【石川・金沢】相撲道場の男子中学生を書類送検 寮の風呂場で仲間に加療6週間のけが、大学は「いじめ確認できず」

金沢学院大学のキャンパス外観。金沢学院相撲道場の男子中学生が寮での傷害容疑で書類送検された事件を伝える週刊TAKAPIの報道画像

石川県の相撲クラブチーム「金沢学院相撲道場」に所属する男子中学生が、下宿先の寮でチームメイトを突き飛ばし、けがを負わせたとして、傷害の疑いで書類送検されていたことが分かった。被害を受けた男子中学生は左太ももを打撲し、加療約6週間と診断されている。

金沢学院大学によると、事件は2026年7月下旬、同大学の寮にある浴室で発生した。被害生徒が風呂の湯をためていたところ、チームメイトに突き飛ばされ、浴槽に左足を打ち付けたという。生徒は警察に被害を届け出ており、警察は10月20日付で、突き飛ばした疑いのある男子中学生を書類送検した。

一方、大学側は関係するチームメイトへの聞き取りを行った結果、「いじめは確認できていない」と説明している。中学生同士の行為が傷害事件として捜査された一方、大学の調査ではいじめを確認できなかったという点も、今回の問題で注目される。

寮の浴室で突き飛ばされた疑い 被害生徒は警察に届け出

大学側の説明では、被害生徒は寮の浴室で湯をためている最中に突き飛ばされ、浴槽に足をぶつけて負傷した。けがは左太ももの打撲で、治療には約6週間を要するとされている。

事件後、生徒は警察に被害を届け出た。警察は捜査を進め、10月20日に相手の男子中学生を傷害の疑いで書類送検したが、突き飛ばしたとされる生徒が容疑についてどのように説明しているのかは明らかになっていない。

また、2人の間に事件以前からトラブルがあったのか、浴室での行為を目撃した人がいたのかについても、確認できる情報はない。書類送検は捜査上の手続きであり、少年による傷害行為が司法手続きで確定したことを意味するものではない。

大学は「いじめ確認できず」 聞き取りで何を調べたのか

金沢学院大学は今回の事件について、チームメイトへの聞き取りを実施したうえで、いじめは確認できなかったと説明している。また、こうした事案が起きたことを遺憾とし、健全な学びの場とするための対策を講じる考えを示した。

ただし、大学がどの範囲の生徒から事情を聴いたのか、被害生徒本人や保護者の認識をどのように確認したのかについて、詳しい調査内容は明らかにされていない。聞き取りによって今回の行為に至る経緯がどこまで把握されたのかも不明だ。

いじめ防止対策推進法では、児童生徒の間に一定の人的関係があり、相手に心理的または物理的な影響を与える行為によって、対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じた場合をいじめと定義している。

この定義は学校の敷地内で起きた行為に限られず、学校外のスポーツクラブなどでの人間関係も含まれる。また、同じ行為が繰り返されていることも認定の必須条件ではない。

もっとも、今回の事件が法律上のいじめに当たるかどうかは、被害生徒の受け止め方や当時の状況などを確認したうえで判断する必要がある。大学側がいじめを確認できなかったと説明していることと、いじめに当たる行為がなかったと確定することは同じではない。

加療6週間のけが、いじめ重大事態への該当性は

今回の事件では、被害生徒が加療6週間とされるけがを負っている。仮に、この負傷がいじめによって生じた重大な身体的被害と認められる疑いがある場合には、いじめ防止対策推進法に定める「重大事態」の扱いも検討する必要がある。

同法第28条は、いじめによって児童生徒の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合、学校または学校の設置者が事実関係を明らかにするための調査を行うことを定めている。実際に重大な被害があったと確定してからでなければ調査できないという制度ではない。

ただし、加療6週間という診断だけで自動的に重大事態と認定されるわけではない。今回、被害生徒が在籍する中学校や学校側の判断、重大事態としての調査の有無については確認できていない。

大学による聞き取りとは別に、在籍校が事件をどのように把握し、負傷した生徒への支援やいじめに関する判断を行っているのかについても、確認が必要となる。

練習以外の時間に起きた事件 寮の管理体制にも確認事項

事件が発生したのは相撲の稽古中ではなく、生徒たちが共同生活を送る寮の浴室だった。競技活動以外の時間であっても、未成年の生徒を受け入れる施設では、生活上のトラブルや負傷事故が起きた場合の連絡・対応体制が必要になる。

大学は再発防止に向けた対策を進めるとしているが、今回の事件を受けて寮の管理方法を見直したのか、生徒や保護者にどのような説明を行ったのかは明らかになっていない。負傷した生徒の生活や競技活動に支障が生じているかどうかについても、確認できる情報はない。

書類送検によって事件が刑事手続きの対象となった今、大学側による聞き取りの内容と再発防止策に加え、生徒が通う学校との情報共有がどのように行われているのかも、今後確認すべき点となっている。

編集部まとめ

金沢学院相撲道場に所属する中学生同士の事件では、被害生徒が加療6週間のけがを負い、相手の男子中学生が傷害容疑で書類送検された。一方、大学側はいじめを確認できていないと説明しており、聞き取りの範囲や判断の根拠については詳細が明らかになっていない。

事件が起きた寮での安全管理に加え、被害生徒の在籍校による対応や、大学が進める再発防止策の具体的な内容についても、説明が待たれる。

特記事項

本記事は2026年10月23日までに確認された事件報道、金沢学院大学の説明およびいじめ防止対策推進法に基づき構成した。少年の氏名や個人を特定し得る情報は掲載せず、書類送検された生徒の行為についても司法判断が確定したものとして扱っていない。

Q事件はいつ、どこで発生しましたか?
A2026年7月下旬、金沢学院相撲道場に所属する中学生が下宿していた金沢学院大学の寮の浴室で発生したとされています。
Q被害生徒はどのようなけがを負いましたか?
Aチームメイトから突き飛ばされ、浴槽に左足を打ち付けたとされ、左太ももの打撲で加療約6週間のけがを負いました。
Q書類送検されたのは誰ですか?
A金沢学院相撲道場に所属する男子中学生です。警察は10月20日付で傷害の疑いで書類送検しました。少年の氏名などは掲載していません。
Q大学はいじめを認めていますか?
A金沢学院大学は関係するチームメイトへの聞き取りを行いましたが、「いじめは確認できていない」と説明しています。ただし、いじめが存在しなかったと確定したわけではありません。
Q今回の事件はいじめ重大事態に当たるのですか?
A現時点では確認できていません。いじめによって心身に重大な被害が生じた疑いがある場合には、在籍校や学校の設置者による重大事態調査の対象となり得ます。今回の事件について、その判断が行われたかどうかは明らかになっていません。

週刊TAKAPI 編集部/黒木

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