旭川女子高校生殺害事件 内田梨瑚被告に懲役27年求刑 検察は「一連の支配と追い込み」を殺人と主張

北海道旭川市で2024年、当時17歳の女子高校生が橋から川へ転落して死亡した事件で、殺人などの罪に問われている内田梨瑚被告(23)の裁判員裁判が6月8日、旭川地裁で開かれた。

検察側は、内田被告に対し懲役27年を求刑した。

この裁判で問われているのは、橋から直接突き落としたかどうかだけではない。

監禁、暴行、衣服を脱がせての撮影、橋の欄干に座らせた行為、そして「落ちろ」「死ねや」という言葉。

検察側は、女子高校生が転落に至るまでの一連の暴力と言動こそが、殺人の実行行為にあたると主張している。

SNS投稿をきっかけに始まった監禁と暴行

起訴内容などによると、事件の発端はSNS上の画像投稿をめぐるトラブルだった。

被害女子高校生は、内田被告が写った画像データを無断でSNSへ掲載したとされる。

その後、内田被告らは女子高校生を車に乗せ、暴行や脅迫を加えながら行動を制限。監禁状態に置いたとされている。

さらに、旭川市内の神居大橋付近で女子高校生の衣服を脱がせ、動画撮影をしたうえで、橋の欄干に座らせたとされる。

検察「落ちろ」「死ねや」は殺人の実行行為」

検察側は、女子高校生が死亡した結果について、偶然の転落ではなく、内田被告らによる一連の行為によって引き起こされたものだと位置づけた。

橋の欄干に座らせたうえで「落ちろ」「死ねや」などと発言したことは、単なる暴言ではなく、極限状態に置かれた被害者をさらに追い込む行為だったとみられる。

また、橋から川へ転落すれば命を落とす危険があることは十分認識できたとして、検察側は故意や共謀も認められると主張した。

不同意わいせつ致死についても、衣服を脱がせて撮影した行為と死亡結果との因果関係が認められるとして、罪が成立すると訴えている。

弁護側は殺人罪を否認

一方、弁護側は監禁については認めているものの、殺人罪については否認している。

主な主張は、

・殺意はなかった
・橋から落とす実行行為はしていない
・死亡との因果関係は認められない
・不同意わいせつ致死も成立しない

というものだ。

つまり、裁判の中心は「被害者を直接押したか」ではなく、「暴行や脅迫、羞恥を与える行為、言葉による追い込みを含めて殺人と評価できるか」にある。

なぜ懲役27年が求刑されたのか

検察が懲役27年を求刑した背景には、犯行態様の悪質性と、被害者が置かれた状況の深刻さがある。

女子高校生は監禁され、暴行を受け、服を脱がされて撮影され、橋の欄干に座らされた。

そのうえで「落ちろ」「死ねや」と言われ、逃げ場のない恐怖の中で命を落としたとされる。

検察側は、これらを個別の行為ではなく、死亡に至るまでの一連の支配と追い込みとして評価している。

争点まとめ

争点

検察側の主張

弁護側の主張

殺人罪

暴行や言動が殺人の実行行為にあたる

殺意も実行行為もない

故意・共謀

転落すれば死亡する危険を認識していた

死亡に関与していない

不同意わいせつ致死

死亡との因果関係がある

因果関係は認められない

監禁

一連の犯行の前提となる行為

監禁は認める

遺族の苦しみと、判決の意味

公判では、被害者遺族による意見陳述も行われた。

突然、17歳の命を奪われた家族の悲しみは計り知れない。

この事件は、単なる口論やSNSトラブルではない。若い命が失われ、家族の日常が一瞬で壊された重大事件である。

裁判所が、暴行や脅迫、言葉による追い込みをどこまで「殺人」として評価するのか。

判決は、同種事件における責任の範囲を考えるうえでも注目される。

判決は6月22日

内田梨瑚被告の裁判員裁判は、被害者参加人や弁護側の弁論、最終陳述を経て結審する予定だ。

判決は2026年6月22日午後3時、旭川地方裁判所で言い渡される予定となっている。

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