【続報・田原】約3000万円巡る会社法違反容疑 市職員を不起訴 田原市の処分判断が焦点に

約3000万円を巡る会社法違反容疑で逮捕された田原市職員が不起訴となった続報を伝える週刊TAKAPIのアイキャッチ

会社法違反の疑いで8月20日に逮捕されていた田原市商工観光部企業立地課の男性職員(43)について、名古屋地検豊橋支部は9月3日付で不起訴処分としました。

地検は理由について「諸般の事情を考慮し、不起訴処分とした」とするにとどめ、嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予など具体的な処分理由は明らかにしていません。

週刊TAKAPIは8月24日、逮捕を受けて田原市が男性職員の採用後の業務を内部確認していることを独自取材で報じました。当時、市は懲戒処分を決めておらず、起訴・不起訴を含む刑事手続きや事実関係を踏まえて対応を判断すると説明していました。今回、その判断材料の一つだった刑事処分が「不起訴」という形で示されたことになります。

前職退職時、計約3000万円を振り込んだ疑いで逮捕

逮捕時の警察発表などによると、男性職員は田原市への採用前、親族が経営する豊川市内の工作機械などの製造販売会社で取締役を務め、経理業務を担当していました。

2026年3月末に前職を退職する際、株主総会で退職金額を決議するなどの承認手続きを経ないまま、会社名義の口座から自身の口座へ3回にわたり計約3000万円を退職金として振り込み、会社に損害を与えた疑いが持たれていました。

会社側から警察への相談や刑事告訴があり、男性職員は8月20日に逮捕されました。逮捕後の警察の調べでは黙秘していたと報じられています。

この計約3000万円を巡る内容は、あくまで逮捕時に示された容疑です。9月3日の不起訴によって刑事裁判は開かれないことになり、地検も具体的な不起訴理由を説明していません。

4月1日に田原市採用 市は逮捕後に内部確認

男性職員は前職を退職した翌日の4月1日付で田原市に採用され、商工観光部企業立地課に配属されました。

週刊TAKAPIが8月24日に市へ取材したところ、市は男性職員が採用前に親族の会社で勤務していたことは把握していましたが、計約3000万円を巡る金銭トラブルや刑事告訴については知らなかったと説明しました。

逮捕についても警察から事前連絡はなく、報道機関からの問い合わせを受けた後、警察側に確認して逮捕の事実を把握したとしていました。

市はその後、男性職員が4月1日以降に商工観光部企業立地課で担当した業務について内部確認に着手。8月24日時点では、市役所内で不適切な事務処理や不正が確認された事実はありませんでした。

市「勤務態度は勤勉で、真面目だった」

男性職員の市役所での勤務状況について、田原市担当者は8月24日の週刊TAKAPIの取材に、

「勤務態度は勤勉で、真面目だった」

と説明していました。

逮捕当時も男性職員は市職員として在籍しており、市は逮捕という事実だけで懲戒処分を決めるのではなく、捜査の進展や起訴・不起訴を確認したうえで必要な対応を判断するとの方針を示していました。

今回、不起訴処分が出たことで、市が当時判断材料として挙げていた刑事手続きについて、一つの結論が示された形です。

不起訴理由は「諸般の事情」 詳細は明らかにせず

名古屋地検豊橋支部は9月3日、男性職員を不起訴処分としました。

地検が説明したのは「諸般の事情を考慮し、不起訴処分とした」とする内容までで、具体的な理由は明らかになっていません。

このため、証拠関係をどのように評価したのか、嫌疑そのものについてどのような判断をしたのか、別の事情が考慮されたのかは分かっていません。

不起訴は検察が刑事裁判に起訴しない処分で、裁判所による無罪判決とは異なります。一方、具体的な理由が公表されていない以上、「証拠不足だった」「嫌疑が晴れた」「起訴猶予だった」などと理由を断定することもできません。

前勤務先との示談・返還などは確認できず

不起訴を受けてもう一つ確認が必要なのが、刑事告訴した前勤務先との間で、その後どのような動きがあったのかです。

9月3日時点で確認できた公開情報では、計約3000万円について返還が行われたのか、会社側との示談があったのか、刑事告訴が取り下げられたのかといった事情は明らかになっていません。

