豊橋市は9月28日、市内で3例目となる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の患者を確認したと発表した。
患者は市内在住の80代女性。9月22日に発熱や下痢などの症状が現れ、その後の検査でSFTS陽性と判明した。9月29日時点で入院している。
女性は9月中、草むらで農作業をしていたことが確認されている。ただし、農作業をしていた場所が感染場所と特定されたわけではなく、実際にマダニに刺された場所も分かっていない。
9月8日、10日、28日 市内で3例確認
豊橋市では2026年9月8日に市内初のSFTS患者が確認され、10日に2例目、28日に今回の3例目が確認された。
市の公表資料では、2021年から2025年まで市内のSFTS報告は0件だった。2026年9月に初めて確認され、その後3週間弱で3例となった。
週刊TAKAPIは、市内1例目だった80代男性について、その後死亡していたことを豊橋市保健所への取材で確認している。
2例目は50代男性で、森や山に入る土木作業の行動歴があり、マダニに刺された跡とみられる痂皮も確認されていた。
今回の80代女性を含む3症例について、相互に疫学的な関連を示す情報は現時点で確認されていない。
80代女性、発症前に草むらで農作業
今回確認された女性は9月22日に発熱や下痢などを発症した。
発症前には草むらで農作業をしていたことが分かっている。
SFTSはマダニなどを介して感染することがあるため、屋外での行動歴は感染経路を確認するうえで重要な情報となる。
一方、「草むらで農作業をしていた」という事実と、「その場所で感染した」ということは別だ。
豊橋市は感染場所を特定しておらず、市内のどの地域で感染したかについても公表していない。
愛知県では9月23日時点で11件
豊橋市によると、愛知県内では9月23日時点で、2026年に11件のSFTSが報告されている。
今回の豊橋市3例目は9月28日に確認されたため、市が示した「県内11件」は今回の症例が確認される前の集計となる。
このため、県内総数を単純に「12件」とすることはできない。
愛知県の最新集計が更新された段階で、今回の症例が県全体の発生数にどう反映されたか確認する必要がある。
県内では豊田市保健所、新城保健所、豊橋市保健所の各管内などで患者が確認されており、農作業や除草、土木作業など屋外での活動歴が確認されている症例もある。
SFTSとは 発熱や下痢、重症化することも
SFTSは、SFTSウイルスを保有するマダニなどを介して感染するダニ媒介感染症。
主な症状には発熱、全身の倦怠感、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などがあり、重症化して死亡することもある。
また、感染した犬や猫などの体液への接触や、患者の血液・体液を介した感染例も報告されている。
豊橋市は、マダニが野外の藪や草むら、畑などに生息しているとして、農作業や草むら付近の散歩、山間部での活動時には注意するよう呼びかけている。
長袖・長ズボンで肌の露出を減らす
豊橋市は屋外で活動する際、腕や足、首などの露出を減らし、長袖・長ズボンを着用するほか、虫よけ剤を使用するよう求めている。
活動後は入浴やシャワーで体を洗い、マダニが付着していないか確認することも重要としている。
皮膚にマダニが吸着していた場合は、無理に引き抜いたり潰したりせず、医療機関で処置を受けることが推奨されている。
マダニに刺された可能性があり、その後に発熱や下痢などの症状が出た場合は、野外活動歴やマダニとの接触の可能性を医師に伝えて受診することが重要となる。
編集部まとめ
豊橋市では、2021年から2025年まで報告がなかったSFTSが、2026年9月に3例確認された。
今回の患者は80代女性で、発症前に草むらで農作業をしていた。ただし、感染場所は特定されていない。
市内1例目では死亡も確認されている。3症例に疫学的な関連を示す情報は現時点で確認されておらず、市や県の今後の発生状況を継続して確認する必要がある。
週刊TAKAPI 編集部/成田
特記事項
この記事は2026年9月29日時点で確認された豊橋市、愛知県、厚生労働省の公開情報と、週刊TAKAPIによる豊橋市保健所への過去の取材内容をもとに構成しています。
豊橋市による3例目の確認日は9月28日です。
今回の80代女性について、「草むらで農作業をしていた」という行動歴は確認されていますが、その場所で感染したと確認されたわけではありません。
市内3症例に相互の疫学的な関連があるとの情報も、現時点では確認されていません。

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