【豊川】築50年超の睦美保育園、新園舎が完成 定員90人→110人、改築事業費8億611万円

豊川市立睦美保育園(三谷原町)の新園舎が完成し、9月24日午後2時から完工式が行われる。

1973年度(昭和48年度)に建てられた旧園舎は築50年を超え、市が2021年に策定した「豊川市保育施設長寿命化計画」では、築年数を加味した園舎の健全度が31点と評価されていた。

新園舎は鉄骨造平屋建て、延床面積948.05平方メートル。定員を現在の90人から110人へ20人増やし、増加する3歳未満児の保育需要にも対応する。

令和8年度当初予算では、睦美保育園改築事業として8億611万6千円が計上されている。

1973年度建築、旧園舎は築50年超

週刊TAKAPIの調べによると、旧睦美保育園の園舎は1973年度に建築された鉄骨造平屋建てで、延床面積は593.1平方メートル。テラス136.5平方メートルも同年度に整備されていた。

豊川市が2021年3月に策定した「豊川市保育施設長寿命化計画」では、2020年度時点で築47年とされている。

市は同計画で、鉄骨造(S造)の更新周期について、事後保全の場合を46年、予防保全の場合を61年と設定していた。

旧園舎は2020年度時点ですでに築47年となっており、市が設定した事後保全による更新周期の目安を超えていたことになる。

健全度は「31点」 内部・電気・機械設備はC評価

長寿命化計画では、建物の屋根・屋上、外壁、内部仕上げ、電気設備、機械設備について、それぞれA~Dの4段階で劣化状況を評価している。

旧睦美保育園の園舎は、屋根・屋上と外壁が「A」だった一方、内部仕上げ、電気設備、機械設備はいずれも「C」とされた。

各部位の状態と築年数を反映した総合評価の健全度は「31点」だった。

なお、旧園舎は旧耐震基準の時期に建てられているが、市は長寿命化計画の中で、旧耐震基準による保育施設について耐震診断を行い、必要に応じた耐震対策を完了しているとしている。

したがって、「旧耐震=耐震性に問題があった」という意味ではない。

新園舎は948平方メートル 旧園舎から約6割拡大

今回完成した新園舎は鉄骨造平屋建てで、延床面積は948.05平方メートル。

旧園舎の593.1平方メートルと比較すると354.95平方メートル増え、園舎部分の延床面積は約59.8%拡大する。

定員も現在の90人から110人へ20人増える。

特に市が重視しているのが3歳未満児の受け入れだ。

現在28人としている3歳未満児の定員は、新園舎では36人となり、8人増える。

子どもは減少予測、それでも「3歳未満児」の需要は増加

背景には、豊川市の保育需要の変化がある。

市の長寿命化計画では、市内の0~5歳人口は今後減少し、2045年には2020年から約2,000人減少して約7,600人になると推計していた。

一方、保育施設を利用する児童について年齢別に見ると、3~5歳児が横ばいから減少傾向にあるのに対し、0~2歳児は増加傾向にあるとしている。

市はその要因として、6歳未満の子どもがいる世帯に占める核家族世帯の割合や女性の就業率の上昇などを挙げている。

このため、市は保育施設全体について統合や民営化などによる施設総量の適正化を進める一方、建て替える施設については3歳未満児の受け入れ設備を拡充する方針を示してきた。

睦美保育園の定員拡大も、この方針に沿ったものとなる。

令和8年度の改築事業費は8億611万6千円

豊川市の「令和8年度 豊川市の予算の姿」によると、睦美保育園改築事業の令和8年度事業費は8億611万6千円。

市は2025年度から2026年度までの2か年で整備を進めている。

ここで注意が必要なのは、8億611万6千円が資料上、あくまで「令和8年度の睦美保育園改築事業」の事業費として示されている点だ。

新園舎の建物本体だけの建設費を意味するものではない。

建築工事をはじめ、電気・機械設備、工事監理、外構など、改築に関連する個別契約を確認することで、事業全体にどの程度の費用が投じられたのかをより詳しく把握できる。

市全体では「保有面積30%縮減」の長期目標

今回、睦美保育園の園舎そのものは大きくなるが、豊川市は公共施設全体について縮減方針を掲げている。

保育施設長寿命化計画では、公共施設のトータルコストを今後50年間で43%縮減し、保有面積を30%縮減する目標を示している。

保育施設についても、小規模園の統合や公立保育所の民営化などを進めながら、残す施設については長寿命化や機能強化を進める考えだ。

少子化によって子どもの総数が減少する一方、3歳未満児を中心に保育需要の構造は変わっている。

築50年を超えた園舎を更新するだけでなく、その変化に合わせて受け入れ規模を組み替える――今回の睦美保育園の改築は、豊川市が進める保育施設再編の一つの事例ともいえる。

24日午後2時から完工式

豊川市長の日程によると、新園舎の完工式は9月24日午後2時から睦美保育園で予定されている。

市の令和8年度当初予算資料では、新園舎の供用開始を「令和8年秋予定」としていた。

週刊TAKAPIでは、改築事業に関する入札・契約資料についても確認を進める。

このニュースのポイント

Q睦美保育園はいつ建てられた?
A旧園舎は1973年度建築で、2020年度時点ですでに築47年でした。
Q新園舎で何が変わる?
A延床面積は948.05平方メートルとなり、定員は90人から110人へ増えます。3歳未満児についても28人から36人へ受け入れを拡充します。
Q8億611万6千円は新園舎の建設費?
A豊川市の資料では「令和8年度の睦美保育園改築事業」の事業費として記載されています。建物本体だけの建設費とは区別する必要があります。
Qなぜ少子化なのに定員を増やす?
A市は子どもの総数が減少する一方、0~2歳児の保育需要は増加傾向にあるとしており、建て替え時に3歳未満児の受け入れ設備を拡充する方針を掲げています。

(担当記者:黒木)

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