コメントは掲載されていない。

一方、消費者庁の説明を報じた業界メディアによると、両社は「マーケティングプロセスを再点検するとともに、再発防止に向けて管理体制の強化を徹底する」としている。

今後は、投稿依頼時の指示内容や広告表示の確認手順、外部投稿者への教育、公開後の監視体制などを、どのように見直すかが焦点となる。

違反の周知と再発防止を命令

消費者庁は両社に対し、対象となる表示を速やかに取りやめることに加え、景品表示法に違反していた事実を消費者へ周知するよう命じた。

さらに、同様の表示を防ぐための再発防止策を講じ、役員と従業員へ周知徹底することや、実施内容を消費者庁へ報告することを求めている。

医療やサプリに続き、アプリのSNS宣伝も対象に

ステルスマーケティングは2023年10月から景品表示法の規制対象となった。規制の中心となるのは、投稿したインフルエンサーではなく、投稿内容の決定に関与した広告主側の事業者だ。

これまでには、割引と引き換えに口コミ投稿を依頼した医療法人のほか、サプリメントを扱う大正製薬、ロート製薬、高光製薬などに措置命令が出されている。今回は、デジタルサービスそのものを宣伝するため、複数のX投稿を展開した事案が対象となった点に特徴がある。

編集部まとめ

今回問題となったのは、SNOWの機能や品質そのものではなく、報酬を伴う依頼投稿を自主的な口コミのように見せていた点だ。

特に「他のサービスより速い」「簡単に作れる」といった比較や評価は、投稿者自身の率直な体験談に見えるほど、利用者の選択に影響を与えやすい。企業が第三者へSNS投稿を依頼する際は、「PR」「広告」「提供を受けた投稿」など、広告主との関係を一目で判別できる形で示す必要がある。

利用者の多いアプリや知名度の高い企業ほど、投稿件数だけでなく、広告表示の管理体制そのものが厳しく問われることになる。

週刊TAKAPI編集部/成田

特記事項

本記事は消費者庁の公表資料などを基に再構成しています。対象投稿全体の総閲覧者数と日本国内のSNOW利用者数は公表されていません。

Q消費者庁はSNOWの運営会社にどのような処分を出しましたか?
A景品表示法に基づく措置命令を出しました。
Q何が問題とされたのですか?
A報酬を条件に依頼したX投稿で、広告であることを消費者が明確に判別できる表示を付けていなかった点です。
Q措置命令の対象となった会社はどこですか?
A韓国のSnow Corporationと、日本法人のSNOW Japanです。
Q投稿ではどのような内容が紹介されていましたか?
ASNOWのAI画像生成機能について、生成速度や使いやすさ、完成画像の印象などを評価する内容が掲載されていました。
QSNSで企業から依頼された投稿をする場合、何が必要ですか?
A「PR」「広告」「企業から依頼を受けた投稿」など、広告であることを利用者が容易に判別できる表示が必要です。

各種ご相談、情報提供、現地写真・動画、関係者からの証言などをお持ちの方は、メール(info@108takapi.jp)、各種SNSのDM、または公式LINEまでお寄せください。週刊TAKAPI編集部が内容を確認のうえ、取材・報道の参考とさせていただきます。

リアルタイム
サイト訪問者数
33

コメント

0件

まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか。

コメントを投稿する

名前は空欄でも投稿できます。その場合は「匿名」と表示されます。