熊本県大津町は10月16日、町主催の海外派遣事業で女子中学生が死亡した水難事故を受け、当時の総務部長ら職員5人を減給や戒告の懲戒処分とした。
金田英樹町長も責任を取り、11月から6か月間、給与を50%減額する。同日開かれた町議会臨時会では、遺族に9742万円の損害賠償を支払う議案が承認された。
水深約4メートルのプールで事故、女子中学生が死亡
事故は2024年7月31日(米国現地時間)、ネブラスカ州ヘイスティングズ市で発生した。
大津町の「人づくりまちづくり海外派遣事業」に参加していた女子中学生が、現地のプールで溺れた。生徒は救助後、病院で治療を受けていたが、日本時間8月4日に亡くなった。
町が設置した事故検証委員会は2025年5月、調査結果をまとめた報告書を提出した。
報告書では、最大水深約4メートルのプールを活動場所に組み込んだにもかかわらず、町側が危険性を十分に把握していなかったと指摘。施設の構造が随行職員に正しく伝えられず、生徒に深い区域への立ち入りを禁止していなかったことを主な原因とした。
職員5人に減給・戒告、町長は6か月間給与半減
町は16日、事故当時の総務部長ら職員5人への懲戒処分を発表した。
処分には減給10分の1を3か月とするものや戒告が含まれる。ただし、5人それぞれの役職と処分内容の全内訳については、確認できた公表情報からは特定できない。
金田町長の給与半減は、職員への懲戒処分とは別に行う措置だ。
また、遺族への損害賠償9742万円については、町議会が同日の臨時会で承認した。
検証委は20項目の対策案、4つの提言
事故検証委員会は、事故前の準備から発生時、事故後の対応までを調査し、20項目の再発防止対策と4つの提言をまとめた。
提言には、参加者への事前の危険性に関する学習や、活動場所のリスクを十分に検討した事業計画の策定などが含まれる。
町は安全管理体制を強化し、再発防止に努めるとしている。ただし、提案された対策のうち、どの項目が実施済みかを示す最新の一覧資料は今回確認できなかった。
編集部まとめ
熊本県大津町の海外派遣事業で女子中学生が死亡した事故から2年余り。町は職員5人を懲戒処分とし、町長給与の半減と遺族への9742万円の賠償を決めた。
検証委員会は、現地プールの危険性を十分に把握せず、生徒の立ち入りを制限していなかったことを主な原因と指摘している。
週刊TAKAPI 編集部/一条
特記事項
本記事は2026年10月16日付の処分報道、大津町の事故検証委員会報告書、町議会の議案情報などを照合して構成した。
処分対象者5人の個別内訳と再発防止策の実施状況については、確認できた範囲を超えて断定していない。週刊TAKAPIによる独自取材は実施していない。
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