北海道が実施したインターンシップで、学生の指導を担当していた男性職員が、参加した女子大学生に交際を迫るなど、不適切なLINEの連絡を繰り返していたことが分かった。
男性職員は女子学生を食事に誘い、断られた後も連絡を続けたとされる。女子学生が道の担当部局に相談したことで発覚した。
道は女子学生に謝罪し、男性職員をインターンシップの担当から外した。職員は行為をおおむね認めているというが、10月20日時点で懲戒処分は行われていない。
今回の問題では、10月1日に施行された改正男女雇用機会均等法に基づく、就活セクハラの防止措置も重要な確認事項となる。
インターン参加者291人 指導担当の職員が私的な連絡
北海道は8月から9月にかけ、道への就職を希望する大学生らを対象にインターンシップを実施した。参加者は計291人だった。
問題となった男性職員は、所属部局で学生の指導などを担当していた。
8月のプログラムに参加した女子学生とLINEの連絡先を交換し、「かわいい」「下の名前で呼んで良いか」などのメッセージを送信。食事に誘い、交際を求める連絡もしていたとされる。
女子学生は食事の誘いを断ったものの、その後も男性職員から連絡が続いたという。
職員の年齢や所属部局、メッセージの送信回数、連絡が続いた期間などは明らかになっていない。
また、学生がLINEの交換に応じた経緯や、男性職員が採用選考に関与する立場だったかどうかも確認できていない。
厚労省の新指針に「執拗な食事への誘い」 今回の行為と共通
厚生労働省が定めた就活セクハラ防止指針には、インターンシップ中に職員が学生を執拗に私的な食事へ誘い、学生が苦痛を感じて求職活動への意欲を低下させる事例が明記されている。
今回の事案も、指導を担当する職員が学生を食事に誘い、断られた後も連絡を重ねたという点で、この典型例と共通している。
ただし、法令上の就活セクハラに該当するかは、実際のメッセージ内容や頻度、学生の受け止め、求職活動への影響などを踏まえて判断する必要がある。
道は女子学生の相談を受けて調査を進めており、男性職員の行為をどのように認定するかが注目される。
10月1日施行の改正法 地方公務員にも防止措置義務
2026年10月1日、改正男女雇用機会均等法が施行された。
同法13条では、事業主に対し、求職者やインターンシップ参加者へのセクシュアルハラスメントを防ぐため、相談体制の整備など必要な措置を講じることを義務付けている。
この規定は地方公務員にも適用される。
同日に義務化されたカスタマーハラスメント対策とは別の制度で、採用面接やインターンシップなどに参加する学生の保護を目的としている。
ただし、今回問題となった行為は8月のインターンシップを契機としており、新たな防止措置義務の施行前に始まっている。
そのため、今回の職員の行為だけを根拠に、10月施行の新しい規定への違反が成立したと断定することはできない。
一方、施行後の北海道には防止措置義務がある。今回の相談にどう対応しているかに加え、職員への事前周知や再発防止の体制も確認する必要がある。
個人LINEの交換は許されていたのか 新指針はSNSのルール化を要求
厚生労働省の指針では、採用活動やインターンシップで学生と連絡を取る際のルールを事前に定め、職員に周知することを求めている。
具体的には、面談の時間や場所、実施体制、連絡に使用するSNSの種類などが挙げられている。
個人のLINEアカウントを使うこと自体が一律に法律で禁止されているわけではない。
しかし、北海道が学生との連絡手段をどのように定めていたのか、私的な連絡先交換を認めていたのかは、今回の事案を検証するうえで重要となる。
また、学生の指導担当者が一対一で連絡を取る場合、上司や他の職員がやり取りを把握できる仕組みになっていたかどうかも確認が必要だ。
現時点で、今回のLINE交換が道の内部規則に違反していたかは明らかになっていない。
北海道の懲戒指針では停職・減給も 処分の判断は調査結果次第
北海道が公表している職員の懲戒処分指針では、セクシュアルハラスメントについて具体的な処分基準を設けている。
相手の意に反することを認識しながら、わいせつな言辞や性的な内容のメール、つきまといなどの性的な言動を繰り返した場合、標準的な処分は停職または減給とされている。
同様の性的な言動が単発だった場合についても、減給または戒告を定めている。
ただし、今回の行為がこれらの処分基準に該当するかは未確定だ。
男性職員が拒否をどのように認識していたのか、LINEの内容が性的な言動に当たるか、行為が反復していたかなど、個別の事実認定が必要となる。
北海道は処分を検討しているが、10月20日時点で結論は出ていない。
北海道は10月6日付で相談窓口を案内 学生への対応も確認事項
北海道は10月6日付の公式案内で、道職員からセクシュアルハラスメントを受けた学生らに向けた相談窓口を掲載している。
知事部局や人事委員会などの任命権者ごとに窓口を設け、インターンシップや採用関連イベントの参加者から相談を受け付けるとしている。
相談対応では秘密を厳守し、関係者への調査に当たっては、相談内容を伝える範囲について本人の了解を得る方針も示している。
今回の女子学生がいつ相談し、道がいつ職員を担当から外したのか、具体的な時系列は確認できていない。
また、女子学生の今後の採用選考に影響が及ばないよう、どのような対応が取られているかも明らかになっていない。
道が男性職員への処分を判断する際には、行為の認定だけでなく、当時の指導体制や学生との連絡ルールについても説明が求められる。
週刊TAKAPI 編集部/松本
北海道職員の就活セクハラ疑惑
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