送別会に行きたくなかった 佐賀県警20代巡査長、飲食店に「爆弾仕掛けた」紙 威力業務妨害・脅迫容疑で書類送検、戒告処分後に依願退職イトル

職場の送別会を回避するため、店頭に紙を置き電話か 「参加したくなかった」と供述、県警は4月末付けで処分

佐賀県警本部に勤務していた20代の男性巡査長が、職場の送別会に参加したくないとして、佐賀市内の飲食店に「爆弾を仕掛けた」とする紙を置き、店に電話をかけたとして、威力業務妨害と脅迫の疑いで書類送検されていたことが分かった。

県警は元巡査長を4月末付けで戒告の懲戒処分とした。元巡査長は同日付で依願退職した。

複数の報道によると、問題が起きたのは3月5日。佐賀市内の飲食店では、元巡査長を含む県警職員らの送別会が予定されていた。

元巡査長は、店の前に「爆弾を仕掛けた」などと書いた紙を置いたうえで、店の経営者に対し「入口を見てみろ」と電話をかけた疑いが持たれている。実際に爆発物が見つかったとの情報は確認されていない。

店側は通報し、予定されていた送別会は中止になったとみられる。県警は任意で捜査を進め、元巡査長を威力業務妨害と脅迫の疑いで佐賀地検に書類送検した。

元巡査長は、昨年度末で退職する意向を以前から示していたという。調べに対し、「自身を含む送別会に参加したくなかった」と動機を説明し、容疑を認めているとされる。

送別会に出たくない。そこまでは、職場に限らず誰にでも起こり得る感情だ。だが、その回避のために飲食店へ爆弾予告まがいの紙を置き、店側に電話をかけた疑いが事実であれば、被害を受けたのは職場だけではない。

飲食店は営業を止めざるを得ない。経営者や従業員は危険確認に追われる。予約客、近隣、警察対応にも影響が出る。本人の「行きたくなかった」という理由は、店側が負った不安や業務への影響を軽くするものではない。

今回の件で問われるのは、飲み会や送別会の是非だけではない。警察官は、脅迫や業務妨害を取り締まる立場にある。その警察官が、退職前の職場行事を避けるために、飲食店を巻き込む手段を取った疑いが持たれている点は重い。

一方で、職場側にも確認すべき点は残る。送別会は任意参加だったのか。欠席の意思を伝えられる雰囲気はあったのか。退職予定の職員が負担を感じていた場合、事前に相談できる窓口は機能していたのか。これらは、今後の再発防止を考えるうえで避けて通れない。

ただし、どれほど送別会に行きたくなかったとしても、店に脅迫文を置く理由にはならない。職場の悩みと、外部の飲食店を不安にさらす行為は分けて考える必要がある。

佐賀県警は、元巡査長を戒告処分とし、職務倫理の徹底を図る考えを示している。警察組織に求められるのは、処分だけで終わらせることではない。若手職員が退職前に何を抱えていたのか、行事参加を断る手順は明確だったのか、同じことを起こさせない確認が必要になる。

送別会を避けるための行動は、結果として警察官としての職を失う事態につながった。個人の判断の問題であると同時に、職場行事のあり方、退職予定者への接し方、警察官としての自覚を改めて問い直す事件になった。

編集部まとめ

佐賀県警本部に勤務していた20代の男性巡査長が、職場の送別会に参加したくないとして、佐賀市内の飲食店に「爆弾を仕掛けた」とする紙を置き、店に電話をかけた疑いで書類送検された。県警は元巡査長を戒告処分とし、元巡査長は同日付で依願退職した。動機として「送別会に参加したくなかった」と説明しているとされる。飲食店を巻き込む行為であり、県警の職務倫理と職場行事のあり方が問われる。

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