【埼玉・毛呂山】観光協会派遣中の47歳係長を懲戒免職 補助金86万円余を私的流用、約275万円使途不明 手当約498万円を不正受給

埼玉県毛呂山町が観光協会派遣中の47歳男性係長を補助金の私的流用や手当不正受給などで懲戒免職とした事案を伝える週刊TAKAPIのアイキャッチ

埼玉県毛呂山町は9月25日、町観光協会への派遣中に町補助金を私的に流用したほか、虚偽の勤務時間表を作成して時間外手当などを不正に受給したとして、産業振興課商工観光係の男性係長(47)を懲戒免職とした。

男性係長は2021年度から2025年度まで毛呂山町観光協会に派遣され、事務局長を務めていた。

町によると、現時点で具体的な私的流用が確認されているのは町補助金86万2216円。このほか、町補助金88万円と観光協会の小口現金約187万円が使途不明となっている。

さらに、実際には勤務していない時間を勤務したように記載した虚偽の勤務時間表を作成し、時間外手当など少なくとも約498万円を不正に受給していたとされる。

これらを単純に合計すると約859万円規模となるが、私的流用、使途不明金、不正受給では事実関係と金銭の性質が異なる。本稿では、約859万円全額を「横領」とは扱わない。

観光協会事務局長として2021~2025年度に勤務

男性係長は毛呂山町産業振興課商工観光係に所属し、2021年度から2025年度まで毛呂山町観光協会へ派遣されていた。

派遣先では事務局長として勤務していた。

今回確認された行為の対象期間は複数年度にまたがっており、補助金、小口現金、勤務時間表という異なる領域で問題が確認されている。

町は9月25日付で男性係長を懲戒免職とした。

86万2216円を私的流用

町が具体的に私的流用を確認しているのは、関係団体に交付された町補助金86万2216円。

男性係長がこの金を着服し、私的に流用したとされる。

町の聞き取りに対し、男性係長は一部の着服について認めているという。

一方、今回判明しているすべての金銭について本人による着服が確定しているわけではない。

補助金88万円と小口現金約187万円は「使途不明」

町は、別の町補助金88万円について使途を確認できない状態になっていることも把握した。

さらに、観光協会で管理していた小口現金約187万円も使途不明となっている。

合わせて約275万円となる。

ただし、この約275万円について現時点で確認されているのは「使途不明」という状態であり、86万2216円の私的流用と同じ意味で男性係長が着服したと確定しているわけではない。

