【千葉・成田】印旛沼決壊で創業65年の養魚場が浸水 錦鯉など約10万匹流出、被害「約10億円」か

千葉県成田市の谷養魚場が印旛沼の堤防決壊で浸水し、錦鯉など約10万匹が流出した被害を伝える報道画像

台風25号による大雨で印旛沼の堤防が決壊し、千葉県成田市の「谷養魚場」が大規模な浸水被害を受けた。

養魚場側の説明によると、飼育していた錦鯉など約10万匹が池から流れ出し、店舗や養殖設備なども浸水。被害総額は約10億円に上る可能性があるという。

施設周辺では23日も水が残り、本格的な復旧作業に入れない状態が続いている。代表の谷健治さんは、流出した魚の回収は「ほぼ不可能」とし、営業再開の見通しも立っていないと説明している。

堤防から約500〜600メートル 創業65年で初の大規模浸水

谷養魚場は成田市内にあり、決壊した印旛沼の堤防から約500〜600メートル離れている。

養魚場側によると、創業から65年。錦鯉やメダカの養殖・販売のほか、釣り堀やパターゴルフ場などを備え、敷地は東京ドーム約6個分に相当する広さがあるという。

今回の浸水では、駐車場や店舗、養殖池、温室、パターゴルフ場など広い範囲が水につかった。養魚場側は、創業以来これほどの浸水被害は初めてだとしている。

錦鯉など約10万匹が流出 「回収はほぼ不可能」

被害の中心となっているのが、長年育ててきた魚だ。

養魚場側によると、浸水で養殖池の水位が上がり、錦鯉など約10万匹が施設外へ流れ出したという。

広い敷地と周辺一帯が冠水したため、水が引いたとしても流出した魚を探して回収するのは極めて難しい。

谷さんは魚の回収について「ほぼ不可能」と説明している。大型の魚についても所在が分からなくなっているという。

被害「約10億円」 公的な確定額ではない

養魚場側は、魚だけでなく、建物や電気設備、養殖設備などを含めた被害について、約10億円に上る可能性があるとしている。

ただし、これは養魚場側が現時点で示している見込みであり、行政などによる公的な損害認定額ではない。

水が残っている場所では設備の詳しい点検もできていないため、最終的な被害額は今後変わる可能性がある。

「水が引かないと何もできない」復旧見通し立たず

23日時点でも施設内には水が残り、復旧作業を本格化できない状態が続いている。

谷さんは「水が引かないと何もできません」と説明。営業を再開するには、排水後に建物や電気設備、養殖池などの被害を確認し、修理や再整備を進める必要がある。

現時点で営業再開の時期は決まっていない。

魚の流出だけでなく、長年かけて整備してきた養殖環境そのものが被災したことで、復旧には時間を要する可能性がある。

千葉県「北印旛沼の堤防約100メートルが決壊」

今回の養魚場被害の背景となった堤防決壊について、千葉県は23日、台風25号の豪雨により、成田市船形干拓の北印旛沼で堤防約100メートルが決壊したと発表した。

県は、北印旛沼に流れ込む農業排水路でも堤防の一部が決壊し、周辺で大規模な浸水被害が発生しているとしている。

県は早期復旧に向けて国へ支援を要請。国の緊急災害対策派遣隊「TEC-FORCE」が派遣され、堤防機能の回復に向けた対応が進められている。

印旛沼は5.04メートルを観測 管理開始後の最高水位

印旛沼を管理する水資源機構によると、22日午前4時半には水位5.04メートルを観測した。

これは1968年の管理開始以降で最も高い水位とされ、22日早朝に堤防の決壊が確認された。

この5.04メートルという数字は、あくまで印旛沼の水位が管理開始後で過去最高だったことを示すもので、決壊した堤防の規模を示す数字ではない。

水位はその後低下しているものの、周辺では排水と復旧作業が続いている。

65年続いた養魚場 再建は水が引いてから

谷養魚場の被害は、今回の堤防決壊が住宅や農地だけでなく、地域で長年続いてきた事業にも深刻な影響を及ぼした例となった。

錦鯉など約10万匹という数字も、約10億円という被害見込みも、現段階では養魚場側の説明に基づく。

まず必要なのは水が引くこと。その後に施設や設備、残っている魚の状況を確認しなければ、実際にどこまで再建できるのかも判断できない。

被害の全容が明らかになるまでには時間がかかるとみられる。

編集部まとめ

北印旛沼の堤防決壊で、成田市の谷養魚場が大規模な浸水被害を受けた。

養魚場側によると、錦鯉など約10万匹が流出し、被害総額は約10億円に達する可能性がある。いずれも現時点での事業者側の説明で、最終的な被害数や損害額は確定していない。

施設には水が残り、復旧の見通しは立っていない。今後は排水後の被害確認と、65年続いた施設をどこまで再建できるのかが焦点となる。

週刊TAKAPI 編集部

特記事項

この記事は2026年9月23日夜までに確認された千葉県などの公表内容と、谷養魚場関係者への取材に基づく報道内容をもとに構成しています。

北印旛沼の堤防約100メートルの決壊、国への緊急復旧支援要請、TEC-FORCEの派遣は千葉県が23日に公表しています。

錦鯉など約10万匹の流出、被害総額約10億円、施設の規模、復旧状況については養魚場側の説明に基づきます。被害額は公的に確定した損害額ではありません。

Q谷養魚場では何匹の魚が流出しましたか?
A養魚場側によると、錦鯉など約10万匹が施設外へ流出したとしています。
Q被害額はいくらですか?
A養魚場側は約10億円に上る可能性があると説明しています。ただし、公的に確定した損害額ではありません。
Q堤防はどれくらい決壊しましたか?
A千葉県は、北印旛沼の堤防が約100メートルにわたって決壊したと発表しています。
Q復旧の見通しは立っていますか?
A現時点では立っていません。養魚場側は、水が引かなければ本格的な復旧作業に入れないと説明しています。
Q水位5.04メートルとは何の数字ですか?
A22日午前4時半に観測された印旛沼の水位です。1968年の管理開始以降で最高とされています。堤防の決壊幅を示す数字ではありません。

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