【新潟】パトカーに「月光仮面」の封筒2通 交通遺児へ小銭539円、佐渡では53回続く匿名寄付

新潟南警察署の庁舎外観を背景に、「月光仮面」名義で539円の匿名寄付が届けられたニュースを伝える週刊TAKAPIの報道アイキャッチ

新潟市南区の警察署と交番で、パトカーのフロントガラスに「月光仮面」と書かれた封筒が置かれているのが見つかった。中に入っていたのは240円と299円、合わせて539円の硬貨だった。封筒には、交通事故で親を亡くした子どもたちや、事故によって困っている人々のために役立ててほしいという手書きの言葉が添えられていた。

封筒が見つかったのは10月19日。新潟南警察署によると、差出人が誰なのかは分かっていない。同署は寄せられた539円を新潟県交通遺児基金に寄付する方針で、長年にわたって匿名の寄付が続いている佐渡市での事例との共通点も注目されている。

パトカーのワイパーに封筒 20分ほどの間に2か所で発見

最初の封筒は19日午後0時45分ごろ、新潟南警察署の敷地内に駐車していたパトカーのフロントガラスで見つかった。ワイパーに挟まれていた茶色の封筒には「月光仮面」と書かれ、裏面には「わずかですが交通遺児のために使って下さい」と記されていた。

中に入っていたのは、100円硬貨1枚、50円硬貨2枚、10円硬貨3枚、5円硬貨1枚、1円硬貨5枚の計240円だった。

その約20分後の午後1時5分ごろ、今度は白根中央交番に駐車していたミニパトカーでも、同じような封筒が見つかった。こちらには100円硬貨2枚など計299円が入っており、毎日1枚ずつ小銭を集めたことや、交通事故で困っている人の役に立てれば幸せだという思いがつづられていた。

どちらも手書きで筆跡は似ているとされるが、実際に封筒を置いた人物は確認されていない。新潟南署に「月光仮面」を名乗る人物から寄付が届けられたのは、今回が初めてだという。

副署長「正体は深く詮索していない」

新潟南署の高橋亮副署長は、交通事故の被害者を思って寄付を続ける行為に感銘を受けたと説明している。

差出人が「月光仮面」を名乗っていることについては、ヒーローだから正体を深く詮索していないという趣旨の発言もしており、匿名で寄せられた善意をそのまま受け止める姿勢を示した。

警察署は、2通の封筒に入っていた539円を新潟県交通遺児基金に送る方針を明らかにしている。ただし、10月25日時点で実際の送金が完了したかどうかは確認できていない。

佐渡では1974年から続く「月光仮面」 2025年末で53回目

今回の出来事には、新潟県内で半世紀以上続いている匿名寄付との共通点がある。

佐渡市の両津交番では、1974年から「月光仮面」を名乗る人物による寄付が続いている。毎年、大みそかに現金と手書きのメッセージが届けられており、2025年12月31日にも硬貨365枚、合わせて1万10円の寄付が見つかった。

佐渡警察署によると、このときで53回目となり、両津交番に寄せられた寄付金は累計45万7619円に達したという。

添えられていたのは、日々集めた小銭を交通事故で困っている人のために使ってほしいという内容の手紙だった。今回、新潟市南区の白根中央交番で見つかった封筒にも、これとほぼ同じ内容が記されている。

もっとも、新潟市で見つかった封筒と、佐渡で長年続いている寄付が同じ人物によるものかは分かっていない。 また、佐渡市の佐和田交番でも1987年から別の匿名寄付が続いているが、寄付者同士の関係は明らかではない。

確かなのは、交通事故の被害者を支援したいという願いが、「月光仮面」という名前とともに県内で長く届けられてきたことだ。

寄付先の交通遺児基金 県内60人の子どもたちを支援

今回の寄付金が送られる予定の「新潟県交通遺児基金」は、交通事故で保護者を亡くした子どもや、保護者が重い後遺障害を負った家庭の子どもたちを支えるため、1991年6月20日に設立された公益財団法人だ。

新潟県が2026年8月に更新した公式資料によると、同年7月1日時点の支援対象者は60人。寄付金などを財源に、見舞一時金や入学祝金、卒業祝金、図書カードの贈呈、交流事業などを実施している。

入学祝金は小学校と中学校への入学時にそれぞれ10万円が給付される仕組みで、経済的な支援だけでなく、事故によって生活が変わった子どもたちを励ます活動にも取り組んでいる。

今回届けられた539円が、こうした事業の中で具体的にどのように使われるかは決まっていない。ただ、基金は大きな寄付だけでなく、県民から寄せられた善意をもとに設立され、現在も支援活動を続けている。

封筒を置いた人物の年齢や職業、交通事故の被害者と何らかのつながりがあるのかは分からない。寄付の理由として残されているのは、交通事故によって困っている人々の役に立ちたいという、短い手書きの言葉だけだ。

編集部まとめ

新潟南警察署と白根中央交番で見つかった2通の封筒には、合わせて539円の硬貨が入っていた。差出人は「月光仮面」と名乗り、交通遺児などへの支援を希望している。

佐渡市では同じ名前による匿名寄付が半世紀以上続いており、2025年末には53回目を数えた。今回の寄付者と同一人物かどうかは分からないが、手紙に込められた願いには共通するものがある。

警察は539円を新潟県交通遺児基金に寄付する予定だという。届けられたのは小銭の入った2通の封筒であり、誰が置いたのかを示す手掛かりは明らかになっていない。

名乗らず、見返りも求めず、交通事故で困っている誰かのために残した539円。封筒に書かれていた名前は、ただ「月光仮面」だった。

特記事項

本記事は2026年10月19日に発見された匿名寄付に関する警察の説明、佐渡市での過去の寄付記録および新潟県交通遺児基金の公式資料に基づき構成した。寄付者の身元、佐渡での寄付との関係、基金への送金完了については確認できていない。

Q「月光仮面」の封筒はどこで見つかりましたか?
A2026年10月19日、新潟市南区の新潟南警察署と白根中央交番に駐車していたパトカーのフロントガラスで発見されました。
Q寄付金はいくらでしたか?
A新潟南署で240円、白根中央交番で299円が見つかり、合計539円でした。いずれも硬貨でした。
Q誰が封筒を置いたのですか?
A差出人は「月光仮面」と名乗っていますが、身元は判明していません。2通の筆跡は似ているとされています。
Q佐渡の「月光仮面」と同じ人物ですか?
A確認されていません。佐渡市の両津交番では1974年から同じ名前による匿名寄付が続いていますが、今回の差出人との関係は不明です。
Q539円はどこに寄付されますか?
A警察は新潟県交通遺児基金に寄付する方針です。同基金は、交通事故で保護者を亡くした子どもたちなどを対象に、経済的支援や交流事業を行っています。

週刊TAKAPI 編集部/黒木

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