東三河の求人倍率0.93倍、7カ月連続で1倍割れ 豊川・蒲郡は0.78倍、地域によって大きな差

東三河の2026年9月の有効求人倍率が0.93倍となり、7カ月連続で1倍を下回ったことを伝える報道アイキャッチ。写真はハローワーク豊川の建物外観。

愛知県東三河地方の雇用情勢に、地域ごとの大きな差が表れている。

愛知労働局が10月30日に公表した2026年9月の雇用統計によると、東三河の有効求人倍率(原数値)は0.93倍となり、7カ月連続で1倍を下回った。前月の0.91倍から0.02ポイント改善したものの、前年同月の0.93倍と同じ水準にとどまっている。

一方、公共職業安定所別に見ると、豊橋は1.00倍、新城は1.29倍に達したのに対し、豊川は0.78倍だった。

同じ東三河でも、仕事を求める人と企業側の求人のバランスは大きく異なっている。

東三河全体で求職者が求人を707人上回る

9月の東三河の月間有効求人数は9869人で、前年同月より3.8%減少した。

これに対し、月間有効求職者数は1万576人で、同4.5%減少。求人数より求職者数が707人多い状況となった。

有効求人倍率は、ハローワークで取り扱う月間有効求人数を月間有効求職者数で割って算出する。

東三河の倍率は2026年3月に0.99倍となって以降、9月まで7カ月連続で1倍を下回っている。

ただし、求人倍率が1倍を下回ることは、その地域の失業率が高いことを直接示すものではない。また、民間の求人媒体などを含む地域の採用市場全体を網羅した数字でもない。

豊橋1.00倍、豊川0.78倍、新城1.29倍

地域別の違いは、さらに鮮明だ。

愛知労働局が公表した9月の安定所別有効求人倍率によると、豊橋公共職業安定所は1.00倍。前月の0.96倍から0.04ポイント上昇した。

一方、豊川公共職業安定所は0.78倍で、前月から横ばい。新城公共職業安定所は1.29倍となり、前月から0.05ポイント上昇している。

豊橋の管轄には田原市、豊川には蒲郡市、新城には設楽町、東栄町、豊根村が含まれる。

つまり、豊川・蒲郡地域は求職者に比べて求人が少ない一方、新城・奥三河地域では求人が求職者を上回っている。

両地域の求人倍率の差は0.51ポイントに達する。

ただし、新城地域の倍率が高いことだけで、企業の人手不足が特定の産業で深刻化していると断定することはできない。求人数、求職者数、募集職種などを合わせて判断する必要がある。

新規求人は2.6%増、それでも就職件数は減少

東三河全体では、新たな求人の動きにも変化が見られた。

9月の新規求人数は3601人で、前年同月より2.6%増加。新規求職申込件数は2090件で、同5.0%減少した。

新規求人倍率は1.72倍となり、前年同月を0.12ポイント上回った。

新たに募集を始める企業の採用需要が一定程度確認できる一方、過去から継続する求人と求職を含めた有効求人倍率は1倍を下回っている。

さらに、9月の就職件数は484件で、前年同月より7.6%減少した。

新規求人の増加が、そのまま就職件数の増加につながっているわけではないことが分かる。

求人と求職の間で、職種、賃金、勤務地、勤務時間などの条件が合致していない可能性は考えられる。ただし、今回の統計だけで、その要因や寄与の大きさを特定することはできない。

愛知県内4地域で最も低い東三河

愛知労働局の9月の地域別統計では、有効求人倍率は名古屋が1.49倍、尾張が0.99倍、西三河が1.02倍、東三河が0.93倍だった。

東三河は県内4地域で最も低い。

愛知県全体の有効求人倍率は季節調整値で1.23倍、全国は1.19倍となっている。

ただし、東三河の0.93倍は季節調整を行っていない原数値である。県全体や全国の季節調整値と直接比較して、地域間の雇用環境の優劣を断定することは適切ではない。

愛知労働局は県全体の雇用情勢について、求人が求職を上回って推移している一方、物価上昇などが雇用に与える影響に注意が必要との認識を示している。

東三河でも、今後の求人動向と就職実績を継続して確認する必要がある。

編集部まとめ

東三河の有効求人倍率は7カ月連続で1倍を下回ったが、注目すべきは地域全体の0.93倍という数字だけではない。

豊橋・田原地域は1.00倍、豊川・蒲郡地域は0.78倍、新城・奥三河地域は1.29倍。仕事を探す人と求人のバランスは地域によって大きく異なる。

また、新規求人数が前年同月より増加した一方、就職件数が減少している点も見逃せない。

今後は、豊川・蒲郡地域で求人倍率が低い要因と、新城・奥三河地域で求人が求職を上回る背景を、職種別・産業別データによって掘り下げる必要がある。

地域経済の実態を捉えるには、東三河全体の平均値に加え、地域ごとの数字を継続して追うことが重要だ。

特記事項

本記事は2026年11月4日までに公表された愛知労働局の「最近の雇用情勢(令和8年9月分)」確報、安定所別受理地別有効求人倍率の推移、厚生労働省の一般職業紹介状況を基に構成した。

地域別の有効求人倍率はパートタイムを含む原数値であり、愛知県全体・全国の季節調整値とは区別して記載した。新規学卒者は統計対象から除かれている。

Q2026年9月の東三河の有効求人倍率はいくつですか?
A0.93倍です。前月から0.02ポイント上昇しましたが、7カ月連続で1倍を下回っています。
Q豊橋市の有効求人倍率はいくつですか?
A豊橋公共職業安定所の9月の倍率は1.00倍です。田原市を含む管轄地域の数値です。
Q東三河で最も倍率が低い地域はどこですか?
Aハローワーク別では豊川が0.78倍で、豊橋の1.00倍、新城の1.29倍を下回っています。豊川には蒲郡市も含まれます。
Q新しい求人は減っていますか?
A9月の新規求人数は3601人で、前年同月比2.6%増加しています。ただし、月間有効求人数全体では3.8%減少しています。
Q求人倍率が1倍未満なら就職が難しいということですか?
A求職者数が求人数を上回る状態を示しますが、職種や雇用条件によって状況は異なります。求人倍率だけで就職の難易度を一律に判断することはできません。

週刊TAKAPI編集部/一条

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