大阪府教育委員会は9月11日、府立池田高校で、2025年度に実施した「いじめに関するアンケート」1クラス40人分を紛失したと発表した。
紛失したアンケートには、生徒の学年、組、出席番号、氏名、回答内容などの個人情報が記載されていた。大阪府によると、現時点でアンケートは見つかっていない。
昨年6月に実施 担任から担当教諭へ渡した後に所在不明
大阪府の発表によると、アンケートは2025年6月12日に実施された。
その後、担任教諭が生徒の回答内容をパソコン上の「集約シート」に入力し、いじめ対策委員会で確認・協議するため、6月17日にアンケート用紙を別の担当教諭へ手渡した。
しかし、年度末となった2026年3月25日、全クラス分のアンケートを集約・点検する作業の中で、このクラスの40人分がないことが判明した。
関係教職員の机周辺などを捜索したものの発見できず、その後、全教職員で改めて捜索したが見つからなかったという。
発覚から教育庁への報告まで約3週間
学校側が紛失に気付いたのは3月25日。
3月27日から4月10日にかけて全教職員で捜索し、4月13日に校長が大阪府教育庁へ報告した。
4月24日には、対象となったクラスの生徒に校長が経緯を説明して謝罪。保護者にも文書を配布し、説明と謝罪を行ったとしている。
「学校が対応すべき回答」はなかったと説明
大阪府教委によると、紛失したアンケートの回答内容については、事前にパソコン上の集約シートへ入力されていた。
府教委は、アンケートの中に「学校が対応すべきいじめの訴えなどはなかった」と説明している。
一方で、今回紛失したのは単なる無記名の調査用紙ではない。
生徒の氏名と、いじめの有無や学校生活に関する回答内容が結び付いた文書であり、学校にとって慎重な取り扱いが求められる個人情報だった。
原因は「提出期日や保管場所が明確でなかった」
大阪府は、紛失の原因について、担当教諭が本来行うべき全クラス分のアンケートの提出を怠っていたことに加え、提出期日や保管場所などの管理方法が明確に決められていなかったと説明している。
つまり今回の問題は、一人の教員による単純な紛失だけではなく、学校側の文書管理ルールそのものが十分に整備されていなかったことも背景にあったことになる。
「いじめアンケート」をどう管理するのか
いじめに関するアンケートは、生徒が普段は口にできない被害や悩みを学校側へ伝えるための重要な手段の一つだ。
だからこそ、学校側には「アンケートを実施すること」だけでなく、その後の保存、確認、引き継ぎまで含めた管理が求められる。
今回、回答内容自体は集約シートに記録されていたというが、40人分の原本がどこへ行ったのかは分かっていない。
仮にアンケートの管理に対する生徒の信頼が損なわれれば、今後、生徒が被害や悩みを率直に書くことをためらう可能性もある。
学校側が再発防止策だけでなく、生徒が安心して声を上げられる環境をどう維持するのかも問われる。
府教委、全府立学校へ注意喚起
大阪府教委は再発防止策として、アンケートの実施要項を改め、提出期限や保管場所を明確化する。
さらに校内の個人情報管理体制を再点検し、教職員への研修を実施するほか、全府立学校に今回の事案を周知し、個人情報を適切に取り扱うよう改めて注意喚起するとしている。
週刊TAKAPIでは、学校のいじめ対応を検証する際、「アンケートを実施したか」だけではなく、訴えを拾い上げ、記録を適切に保存し、必要な対応につなげられる体制になっているのかについても引き続き注視する。
Q&A|池田高校「いじめアンケート」紛失問題
担当記者:一条
サイト訪問者数

コメント
0件まだコメントはありません。最初のコメントを投稿してみませんか。
この記事のコメント投稿は締め切られています。