愛知県豊橋市が10月14日、豊橋市民病院看護局の20代女性看護師を戒告の懲戒処分とした問題で、知人の電子カルテを業務外で閲覧し、手術に関する情報を別の知人に伝えていたことが、市の公表資料で確認された。
看護師は2026年6月初旬、知人のSNS投稿から同病院の患者だと推測し、業務上の必要がないにもかかわらず電子カルテを閲覧。その後、知人が手術を受けた事実や内容を、別の知人に口頭で伝えていた。
市は看護師を戒告処分としたほか、管理監督上の責任として、看護局の50代女性職員2人を厳重注意とした。
SNS投稿から受診を推測 6月初旬に電子カルテを閲覧
豊橋市が公表した懲戒処分資料によると、女性看護師は今年6月初旬、知人がSNSに投稿した内容を見て、その人物が豊橋市民病院の患者であると推測した。
看護師はその後、業務上の必要がないにもかかわらず、知人の電子カルテを閲覧した。
電子カルテは患者の診療記録を扱うシステムで、医療従事者による閲覧も診療などの業務上必要な範囲に限られる。今回の事案では、看護師が職務とは関係のない目的で患者の記録を確認したことが問題となった。
市の公表資料では、電子カルテを閲覧した具体的な日時や、閲覧行為が発覚した経緯については明らかにされていない。
手術の事実と内容を別の知人に伝達 閲覧だけで終わらず
今回の処分理由には、電子カルテの不適切な閲覧だけでなく、患者の診療情報を別の人物に伝えた行為も記されている。
市の資料によると、女性看護師は、知人が手術を受けた事実やその内容を、別の知人に口頭で伝えていた。
手術を受けたという事実自体が患者の私的な情報であり、手術内容も診療上の機微な情報に当たる。今回の問題は、患者の記録を業務外で閲覧したことに加え、そこで知った情報を第三者に伝えた点にある。
公表資料では、手術の種類や伝達先となった知人の詳しい属性は明らかにされていない。
看護師を戒告処分 50代女性の参与・参事も厳重注意
豊橋市は10月14日付で、女性看護師を戒告の懲戒処分とした。
市は、今回の行為が地方公務員法第33条の「信用失墜行為の禁止」に違反し、同法第29条第1項第1号および第3号の懲戒事由に該当すると判断した。
また、管理監督上の責任として、看護局に所属する50代女性の参与と、同じく50代女性の参事を厳重注意とした。
戒告は地方公務員法に基づく懲戒処分である。一方、管理監督職2人への厳重注意は、看護師本人に対する戒告とは異なる措置となる。
市の公表資料では、看護師本人に対する処分と、管理監督職2人への措置を区別している。
豊橋市民病院の個人情報保護方針 業務外閲覧と情報伝達が問題に
豊橋市民病院は、豊橋市青竹町にある東三河地域の基幹病院で、地域の救急医療や高度医療を担っている。
同病院が公表する個人情報保護方針では、患者情報を利用目的の範囲内で取り扱うことを原則とし、個人情報保護責任者の設置や職員への継続的な教育などを定めている。
今回の事案では、患者情報を取り扱う立場の職員が、業務上必要のない電子カルテの閲覧を行い、診療情報を別の知人に伝えていた。
市が14日に公表した処分資料には、電子カルテのアクセス履歴の調査範囲や、具体的な再発防止策についての記載はない。
編集部まとめ
豊橋市民病院の20代女性看護師が、知人のSNS投稿をきっかけに電子カルテを業務外で閲覧し、手術を受けた事実や内容を別の知人に伝えていた。
豊橋市は10月14日付で看護師を戒告処分とし、看護局の50代女性管理監督職2人も厳重注意とした。
市の公式処分資料により、患者情報の目的外閲覧と第三者への口頭伝達の両方が処分理由となったことが確認された。
週刊TAKAPI 編集部
特記事項
本記事は、豊橋市が2026年10月14日に公表した「懲戒処分の公表」と、豊橋市民病院の個人情報保護方針に基づき構成した。
看護師本人への戒告と、管理監督職2人への厳重注意を区別し、電子カルテの不適切な閲覧と手術情報の第三者への伝達について整理した。
具体的な再発防止策や情報管理体制について、今後も取材・検証を続ける。
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