繭玉状に包んだコカイン101個、総重量約1キロを体内に隠して密輸しようとしたとして、警視庁薬物銃器対策課などは2026年8月15日、アルゼンチン国籍で住所・職業不詳のロサ・ミカエラ・キビルドル容疑者(30)を逮捕したと発表しました。
容疑は麻薬取締法違反の営利目的輸入と、関税法違反の密輸未遂です。押収されたコカインの末端価格は、約2400万円に上るとされています。
体内から長さ約5センチの包み101個
逮捕容疑は8月10日、コカインをビニール製ラップやゴム状の素材などで繭玉状に包んでのみ込み、英国から羽田空港へ密輸しようとした疑いです。
一つの包みは長さ約5センチ、重さ約10グラム。東京税関羽田税関支署の職員が不審に思い、検査したところ、体内から計101個が発見されたとされています。
警視庁は、南米を拠点とする国際的な密輸組織が関与した可能性があるとみて、コカインの調達経路や日本国内での受取人を調べています。
「受け渡せば7000ドル」と供述
ロサ容疑者は容疑を認め、「ブラジルでコカインを受け取った。日本へ入国した後に何者かへ渡し、報酬として7000ドルを受け取る予定だった」などと供述しているとされています。
7000ドルは日本円で約112万円に相当します。
ただ、密輸を持ちかけた人物、国内でコカインを受け取る予定だった人物、英国を経由した理由などは明らかにされていません。
コカイン摘発件数は1年間で57%増加
最近、薬物密輸事件が増えているという印象は、税関の統計とも一定程度一致します。
全国の税関が2025年に押収した不正薬物は約3211キロで、前年から15%増加。6年ぶりに3トンを超え、過去2番目の規模となりました。
コカインの摘発件数は85件で、前年から57%増えています。一方、押収量は約238キロで12%減少しました。
つまり、コカインは一度に押収される量が減る一方、摘発される事件数が増える「小口化」の傾向が確認されています。
航空旅客による薬物摘発も29%増
2025年は、航空機の旅客による不正薬物の摘発件数も前年比29%増加しました。
国際的な人の移動が回復する中、スーツケースなどの手荷物だけでなく、身体への隠匿、国際郵便、小口航空貨物、国際宅配便など複数の経路が使われています。
2026年に入ってからも、航空旅客が大量の覚醒剤を手荷物に隠した事件や、国際宅配貨物を使った指定薬物の密輸事件などが相次いで摘発されています。
件数だけでなく、密輸経路と隠し方が分散していることが、水際対策を難しくしているとみられます。
国際組織の「運び役」勧誘か
今回の供述どおりであれば、ロサ容疑者は報酬と引き換えに薬物を日本へ運ぶ、いわゆる「運び役」だった可能性があります。
捜査の焦点は、南米でコカインを渡した人物、日本国内の受取人、渡航費や宿泊費を負担した人物、連絡に使われた通信手段などです。
101個すべてが同じ方法で包装されていたのか、組織が過去にも同様の手口で日本への密輸を繰り返していたのかも調べられるとみられます。
編集部まとめ
今回の事件は、約1キロのコカインを101個に分け、体内に隠して運ぼうとしたとされる点で異例です。
税関統計でも、コカインの押収量は減少した一方、摘発件数は57%増えています。最近の密輸事件が多く感じられる背景には、航空旅客を使った事件の増加と、薬物が小口化して複数の経路へ分散している状況があります。
逮捕された人物だけでなく、南米側の調達役と日本国内の受取人まで特定できるかが、組織全体の解明に向けた重要な焦点です。
特記事項
本記事は2026年8月15日時点の捜査機関・税関の発表などに基づいています。逮捕は有罪を意味するものではなく、今後の捜査や司法手続きで事実関係が判断されます。末端価格は捜査機関による推計です。
今回の逮捕で分かったこと
- 逮捕された人物:アルゼンチン国籍のロサ・ミカエラ・キビルドル容疑者(30)
- 容疑:麻薬取締法違反の営利目的輸入、関税法違反の密輸未遂
- 密輸を図った日:2026年8月10日
- 到着地:羽田空港
- 出発地:英国
- 隠匿方法:繭玉状に包んだコカインを体内に隠した疑い
- 発見数:101個
- 総重量:約1キロ
- 末端価格:約2400万円
- 報酬:約7000ドル、日本円で約112万円相当
- 認否:容疑を認めているとされる
発見から逮捕発表まで
8月10日、ロサ容疑者は英国から羽田空港へ到着しました。税関職員が不審に思い検査した結果、体内から繭玉状の包み101個が見つかったとされています。
包みは一つ当たり長さ約5センチ、重さ約10グラムで、総重量は約1キロに上りました。
警視庁などは麻薬取締法違反と関税法違反の疑いで捜査し、8月15日に逮捕を発表しました。
供述から浮かぶ密輸経路
ロサ容疑者は、ブラジルでコカインを受け取り、日本で何者かへ渡す予定だったと供述しているとされています。
受け渡しを完了すれば7000ドルの報酬を受け取る約束だったとされますが、密輸を指示した人物、日本国内の受取人、英国を経由した理由は明らかにされていません。
警視庁は、南米を拠点とする国際的な密輸組織が関与した可能性を視野に調べています。
コカイン密輸は「件数増・小口化」
全国の税関が2025年に摘発したコカイン密輸は85件で、前年から57%増加しました。
一方、押収量は約238キロで12%減少しており、1件当たりの量が小さくなる小口化の傾向が示されています。
不正薬物全体の押収量は約3211キロで前年比15%増。6年ぶりに3トンを超え、過去2番目の規模となりました。航空機旅客による不正薬物の摘発件数も29%増加しています。
今後の捜査で焦点となる点
今後は、南米でコカインを準備した人物、日本国内で受け取る予定だった人物、渡航費などを負担した人物の特定が焦点となります。
同じ組織が過去にも日本への密輸を行っていたのか、別の運び役を使っていたのかについても捜査が進められるとみられます。
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