【独自インタビュー】「定員は足りても通えない」豊橋市の放課後等デイサービス 諸井市議に聞く

週刊TAKAPI 独自インタビュー連載・第2回

市全体では、放課後等デイサービスの受け入れ定員が確保されている。それでも、自宅から通える事業所が見つからず、必要な支援を受けられない家庭がある。

愛知県豊橋市で、障害のある子どもなどが利用する放課後等デイサービスをめぐり、こうした地域間格差が議会でも問題となってきた。

2025年9月には、支援体制の見直しを求める請願が市議会で趣旨採択された。そして2026年6月、市は事業所の定員増加を制限する「総量規制」を限定的に解除し、定員140人程度を新たに募集すると発表した。

週刊TAKAPIは2026年9月25日、豊橋市役所で諸井菜々子市議に独自インタビューを実施した。

保護者からどのような相談を受け、なぜ制度の見直しを求めたのか。市全体の数字では見えにくい利用環境の問題と、行政の制度変更について話を聞いた。

「預けたいのに、利用できるところがない」保護者からの相談

放課後等デイサービスは、主に学校に通う障害のある子どもを対象に、放課後や学校休業日に必要な発達支援などを行う障害児通所支援サービスだ。

保護者にとって重要なのは、単に市内に施設があるかどうかではない。

自宅や学校から通える場所にあるのか。送迎に対応しているのか。子どもの特性に合った支援を受けられるのか。

こうした条件が整っていなければ、サービスを利用することは難しい。

諸井市議は今回の取材で、ある保護者から寄せられた相談を紹介した。

その保護者は、市全体では放課後等デイサービスの定員が足りていると説明される一方、居住地域で利用できる事業所が見つからないという問題を抱えていた。

住宅が増えている地域であっても、近隣の事業所が少なく、送迎に対応してくれる施設も限られているという。

諸井市議は、保護者の訴えを受け、市全体の定員数だけでなく、地域ごとの事業所配置や利用条件にも目を向ける必要があると考えたという。

行政が把握する供給量と、家庭が実際に利用できるサービスとの間に、ずれが生じていた。

豊橋市が実施してきた「総量規制」

豊橋市は2023年10月から、一部の障害福祉サービスについて総量規制を実施してきた。

総量規制は、地域のサービス供給量が必要量を大きく上回らないよう管理し、適正な供給とサービスの質の確保を図る仕組みだ。

市では、放課後等デイサービスのほか、児童発達支援、生活介護、就労継続支援A型・B型などが対象となっている。

原則として、規制対象のサービスでは定員増加を伴う事業所の指定が制限される。

しかし、この仕組みは、市内全体で必要な供給量が確保されていても、地域によっては利用しづらい状況が生じる可能性がある。

事業所が集中する地域と不足する地域が存在しても、市全体の数字だけでは、その差が十分に表れないためだ。

諸井市議は、総量規制そのものの見直しとともに、地域偏在を解消するための取り組みが必要だと考え、行政側に問題を提起してきたと説明した。