長野県栄村のJR飯山線沿線で、列車撮影に訪れていた親子3人の軽自動車が線路脇へ転落し、約3時間半にわたり列車の運行に影響を与えたとして、3人が過失往来危険の疑いで書類送検された。
鉄道撮影を巡る危険行為は、東三河でも無関係ではない。
豊橋市にはJR東海道本線・飯田線、名鉄名古屋本線、豊橋鉄道渥美線・市内線が集まり、期間限定車両や復刻車両、イベント列車などが運行される機会もある。
実際、豊橋鉄道は2025年、市内線3203号の復刻デザインラッピング運行中、**「一部の鉄道ファンによる迷惑行為や危険行為が散見されている」**として異例の注意喚起を行っていた。
一方で同社は、2026年には三河田原駅の線路上などを使用した公式撮影会も実施している。
危険な撮影を禁止する一方、安全管理された環境では鉄道ファンに撮影機会を提供する。東三河で実際に行われている対応から、鉄道撮影と安全の境界を検証する。
飯山線では撮影目的の親子3人を書類送検
今回の検証のきっかけとなったのは、長野県栄村で起きたJR飯山線沿線の事故だ。
警察によると、群馬県高崎市に住む40歳男性、45歳男性、71歳女性の親子3人は8月31日、JR飯山線の横倉駅と森宮野原駅の間で列車を撮影するため、線路沿いのあぜ道に軽自動車を停めた。
撮影を終えて戻ったところ、車はスタックして動けなくなっていた。
3人で車を動かそうとした際、車が後方へ動き出し、約8.5メートル下の線路脇へ転落・横転した。
事故の影響で飯山線は約3時間半にわたって運転を見合わせ、上下3本に部分運休や遅れが発生。約20人に影響した。
警察は、車を移動させる際に必要な注意を怠り、列車の往来に危険を生じさせた疑いがあるとして、親子3人を過失往来危険の疑いで書類送検した。
3人はいずれも容疑を認めているという。
豊橋鉄道、2025年に「迷惑・危険行為が散見」
東三河でも、鉄道撮影を巡る具体的な問題は確認されている。
豊橋鉄道は2025年、市内線3203号を期間限定の復刻デザインで運行した際、一部の鉄道ファンによる迷惑行為や危険行為が散見されているとして公式に注意を呼びかけた。
同社がやめるよう求めたのは、
- 他の利用者への迷惑行為
- 軌道敷への無断立ち入り
- 私有地への無断侵入
- 自動車や歩行者の通行を妨げる行為
などだった。
さらに2025年の注意喚起では、迷惑行為や危険行為が続き、安全な運行ができないと判断した場合、期間終了前に企画を打ち切り、今後同様の企画を実施できなくなる可能性まで示していた。
単なる一般的なマナー啓発ではなく、豊橋市内で実際に確認された撮影行為を受けた警告だった。
2026年の復刻車両でも撮影マナーを再度明記
2026年には、市内線3203号の復刻デザインラッピング第2弾が実施された。
豊橋鉄道は今回も、他の利用者への迷惑行為、軌道敷や私有地への無断侵入、自動車や歩行者の通行に支障を与える行為をやめるよう公式に呼びかけた。
ここは2025年との違いを分ける必要がある。
2025年の公式情報では「一部の鉄道ファンによる迷惑行為や危険行為が散見されている」と明記され、企画打ち切りの可能性まで示されていた。
一方、2026年の第2弾について今回確認した公式案内では、撮影マナーへの注意は掲載されているものの、2025年と同じ形で「危険行為が散見されている」「企画を打ち切る」とまでは記載されていない。
過去に実際の問題があったことと、2026年の注意喚起は分けて見る必要がある。
三河田原駅では線路上の公式撮影会
豊橋鉄道は、鉄道撮影そのものを排除しているわけではない。
2026年3月1日には、渥美線「夢応援・幸運のBLUE ROSE号」の撮影会ツアーを実施した。
三河田原駅では、参加者が4番線、5番線の線路へ降りて撮影できる企画を設定。「BLUE ROSE号」と1801号を並べた撮影機会を提供した。
参加人数は40人限定。
参加資格は中学生以上で、小学生以下については保護者同伴でも参加不可とした。
豊橋鉄道は、その理由として線路上での撮影と安全確保を挙げている。
高師車庫でも撮影会が行われた。
一般利用者が勝手に線路へ入ることと、鉄道会社が運行を管理したうえで撮影場所として線路を開放することは、全く異なる。
