【豊橋・独自検証】児童クラブ106施設、性犯罪歴確認は学校と異なる任意制度 日本版DBS施行前、公営59施設の対応は

豊橋市の放課後児童クラブ106施設を対象に、日本版DBSの認定制度と公営59クラブの対応を検証する週刊TAKAPIの報道画像

子どもに接する教職員らの性犯罪歴を確認する「こども性暴力防止法(日本版DBS)」が12月25日に施行される。学校や認可保育所などには法律に基づく安全確保措置が義務付けられるが、放課後児童クラブや学習塾、スポーツクラブなどは国の認定を受けるかどうかを事業者が判断する仕組みだ。

愛知県豊橋市には2026年4月現在、公営59、民営47の計106の放課後児童クラブがあり、多くの小学生が授業終了後の時間を過ごしている。市が直接運営する施設も国の任意認定制度の対象となるため、法律の施行によって直ちに犯罪歴確認が義務付けられるわけではない。市の公表資料と国の制度を照合すると、学校と放課後の居場所では、職員に対する確認手続きの扱いが異なることが分かる。

49小学校区に106クラブ、公営でも認定取得は任意

豊橋市教育委員会によると、市内52小学校区のうち49校区に放課後児童クラブが設置されている。保護者が仕事などで日中家庭にいない児童を対象に、放課後の生活や遊びの場を提供しており、公営クラブでは通常の平日は午後6時まで、延長利用を含めると午後7時まで児童を預かる。民営クラブは父母会や社会福祉法人などが運営を担っている。

こうした施設は学校とは別の場所で運営される場合もあるが、児童にとっては日常生活の延長にある。しかし、こども性暴力防止法では、学校や認可保育所などを義務対象とする一方、放課後児童クラブは国による認定を受けることができる事業に位置付けた。公営か民営かではなく、事業の種類によって法律の適用が分かれており、豊橋市が直接運営する59クラブについても、認定を取得するかどうかは任意となる。

国の認定を受けた事業者には、対象従事者の特定性犯罪前科を確認するほか、職員研修や相談体制の整備など、法律に基づく安全確保措置が求められる。認定を取得していない事業者でも児童の安全を守る責任がなくなるわけではないが、犯罪歴確認を含む新制度の適用については、同じ放課後の施設でも違いが生じる。

申請は12月25日から、106クラブが106件の申請とは限らず

国の認定申請は法律の施行日となる12月25日から始まる。審査には通常1~2か月程度を見込むとされており、施行前の段階で豊橋市内の児童クラブについて認定取得率を比較することはできない。

また、市が公表している106という数字はクラブ数であり、申請を行う事業者数ではない。同一の事業者が複数のクラブを運営している場合などは申請単位が異なるため、施設数をそのまま申請件数として扱うのは適切ではない。

費用負担にも違いがある。認定申請の手数料は原則として1事業につき3万円だが、国や地方公共団体が単独で申請する場合は免除され、委託先などとの共同申請にも一定の免除条件がある。民営47クラブについても、運営主体や申請方法を確認しなければ実際の負担額は分からない。

豊橋市が公営クラブについて認定取得を目指す方針なのか、民営クラブへの説明や申請支援をどのように進めるのかについては、今回確認した公開資料から具体的な対応を把握できなかった。制度の施行まで約2か月となる中、市と各運営主体の準備状況は確認を要する。

個人経営の学習塾、国の認定対象から外れる場合も

日本版DBSの対象となる民間教育事業には、指導者の人数や指導方法などの要件が設けられている。学習塾や習い事教室などでは、同じ子どもが6か月以上の期間中に2回以上参加できることや、対面で指導する機会があることなどに加え、知識や技芸を教える人が3人以上いることが条件となる。

このため、講師1人で運営する個人塾や、少人数で指導する教室は、国の認定を希望しても対象にならない場合がある。一方、この人数要件は民間教育事業に関するもので、放課後児童クラブに一律に適用されるものではない。

全国学習塾協会は、国の認定対象にならない小規模な塾にも安全管理を広げるため、独自の認証制度を設けている。ただし、協会による認証と国の制度は別であり、特定性犯罪前科の確認を同じ仕組みで行うものではない。

豊橋市内に国の認定要件を満たす学習塾や習い事教室がどの程度あるのか、対象外となる小規模事業者がどのような安全管理を行っているのかについては、今回の資料では確認できない。市内の教室が一律に同じ基準で運営されると考えるのではなく、事業形態ごとの違いを把握する必要がある。

放課後等デイサービスは義務対象、名称が似ても扱いは別

保護者が混同しやすいのが、放課後児童クラブと放課後等デイサービスの違いだ。放課後等デイサービスは、障害のある児童に発達支援などを提供する障害児通所支援事業で、指定を受けた事業は原則として日本版DBSの義務対象となる。

どちらも放課後に子どもが通う場所でありながら、一方は任意認定、もう一方は法律上の義務対象となる。施設を利用する家庭にとっては分かりにくい区分だが、性犯罪歴確認がどのように行われるかを知るうえでは見過ごせない。

さらに、日本版DBSで確認できるのは法律で定める特定性犯罪の前科であり、過去の不適切な言動や、犯罪として立件されていない行為まで把握できるわけではない。子どもが被害を相談できる窓口や、職員が児童と接する際の安全管理、問題が起きた場合の対応手順なども欠かせない。

豊橋市の公営児童クラブをはじめ、民営クラブや学習塾などが新制度にどう対応していくのか。保護者が施設ごとの安全対策を確認できるよう、認定の有無だけでなく、各事業者が実施している取り組みを分かりやすく伝えることも必要だ。

編集部まとめ

豊橋市には106の放課後児童クラブがあるが、日本版DBSでは学校と異なり、公営クラブも原則として任意認定の対象となる。国の認定申請は12月25日から始まり、市内でどの事業者が申請するかは現時点の公開資料では確認できない。

認定を受けていないことだけで施設の安全性を判断することはできない。豊橋市による公営クラブの対応方針や民営事業者への支援に加え、国の認定対象とならない小規模教室を含めた安全確保の取り組みを継続して確認していく必要がある。

特記事項

本記事は、こども家庭庁の法令・制度資料、豊橋市教育委員会の放課後児童クラブ設置状況、全国学習塾協会の公表資料に基づき構成した。個別施設の安全性や認定申請予定を確認したものではない。

Q日本版DBSはいつ施行されますか?
A2026年12月25日です。学校や認可保育所などには、対象従事者の特定性犯罪前科の確認を含む安全確保措置が義務付けられます。
Q豊橋市には放課後児童クラブがいくつありますか?
A2026年4月現在、106クラブです。公営59クラブ、民営47クラブが市内49小学校区に設置されています。
Q豊橋市が運営する公営クラブも犯罪歴確認が義務になりますか?
A放課後児童クラブは公営・民営を問わず、原則として任意認定の対象です。国の認定を受けた事業者には、法律に基づく犯罪事実確認などが求められます。
Q個人経営の学習塾も国の認定を受けられますか?
A指導者数や指導方法などの要件を満たす必要があります。講師が1人や2人の小規模教室は、国の認定対象とならない場合があります。
Q国の認定を受けていない施設は安全性に問題がありますか?
A認定の有無だけでは判断できません。職員研修や相談窓口、児童への接し方など、施設が実際に行っている安全対策も確認する必要があります。

週刊TAKAPI 編集部/成田

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