三重県伊勢市のテーマパーク「ともいきの国 伊勢忍者キングダム」を巡り、施設に関係する不動産について伊勢市による差し押さえが注目されている。
伊勢忍者キングダムは、不動産投資商品「みんなで大家さん」の投資対象となってきた施設の一つ。「みんなで大家さん」では分配金や償還の遅延が問題となる一方、伊勢忍者キングダムは2026年7月23日から休業している。
施設休業、投資家への分配・償還問題、そして今回浮上した差し押さえ。複数の問題が同時進行する中、焦点となるのが、差し押さえの具体的な原因や対象不動産、今後の施設再開への影響だ。
伊勢忍者キングダムは2026年7月23日から休業
伊勢忍者キングダムは、伊勢市二見町にある観光施設だ。
安土桃山時代などをテーマにした施設として、忍者ショーや時代劇、忍者屋敷などを展開してきた。
しかし、2026年7月23日から休業している。
伊勢志摩観光コンベンション機構の観光情報では、「リニューアルのため休業」と案内されており、具体的な営業再開日は示されていない。
このため、現段階では休業そのものが差し押さえや税金の問題を直接の原因としていると断定することはできない。
「リニューアル休業」と今回明らかになった問題との関係について、運営側からの詳しい説明が求められる。
「みんなで大家さん」の投資対象になっていた伊勢忍者キングダム
今回の問題が大きな注目を集める理由の一つが、伊勢忍者キングダムと「みんなで大家さん」との関係だ。
「みんなで大家さん」は、不動産特定共同事業の仕組みを利用した不動産投資商品で、投資家から集めた資金を不動産事業に投じ、その収益などを原資として分配する仕組みを採用してきた。
伊勢忍者キングダムについても、「シリーズ伊勢」として複数の商品が組成されている。
「シリーズ伊勢6」では、公式サイト上で1口100万円、想定利回り年7.0%の商品として募集されていた。
つまり今回問題となっている施設は、単なる観光施設ではない。
多数の投資家から集められた資金と関係する不動産でもある。
「みんなで大家さん」で配当・償還遅延
「みんなで大家さん」を巡っては、投資家に対する分配金や償還の遅延が大きな問題となっている。
2026年9月には、営業者の都市綜研インベストファンドが大阪府から、販売代理人のみんなで大家さん販売が東京都から、それぞれ不動産特定共同事業に関する許可取消処分を受けた。
グループ側は行政側と事実関係や法的評価について見解が異なる部分があるとしている一方、「分配及び償還の遅延その他現在生じている問題」について投資家に謝罪している。
こうした状況の中で、投資対象となってきた伊勢忍者キングダムを巡って差し押さえ問題が表面化したことになる。
伊勢関連商品では出資者84人への約4億5500万円返還命令
司法の場でも伊勢関連商品を巡る動きが出ている。
2026年6月、大阪地裁は「みんなで大家さん」の分配金支払いが遅延しているとして訴えを起こした1法人と83人、計84の出資者について、運営会社側に計約4億5500万円の返還を命じた。
原告側は、三重県伊勢市のレジャー施設などを対象不動産とする複数の商品に出資していたと報じられている。
伊勢関連商品は、「みんなで大家さん」を巡る一連の問題を考える上でも重要な存在となっている。
伊勢市が差し押さえ 固定資産税滞納が原因なのか
そして新たな焦点となったのが、伊勢市による不動産の差し押さえだ。
自治体は、市税などが納期限までに納付されず、その後も滞納状態が続いた場合、法律に基づいて預金や給与、不動産などの財産を差し押さえることができる。
固定資産税についても同様で、不動産を所有していながら税金が納付されない状態が続けば、差し押さえの対象になる可能性がある。
ただし、ここで注意しなければならない。
今回の差し押さえについて「固定資産税の滞納が原因だった」と断定するには、登記情報や伊勢市、所有者側などへの確認が必要だ。
差し押さえが確認されたとしても、税目、滞納額、対象不動産の範囲などは別に確認する必要がある。
差し押さえ=すぐに施設が売却されるわけではない
「差し押さえ」という言葉から、すぐに伊勢忍者キングダムが売却されると受け取る人もいるかもしれない。
しかし、差し押さえと売却は同じではない。
税金滞納を理由に自治体が不動産を差し押さえた場合でも、その時点で直ちに第三者へ所有権が移転するわけではない。
滞納が解消されれば差し押さえが解除される場合がある一方、解消されなければ公売など次の手続きへ進む可能性もある。
だからこそ重要なのが、今回の差し押さえが現在も継続しているのか、解除に向けた納付や協議が行われているのかという点だ。
