【地域医療検証】新城市民病院、199床から100~120床へ 病床利用率45.0%、新病院は160~180億円規模

新城市民病院の再整備計画について、現行199床から新病院100〜120床、病床利用率45.0%、総事業費160〜180億円規模を伝える週刊TAKAPIの報道アイキャッチ

愛知県新城市が移転新築を進める新城市民病院で、病院規模の大幅な見直しが進んでいる。

現在の病床数は一般病床199床。新城市民病院が公表している2025年度実績では、1日平均入院患者数は89.6人、許可病床数を基準にした病床利用率は45.0%だった。

新城市が2026年3月に策定した新病院建設基本構想では、新病院を100~120床程度とする方向が示されている。現行199床と比べると79~99床少ない規模となる。

一方、新病院の総事業費は概ね160億~180億円程度と見込まれている。

市は事業費の増加を受け、2026年6月には旧新城東高校跡地を移転候補地から外した。病床数を減らしながら、建設地や整備費を改めて検討する段階に入っている。

病床利用率は45.0% 平均入院患者は89.6人

新城市民病院の一般病床は199床。

2025年度の入院延患者数は3万2701人で、1日平均入院患者数は89.6人だった。

病床利用率は45.0%。

2018年度は54.8%だったが、その後は50%を下回る年度が続き、2024年度は45.3%、2025年度は45.0%となった。

許可病床199床に対し、平均入院患者数は直近で90人を下回っている。

現病院では26床が休棟・再開予定

愛知県の病床機能報告では、新城市民病院の199床は、急性期114床、回復期59床、休棟・再開予定26床とされている。

2026年7月時点の予定では、休棟していた26床を回復期へ組み込み、急性期114床、回復期85床の計199床とする計画が報告されている。

これは現在の病院についての病床機能再編で、新病院の100~120床程度とは別の計画となる。

新病院は100~120床程度

新病院建設基本構想では、病床数を100~120床程度とする。

現行199床と比較すると、

120床の場合は79床減、100床の場合は99床減となる。

最終的な病床数は基本計画で決める予定で、現時点で100床または120床に確定したわけではない。

市は将来の医療需要や人口動態、病床利用状況、地域で必要な医療機能などを踏まえて規模を検討している。

総事業費は160~180億円程度

建設費は当初想定から大きく上昇している。

新城市が2023年時点で示していた整備費用は約100億円だった。

その後、建設資材や人件費の上昇などを踏まえて再試算した結果、新病院の総事業費は概ね160億~180億円程度と見込まれている。

市は基本構想段階の超概算としており、土地取得費や今後の資材価格によって変動する可能性がある。

病床数を100~120床程度まで絞る一方、総事業費は当初想定を大きく上回っている。

旧新城東高校跡地を候補から外す

建設場所についても見直しが行われた。

新城市は2026年6月、元愛知県立新城東高校跡地を新病院の移転候補地から外した。

市は、新病院の概算事業費が約100億円から160億~180億円程度まで増えたことを理由に挙げている。

今後は用地取得費を抑えられる農地などを対象に、新たな建設地を検討する方針だ。

旧新城東高校跡地については、市が主体的に活用する方針自体も見直された。

現病院の延床面積は約2万3800平方メートル

現在の新城市民病院は延床面積約2万3847平方メートル。

新病院は100~120床程度を前提に、より小規模な施設として整備する方向で検討が進んでいる。

病床規模だけでなく、診療部門や救急、検査、リハビリ、外来などをどのように配置するかは、基本計画で具体化する。

救急、災害、へき地医療は維持

規模を縮小する一方、新病院では東三河北部の地域医療を支える機能を維持する方針だ。

基本構想では、救急医療、災害医療、へき地医療、地域急性期、回復期などの機能を担うとしている。

東三河北部は、新城市に加えて設楽町、東栄町、豊根村を含む。

新城市民病院はこの圏域で急性期病床を持つ主要な医療機関であり、診療所への支援や救急患者の受け入れも担っている。

病床数の削減と、圏域に必要な医療機能の維持をどう両立するかが基本計画の主要項目となる。

2024年度は3億3193万円の純損失

病院事業の経営状況も厳しい。

2024年度の当年度純損失は3億3193万5978円。

一方、医業収益と医業費用だけを比較した医業損失は11億2905万1709円だった。

医業収支比率は71.2%。

純損失と医業損失は異なる指標だが、病院本体の診療収支と病院事業全体の双方で厳しい数字となっている。

総事業費160~180億円規模の新病院を整備した後、施設整備に伴う負担と病院経営をどう両立するかも基本計画で確認する必要がある。

市民ワークショップでは「人員確保」が1位

新病院建設基本構想の策定過程では、市民ワークショップも行われた。

重点施策の投票で最も多かったのは「人員確保」。

医療従事者を確保できる病院、職員が働きやすく定着できる病院を求める意見が上位となった。

2位は医療情報システムの導入、3位は災害対策だった。

新病院では建物や病床だけでなく、医師、看護師などを確保できる運営体制も求められている。

基本計画で病床数、建設地、事業費を具体化

新城市民病院の再整備は、基本構想から基本計画へ移る。

基本計画では、新病院の規模、各部門の運営、施設整備、収支計画などを具体化する。

その後、市は2027年度に基本計画を踏まえて事業の必要性や妥当性を改めて検証し、事業実施を判断する予定としている。

現時点で確認できる主な数字は、

病床数100~120床程度、総事業費160~180億円程度、2025年度病床利用率45.0%。

建設場所は再選定中となっている。

編集部まとめ

新城市民病院は現在199床だが、新病院は100~120床程度まで縮小する方向で検討されている。

2025年度の病床利用率は45.0%、1日平均入院患者数は89.6人だった。

一方、新病院の総事業費は160~180億円程度と見込まれ、事業費増加を受けて旧新城東高校跡地は移転候補から外れた。

市は今後、基本計画で最終的な病床数、建設地、施設規模、収支計画を具体化する。

新病院では救急、災害、へき地医療など東三河北部で必要な機能を維持する方針で、病床規模の縮小と医療提供体制をどう両立させるかが確認項目となる。

週刊TAKAPI 編集部

特記事項

この記事は2026年10月17日時点で、新城市、新城市民病院、愛知県が公表している資料をもとに構成しています。

現在の新城市民病院は一般病床199床で、新病院については100~120床程度を想定していますが、最終病床数は確定していません。

総事業費160~180億円程度も基本構想段階の概算で、建設地、設計条件、物価などによって今後変更される可能性があります。

県の病床機能報告で示される199床の機能再編は現病院についての計画であり、新病院100~120床程度とは対象時期が異なります。

Q新城市民病院の現在の病床数は?
A一般病床199床です。2025年度の病床利用率は45.0%、1日平均入院患者数は89.6人でした。
Q新病院は何床になる予定ですか?
A基本構想では100~120床程度を想定しています。最終病床数は今後の基本計画で決める予定です。
Q新病院の総事業費はいくらですか?
A基本構想段階では概ね160~180億円程度を見込んでいます。今後の建設地や物価などで変動する可能性があります。
Q建設予定地は決まっていますか?
Aまだ確定していません。旧新城東高校跡地は2026年6月に移転候補から外され、用地取得費を抑えられる農地などでの建設が検討されています。
Q新病院で救急やへき地医療は維持されますか?
A基本構想では、救急、災害、へき地医療、地域急性期、回復期などの機能を引き続き担う方針です。

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