男性係長は使途不明金の詳細について説明していないとされる。

虚偽の勤務時間表 少なくとも約498万円を不正受給

町はさらに、男性係長が勤務実績を偽っていたことも確認した。

実際には勤務していない時間について勤務したように記載した勤務時間表を作成し、時間外手当など少なくとも約498万円を不正に受給していたとされる。

不正受給が何年度にどの程度行われたのか、虚偽申告された時間数、年度ごとの受給額など、詳細な内訳は現時点で明らかになっていない。

また、勤務時間表を誰がどのような手続きで確認し、承認していたのかについても公表情報では確認できていない。

2026年4月、事務局長交代時の引き継ぎで発覚

一連の問題が発覚したのは2026年4月。

観光協会の事務局長が交代し、引き継ぎを行う過程で不適切な金銭処理などが判明した。

男性係長は4月から自宅待機となっていた。

確認された行為の対象期間は複数年度にまたがっている。

そのため今後は、本人の行為だけでなく、補助金の精算、観光協会の現金管理、勤務実績の確認などを、町や観光協会がどのように管理していたのかも確認点となる。

約859万円を「全額横領」としない理由

今回明らかになっている金額は、大きく3つに分かれる。

町補助金86万2216円は、男性係長による私的流用が具体的に確認されている。

町補助金88万円と観光協会の小口現金約187万円、合わせて約275万円は、現段階では使途不明金だ。

そして少なくとも約498万円は、虚偽の勤務実績に基づく時間外手当などの不正受給とされている。

単純合計では約859万円になるものの、すべてを同じ「横領金」として扱うことはできない。

刑事上、それぞれの行為が最終的にどのように評価されるかについては、警察の捜査やその後の司法手続を確認する必要がある。

町は西入間署へ被害届

毛呂山町は、一連の行為が業務上横領罪に該当すると判断し、9月9日に西入間署へ被害届を提出した。

町による懲戒処分と、警察による刑事手続は別のものだ。

9月26日時点で、男性係長が逮捕、書類送検、起訴されたとの公表情報は確認されていない。

町が業務上横領罪に該当すると判断したことは、男性係長の刑事責任が司法手続で確定したことを意味しない。

損害賠償請求へ 町長・副町長は給与減額方針

毛呂山町は、男性係長に対する損害賠償請求の手続きを進めるとしている。

ただし、町が最終的にどの金額を損害として認定し、いくらを請求するのかは現時点で確定していない。

井上健次町長は、町長と副町長の給与を減額する措置を町議会に提案する方針を示している。

減額割合や期間については、今後の手続きで決まることになる。

複数年度、なぜ把握できなかったのか

今回の問題で今後の検証点となるのは、男性係長本人の行為だけではない。

対象期間が複数年度にまたがり、町補助金、観光協会の小口現金、勤務時間表という複数の領域で問題が確認されている。

それにもかかわらず、問題が表面化したのは2026年4月の事務局長交代時だった。

町補助金の実績報告や精算をどのように確認していたのか、観光協会の現金残高を誰が照合していたのか、時間外勤務の申請・承認をどのように管理していたのかは重要な確認事項となる。

また、今回判明したもの以外の補助金や口座、小口現金などについて、町がどこまで横断的な点検を行っているのかも明らかになっていない。

現時点で、管理監督者に対する別の懲戒処分が行われたとの情報は確認できていない。

編集部まとめ

毛呂山町は、町観光協会へ派遣されていた47歳の男性係長について、町補助金86万2216円を私的に流用したほか、約275万円の使途不明金、少なくとも約498万円の手当等の不正受給が確認されたとして懲戒免職とした。

単純合計では約859万円規模となるが、全額を横領と扱うことはできない。私的流用が確認された金額、使途が判明していない金額、虚偽勤務に基づく手当の不正受給をそれぞれ分けて見る必要がある。

町は9月9日に西入間署へ被害届を提出し、損害賠償請求の手続きも進めている。今後は使途不明金の行方や刑事捜査に加え、複数年度にまたがる問題を町と観光協会の管理体制でなぜ把握できなかったのかも焦点となる。

週刊TAKAPI編集部/成田

特記事項

この記事は、2026年9月26日までに確認できた毛呂山町の説明を基にする公開情報を整理して構成しています。

約859万円という数字は、町補助金86万2216円の私的流用、町補助金88万円と観光協会小口現金約187万円の使途不明、少なくとも約498万円の時間外手当などの不正受給を単純合算した規模です。

本稿では、約859万円全額について男性係長による横領が確定したとは扱っていません。

また、町は業務上横領罪に該当すると判断して西入間署へ被害届を提出していますが、9月26日時点で逮捕、書類送検、起訴が行われたとの公表情報は確認されていません。

Q毛呂山町の47歳男性係長はなぜ懲戒免職になった?
A観光協会への派遣中に町補助金を私的に流用したほか、使途不明金や虚偽の勤務実績による時間外手当などの不正受給が確認されたためです。
Q私的流用が確認された金額はいくら?
A現時点で具体的に私的流用が確認されているのは、町補助金86万2216円です。
Q約859万円すべてが横領?
Aそうとは確認されていません。約275万円は使途不明金で、少なくとも約498万円は虚偽の勤務実績による手当などの不正受給です。
Q警察への被害届は出された?
Aはい。毛呂山町は9月9日に西入間署へ被害届を提出しています。
Q男性係長は逮捕された?
A9月26日時点で、逮捕、書類送検、起訴が行われたとの公表情報は確認されていません。

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