前勤務先側が今回の不起訴処分について、どのような見解を示しているのかも確認できていません。

これらは不起訴に至った事情を考える際に関係する可能性がありますが、地検が処分理由を明らかにしていない以上、両者を結び付けることはできません。

8月24日に市が示した「処分判断」の局面へ

今回の続報で重要なのは、不起訴処分だけではありません。

8月24日の週刊TAKAPIの取材で、田原市は男性職員について懲戒処分を決めておらず、起訴・不起訴など今後の刑事手続きと判明した事実を踏まえて対応すると明言していました。処分を決定した場合は、市民へ説明する方針も示していました。

その前提となっていた刑事手続きが、9月3日に不起訴となりました。

一方、市が逮捕後に行っていた商工観光部企業立地課での内部確認について、最終的にどのような結果となったのかはまだ明らかになっていません。

田原市公式サイトでも、9月3日夜時点で確認できる市の公表は8月21日の逮捕時の市長コメントまでで、不起訴を受けた新たな市長コメントや人事上の対応は確認できていません。

刑事事件として不起訴になったことを踏まえ、市が内部確認をどう整理し、男性職員について人事・服務上の対応を行うのか。8月24日の独自取材から続く次の焦点はここになります。

編集部まとめ

会社法違反の疑いで8月20日に逮捕された田原市商工観光部企業立地課の男性職員(43)は、9月3日付で不起訴処分となりました。名古屋地検豊橋支部は理由を「諸般の事情」としていますが、具体的な処分理由は公表していません。

週刊TAKAPIが8月24日に田原市へ取材した際、市は男性職員の採用後の業務を内部確認し、当時、市役所内で不正は確認されていないと説明していました。同時に、懲戒処分については起訴・不起訴を含む刑事手続きなどを踏まえて判断する方針を示していました。

その「不起訴」という判断が今回示されました。今後は、市が内部確認をどのように結論付け、人事・服務上の扱いをどう判断するのかが焦点となります。

週刊TAKAPI編集部/成田

特記事項

本記事は、週刊TAKAPIが8月24日に公開した【続報・独自・田原】「約3000万円巡る会社法違反容疑で逮捕の市職員 市が内部確認『勤務態度は勤勉』処分は捜査進展後」の後続記事です。前回記事では田原市への直接取材により、採用後の内部確認、勤務状況、在籍状況、処分判断の方針などを確認しています。

今回新たに確認された事実は、名古屋地検豊橋支部が9月3日付で男性職員を不起訴としたことです。約3000万円を3回にわたり振り込んだとする内容などは逮捕時の容疑であり、不起訴後に違法行為として確定したものではありません。

不起訴理由は「諸般の事情」以上に公表されていません。また、前勤務先との示談、計約3000万円の返還、告訴取り下げの有無についても9月3日時点で確認できていません。

Q田原市職員はなぜ逮捕されていたのですか?
A田原市への採用前に勤務していた会社を退職する際、所定の承認手続きを経ず、会社口座から自身の口座へ3回にわたり計約3000万円を退職金として振り込み、会社に損害を与えたとして会社法違反の疑いで8月20日に逮捕されていました。
Q男性職員は起訴されたのですか?
Aいいえ。名古屋地検豊橋支部は9月3日付で男性職員を不起訴処分としました。
Qなぜ不起訴になったのですか?
A名古屋地検豊橋支部は「諸般の事情を考慮し、不起訴処分とした」と説明しています。嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予など、具体的な理由は公表されていません。
Q田原市は逮捕後にどのような対応をしていましたか?
A週刊TAKAPIが8月24日に田原市へ取材した際、市は男性職員の採用後の業務について内部確認を行い、その時点で市役所内の不適切な事務処理や不正は確認されていないと説明しました。処分については起訴・不起訴など刑事手続きを踏まえて判断するとしていました。
Q不起訴を受けて田原市は職員を処分するのですか?
A9月3日時点で、不起訴後の具体的な人事・服務上の対応は明らかになっていません。市が8月24日に示した方針を踏まえ、不起訴を受けて内部確認や処分判断をどう整理するかが今後の焦点です。

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