愛知県豊川市の公立小中学校では、体育館に常設エアコンが設置されている学校が現時点で0校であることが、週刊TAKAPIの取材で分かった。
豊川市には小学校26校、中学校10校の計36校があり、体育館の常設空調は全校で未整備となっている。
一方、教職員からは体育館への空調設備設置を求める要望が出ており、令和9年度(2027年度)に向けては整備の「前倒し」を求める要望も出ている。
さらに重要なのが防災面だ。市内の公立小中学校全36校が指定避難所の対象となっている。市は現在、大型扇風機やスポットクーラーを備え、夏場に避難所を開設する場合は、現時点ではこれらを活用して暑さに対応する考えだ。
では、なぜ豊川市の学校体育館にはエアコンがないのか。いつ整備されるのか。費用や国の補助制度はどうなるのか。
週刊TAKAPIは2026年9月1日、豊川市教育委員会の学校教育課、庶務課に取材した。
豊川市の学校体育館にエアコンはある?現時点では36校すべて「0」
まず、現在の整備状況を整理する。
豊川市教育委員会への取材によると、市内の公立小中学校は、
小学校:26校
中学校:10校
合計:36校
となっている。
この36校の体育館について、常設空調設備が設置されている学校は現時点で0校だ。
近年の猛暑では、学校体育館の暑さ対策は体育の授業や部活動だけの問題ではなくなっている。
学校体育館は災害発生時の避難先にもなるため、教育と防災の双方から空調整備が問われている。
なぜ豊川市の体育館エアコン整備は進んでいない?
「なぜ豊川市は0校なのか」。
今回の取材で確認できた一つのポイントが、豊川市が特別教室の空調整備を進めてきたことだ。
市では理科室や図工室などの特別教室を対象に空調設備の整備を進めている。
対象は市内小中学校全36校。
事業は令和7年度(2025年度)と令和8年度(2026年度)にわたって進められており、2026年度中の完了を予定している。
工事についてはすでに発注され、業者との契約も行われているという。
ただし、市側から「特別教室を優先したことだけが体育館空調0校の理由だ」との明確な回答があったわけではない。
そのため、豊橋市や蒲郡市など周辺自治体との整備時期の差がなぜ生まれたのかについては、今後も検証が必要だ。
豊川市の体育館エアコンはいつ設置される?
検索する人が最も知りたいのは、「結局、いつ体育館にエアコンが付くのか」という点だろう。
豊川市は現在、体育館空調について「導入可能性調査」を進めている。
しかし、9月1日の取材時点では具体的な整備開始年度は明らかになっていない。
最初に設置する学校も未定
現時点では、
いつ整備を開始するのか
どの学校から整備するのか
全36校を整備するのか
全校整備する場合、何年度までに完了させるのか
といった具体的なスケジュールは示されていない。
つまり、「導入を調査している段階」から「実際に設置する段階」へいつ移るのかが今後の最大の焦点になる。
教職員から体育館エアコン設置の要望 2027年度は「前倒し」求める
一方、学校現場からは体育館空調を求める声が出ている。
豊川市教育委員会への取材では、教職員から体育館への空調設備設置について要望が出ていることが確認できた。
具体的には、令和7年度(2025年度)、令和8年度(2026年度)の予算に向けた要望として、体育館への空調設備設置を求める声があった。
さらに注目されるのが次年度に向けた動きだ。
令和9年度(2027年度)に向けた要望では、体育館への空調設備設置を「前倒し」するよう求める要望が出ている。
単に「将来的に設置してほしい」という段階から、整備時期そのものを早めてほしいという要望が出ていることになる。
PTAや校長会から体育館エアコン設置の要望はある?
学校関係者すべてから同じような要望が出ているわけではない。
PTAからの要望は?
PTAについて、市側は体育館空調設置に関する要望を担当側では把握していないと回答した。
ここで注意したいのは、「PTAから要望がない」と断定できるわけではないことだ。
今回確認できたのは、あくまで担当側では把握していないという事実となる。
校長会からの要望は?
一方、校長会から体育館への空調設備設置についての要望は出ていないという。
現時点で確認できた要望状況は、
PTA:担当側では把握していない
校長会:要望なし
教職員:設置要望あり
となる。
さらに教職員については、2027年度に向けて整備の前倒し要望まで出ている。
豊川市の体育館エアコン整備費はいくら?
