【独自・後編】新城市、資格確認「現在のところ見直し考えず」 日本工営都市空間の指名停止は最短1カ月

「不正又は不誠実な行為」で指名停止

新城市は日本工営都市空間について、「不正又は不誠実な行為」に該当するとして指名停止措置を取った。

適用基準の期間幅は1カ月から9カ月。市が決定したのは、その中で最短となる1カ月だった。

週刊TAKAPIが判断理由を尋ねたところ、市は、同社について過去に新城市で指名停止措置を講じた実績がなかったことを挙げた。

さらに、

  • 契約締結前だったこと
  • 事実判明後に速やかに辞退届を提出したこと
  • 市が「誠意をもって対応した」と評価したこと
  • 事業への影響が軽微だったこと
  • 過去の類似案件における指名停止状況

などを考慮したという。

これらを入札審査会で検討し、1カ月の措置としたとしている。

市は「事業への影響は軽微」と判断

前編で報じた通り、契約辞退後の再入札では、落札額が初回より39万円高くなり、業務着手も22日遅れた。

また、市側には再入札に伴う文書作成、指名業者の再検討、指名停止に関する資料作成などの追加事務が発生している。

一方、新城市は業務の完了時期や成果物提出時期に変更はなく、調査結果を活用する「新城市地域公共交通計画」の見直しにも影響はないとしている。

こうした事情を踏まえ、市は指名停止期間を判断する際の事業への影響について「軽微」と評価した。

資格確認方法「現在のところ見直しは考えず」

週刊TAKAPIは、資格要件の一部を満たしていない事業者が一度落札するまで進んだ今回の事態を受け、指名時、入札時、契約締結時の資格確認方法を見直す予定があるか尋ねた。

新城市の回答は、

「現在のところ見直しは考えておりません」

だった。

市は、仕様書や指名通知書で資格要件を明示し、応札する事業者側にも十分な確認を求めていることから、現時点では現在の確認方法を変更する考えを示していない。

再発時は「事後審査型一般競争入札」も検討

一方、新城市は今後について別の可能性も示した。

市は、

「同様の事象が繰り返された場合、事業へ影響をきたす恐れもある」

として、次点繰り上げが可能な事後審査型一般競争入札の採用を検討したいと回答した。

今回、日本工営都市空間の契約辞退後、市は初回入札の次順位者と契約するのではなく、改めて入札を実施した。

市はその理由について、落札決定を行った時点で入札は一度終了したものと捉え、再度入札を行う運用としていると説明している。

事後審査型一般競争入札の採用は現時点で決定したものではなく、同様の事象が再び起きた場合の選択肢として示されたものとなる。

日本工営都市空間の履行中案件はなし

新城市によると、日本工営都市空間が現在、市発注で履行している工事や業務はない。

このため、今回の指名停止によって、同社が現在履行中の市発注案件に影響が生じる状況ではないとしている。

一方、市が仕様書で定めた5つの資格・認証要件のうち、日本工営都市空間が具体的にどの要件を満たしていなかったのかについては、今回の回答でも明らかにされていない。

なお、同時期に1カ月の指名停止となった竹中工務店について、新城市は日本工営都市空間とは「全く別の事案」であり、個別に審査した結果、双方が1カ月となっただけで、処分結果に因果関係はないと説明している。

編集部まとめ

新城市は、日本工営都市空間が仕様書上の資格要件の一部を満たさないまま入札に参加し、一度落札した今回の事案について、原因は「事業者における仕様書等確認不足」との認識を示した。

同社への指名停止は「不正又は不誠実な行為」に該当するとしながらも、契約締結前だったこと、速やかに辞退したこと、過去に市で指名停止歴がなかったことなどを考慮し、期間幅1~9カ月のうち最短の1カ月とした。

一方、市は現在の資格確認方法について「現在のところ見直しは考えていない」としている。

ただし、同様の事態が繰り返された場合には、次点繰り上げが可能な事後審査型一般競争入札の採用を検討する考えを示した。

今回の回答で、市と事業者それぞれの認識や指名停止期間の判断根拠は明らかになった。一方、日本工営都市空間が具体的にどの資格・認証を満たしていなかったのかは、なお明らかになっていない。

週刊TAKAPI 編集部/成田

特記事項

この記事は、新城市が週刊TAKAPIの追加取材に対して回答した内容をもとに構成した後編です。

日本工営都市空間について、市が仕様書で定めた5つの資格・認証要件のうち、具体的にどの要件を満たしていなかったのかは、今回の回答では明らかにされていません。

再入札による39万円は初回と2回目の落札額の差額であり、市が損害額として認定した金額ではありません。

日本工営都市空間と竹中工務店への指名停止は、それぞれ別の事案について個別に判断されたものです。

Q日本工営都市空間の指名停止期間は何カ月ですか?
A1カ月です。新城市によると、適用基準の期間幅は1カ月から9カ月です。
Qなぜ最短の1カ月になったのですか?
A市は、過去に新城市で指名停止歴がなかったこと、契約締結前だったこと、事実判明後に速やかに辞退したこと、事業への影響が軽微だったことなどを考慮したとしています。
Q新城市は資格確認方法を見直しますか?
A市は「現在のところ見直しは考えておりません」と回答しています。
Q今後同様の問題が起きた場合はどうするのですか?
A市は、同様の事象が繰り返された場合、次点繰り上げが可能な事後審査型一般競争入札の採用を検討したいとしています。
Q日本工営都市空間が満たしていなかった資格は何ですか?
A市は仕様書上の5つの資格・認証要件を明らかにしましたが、そのうち具体的にどの要件を日本工営都市空間が満たしていなかったのかは、今回の回答では示していません。

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