高校野球の作新学院高校(宇都宮市)硬式野球部で、小針崇宏監督(43)が1年生部員約20人を正座させ、その状態が約1時間続く不適切な指導があったとして、9月18日から野球部の指導を外れていることが分かった。
問題となった指導は8月20日午前9時ごろに行われた。小針監督は部員の練習準備や道具の扱い方について指導するため正座を促し、数分間話した後、部員同士で改善策を話し合うよう指示してその場を離れた。
学校側によると、小針監督が姿勢を崩してよいと伝えなかったため、部員らはその後も正座した状態で話し合いを続け、結果的に約1時間に及んだという。部員にけがは確認されていない。学校は長時間の正座について、身体的苦痛を伴う不適切な指導だったと判断している。
8月20日 1年生だけで練習準備中に指導
当時、2年生部員は夏の甲子園大会を視聴するためグラウンドを離れており、1年生部員が練習準備やグラウンド整備をしていた。
学校側の説明では、準備の進み方や部員の集中力、グラウンドにボールが残されていたことなどを見た小針監督が、1年生をベンチ付近に集めた。
小針監督は正座を促したうえで、道具を扱う姿勢や行動について4~5分程度指導。その後は部員自身で今後の改善策を話し合うよう求めた。
問題は、その後だった。
小針監督はその場を離れたものの、部員に「足を崩してよい」と明確に伝えていなかった。学校側によると、1年生は姿勢を変えてよいか判断できず、そのまま正座を続けたという。
約1時間後、2年生の声かけで正座を解く
正座は部員同士のミーティング中も続いた。
約1時間後、甲子園中継を見終えてグラウンドに戻ってきた2年生部員が声をかけ、1年生が正座を解いたとされる。
今回の事案で1年生部員にけがはなかった。
学校側は、長時間に及ぶ正座は身体的苦痛を伴うとして、不適切な指導だったとの認識を示している。
小針監督も、最初に正座を求めたことや、姿勢を崩してよいと伝えないままその場を離れたことについて、自身の落ち度だったとして後悔しているという。
投書で発覚 9月18日から指導外れる
事案は、高野連側に寄せられた投書をきっかけに表面化した。
学校が小針監督らに事実関係を確認し、9月18日から小針監督は野球部の指導を外れている。現在行われている秋季栃木県高校野球大会では、岩嶋敬一部長が監督代行を務めている。
学校は調査内容を高野連側へ報告し、今後の対応について判断を仰ぐとしている。
現時点では、小針監督に対する新たな正式処分の内容が決定したとの情報は確認できていない。
昨年は素手で捕球させ部員が指を骨折
小針監督が不適切な指導を理由に野球部の指導を外れるのは、2年連続となる。
2025年5月23日の練習では、捕球する際の手の感覚を身につけさせる目的で、部員1人にグラブを外して送球を受ける練習を指示した。
部員は右手薬指の2カ所を骨折し、手術を受けた。日本学生野球協会はこの指導を「危険行為」と判断し、小針監督を2025年6月9日から12月8日まで6カ月の謹慎処分とした。
学校側も小針監督を部活動の指導から外し、同年夏の栃木大会では別の指導者が監督を務めた。
小針監督は謹慎期間を経て2026年春に監督へ復帰していたが、今回再び指導を外れることになった。
前回処分後、再び「不適切な指導」
今回の事案では、2025年のように部員がけがをしたわけではない。
また、学校側の説明では、小針監督が約1時間にわたり継続して説教していたのではなく、数分間指導した後に部員同士で話し合わせ、その間も正座が続いたという。
この点は正確に切り分ける必要がある。
一方で、前年に部員の安全を損なう指導を理由として6カ月の謹慎処分を受け、復帰した後に再び身体的苦痛を伴うとして学校が不適切と判断する指導が起きたことも事実だ。
今回の問題は、単に「正座が何分なら許容されるか」という時間だけではなく、前回の処分後に指導方法や部員の身体的負担について、どのような再発防止が行われていたのかという点にも及ぶ。
今後は高野連側の判断へ
学校側は今回の事案を重く受け止め、秋季県大会では監督を交代している。
今後は学校から提出される報告を踏まえ、高野連側で対応が検討される見通しとなっている。
現段階では、指導自粛の期間や新たな処分内容について確定情報はない。
前年に6カ月の謹慎処分を受けた後の再発となったことから、今回の指導だけでなく、前回処分後にどのような再発防止策や指導上の確認が行われていたのかも焦点となる。
編集部まとめ
作新学院の小針崇宏監督は、1年生部員約20人に正座を促し、その状態が約1時間続いた不適切な指導を理由に、9月18日から野球部の指導を外れている。約1時間にわたり直接指導し続けたわけではなく、部員同士の話し合い中も正座が続いたと学校側は説明している。
小針監督は2025年にも、部員に素手で捕球させて指を骨折させた「危険行為」で6カ月の謹慎処分を受けている。今回、再び指導を外れたことで、個別行為への対応だけでなく、前回処分後の再発防止がどのように行われていたのかも検証点となる。
週刊TAKAPI編集部/成田
特記事項
この記事は、2026年9月25日までに確認できた学校側への取材を基にする複数の公開情報と、2025年の日本学生野球協会による処分内容を照合して構成しています。
今回の正座について、公開情報では「約20人」とするものが中心ですが、一部に異なる人数表記もあります。本稿では学校側の説明として確認できる「約20人」を採用しています。
小針監督が部員に直接話した時間は4~5分程度とされ、その後は部員自身に話し合いをさせていました。「約1時間正座させながら説教を続けた」という事案ではありません。
部員にけがは確認されていません。
9月25日時点で、小針監督は指導を外れていますが、今回の事案について新たな正式処分が確定したとの情報は確認できていません。

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