もう一つ大きな疑問が費用だ。
週刊TAKAPIは、市内全36校の体育館へ空調設備を整備した場合、総額でどの程度になるのかについても尋ねた。
しかし、9月1日時点では具体的な総事業費について回答は得られていない。
1校当たりの概算整備費についても現時点では明らかになっていない。
体育館への空調整備には空調機器そのものだけでなく、施設の状況によって電気設備などの工事が必要になる可能性もある。
現在進めている導入可能性調査の結果とともに、概算事業費が示されるかも注目される。
体育館エアコンに国の補助金は使える?豊川市も制度活用を検討
体育館空調を整備する際、巨額になり得る事業費を市だけで負担するとは限らない。
豊川市への取材では、国の補助制度や財政支援制度を活用できる可能性があるとの説明があった。
取材では、空調設備整備に関する臨時特例交付金系の制度について、市側からおおむね50%程度という説明があった。
さらに、緊急防災・減災事業等に関連する制度についても説明があり、7割程度という数字が示された。
ただし重要なのは、豊川市が実際にどの制度を使うかはまだ決まっていないという点だ。
今後、市が県などを通じて申請し、利用できる制度を検討していくことになるという。
そのため、
国からどの程度の財政支援を受けられるのか
豊川市が実際に負担する金額はいくらになるのか
についても、具体的な整備計画が固まる段階で注目したい。
特別教室のエアコンは2026年度までに整備へ
体育館が0校だからといって、豊川市が学校の空調整備そのものを行っていないわけではない。
現在は特別教室への空調整備を進めている。
2025年度と2026年度に工事を発注しており、すでに業者との契約も行われている。
事業は2026年度中の完了を予定している。
一方、この特別教室空調整備についても、9月1日の取材時点では総事業費の即答は得られなかった。
特別教室への整備が完了した後、市が次の大規模な空調整備として体育館をどう位置付けるのかがポイントとなる。
豊川市の学校体育館は全36校が指定避難所
体育館エアコン問題で、もう一つ見逃せない数字がある。
豊川市によると、市内公立小中学校全36校が指定避難所の対象となっている。
つまり、常設空調がない体育館が、災害時には地域住民の避難先になる可能性がある。
特に想定しなければならないのが、猛暑の時期に大規模災害が発生するケースだ。
南海トラフ地震などによって真夏に避難所生活が必要となった場合、体育館の暑さ対策が重要になる。
エアコンがない避難所の暑さ対策は?大型扇風機・スポットクーラーを用意
では、現在の豊川市はどう対応する想定なのか。
市側によると、大型扇風機とスポットクーラーを備えている。
体育館に常設空調がない現状では、夏場に避難所として使用する場合、現時点では大型扇風機やスポットクーラーを活用して対応する考えだという。
これは、豊川市の体育館空調を考える上で重要なポイントだ。
全36校が指定避難所の対象である以上、体育館への空調整備は児童生徒だけの問題ではなく、地域防災にも直結する。
編集部まとめ
大型扇風機・スポットクーラーだけで十分なのか?
大型扇風機やスポットクーラーが用意されていることは、現時点での暑さ対策の一つとなる。
一方、検証する必要があるのは、大規模災害によって多数の避難者が体育館で生活する状況でも十分な対応ができるのかという点だ。
特に高齢者や乳幼児など暑さへの配慮が必要な人が避難する可能性もある。
常設空調の必要性を議論する場合、「体育や部活動が暑い」という教育上の視点だけでなく、指定避難所としてどの程度の環境を確保する必要があるのかという防災上の視点も欠かせない。
豊橋・蒲郡との体育館エアコン格差 豊川市はいつ追いつく?
東三河では学校体育館の空調整備状況に自治体間の差がある。
豊橋市や蒲郡市で整備が進む一方、豊川市では36校すべてが常設空調未整備となっている。
しかし、豊川市でも導入可能性調査が始まり、教職員からは前倒しを求める声が出ている。
ここから問われるのは、単純な「設置する・しない」ではない。
いつ始めるのか。
何校を整備するのか。
何年かけるのか。
総額はいくらなのか。
そして、国の制度を使って市の負担をどこまで抑えられるのか。
具体的な数字を伴った計画が示されるかが重要になる。
豊川市には小学校26校、中学校10校の計36校がありますが、週刊TAKAPIが9月1日に豊川市教育委員会へ取材した時点で、体育館への常設空調設備は全校で未整備です。
ただし、具体的な設置開始年度や対象校、完了年度については9月1日時点では明らかになっていません。
2025年度、2026年度の予算に向けて設置要望があり、さらに2027年度に向けては整備を前倒しするよう求める要望も出ています。
ただし、豊川市がどの制度を利用するかは現時点では確定していません。
2027年度に向け豊川市は動くのか 「0校」脱却の時期が焦点
今回の取材で確認できた豊川市の状況を整理すると、体育館の常設空調は36校すべて未整備、全36校が指定避難所の対象、教職員からは設置・前倒し要望が出ている。
市も導入可能性調査を進めている。
一方、具体的な設置開始年度、対象校、全校整備の完了時期、総事業費、利用する国の財政支援制度については、まだ明らかになっていない。
特に注目されるのが令和9年度(2027年度)予算だ。
学校現場から「前倒し」の要望が出る中、市が実際に予算を付け、最初の整備に踏み出すのか。
また、全36校が指定避難所となっている中、現在の大型扇風機・スポットクーラーによる暑さ対策から、常設空調へ踏み込むのか。
豊川市がいつ「体育館エアコン0校」を脱するのか。今後の整備方針と予算編成が焦点となる。
取材概要
取材日時:2026年9月1日
回答:豊川市教育委員会
※本記事は公開されている企業情報、報道内容、地域特性、市場動向などをもとに編集部が独自に考察した内容です。企業や関係者が公表している出店理由・経営方針を断定するものではなく、一部に編集部の見解や推測が含まれます。最新かつ正確な情報は、各企業・自治体の公式発表をご確認ください。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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