【独自•新城】新城市の空き家バンク、登録26件 令和7年度は11件登録・6件成約、市に実態を聞いた

新城市の空き家バンクは2026年8月末時点で計26件、令和7年度は11件登録・6件成約

愛知県新城市の空き家バンクには、2026年8月31日時点で、現行の仕組みで扱う建物・土地20件に、旧市直営時代から掲載されている6件を加え、計26件の物件が登録されていることが、週刊TAKAPIの新城市への取材で分かった。

内訳は建物の売買9件、建物の賃貸3件、土地の売買8件に加え、旧制度から掲載が続く6件。

一方、新城市では空き家バンクの「成約率」そのものは算出しておらず、長期間成約していない物件が何件あるのかについても、市では詳細を把握していないという。


新城市の空き家バンク、2026年8月末時点で計26件

新城市によると、2026年8月31日時点で確認された空き家バンクの登録状況は次の通り。

建物・売買:9件
建物・賃貸:3件
土地・売買:8件

この3区分を合わせると20件となる。

さらに、新城市が平成29年度まで空き家バンクを直営していた当時から掲載されている物件が別に6件あり、これを合わせると計26件となる。

ここで注意したいのは、26件すべてが現在と同じ運営方式で登録された物件というわけではない点だ。

新城市の空き家バンクは現在、市が直接すべてを運営する仕組みではなく、宅建協会側に運営を依頼している。

市には月末締めで物件の異動状況などが報告されるため、今回確認できたのも取材時点のリアルタイムの数字ではなく、8月31日時点の数字となる。


平成27年度から令和7年度まで、登録件数はどう推移した?

週刊TAKAPIでは、現在の登録件数だけではなく、過去の登録実績についても新城市に確認した。

市から回答があった年度別の登録件数は次の通り。

平成27年度:6件
平成28年度:22件
平成29年度:11件
平成30年度:3件
令和元年度:0件
令和2年度:9件
令和3年度:5件
令和4年度:5件
令和5年度:1件
令和6年度:2件
令和7年度:11件

市から回答を受けた数字を単純合計すると、平成27年度から令和7年度までの登録件数は75件となる。

特に多かったのは平成28年度の22件。平成29年度と令和7年度も、それぞれ11件となっている。

ただし、市側からは平成27年度以降の数字について詳細が分からない部分もあるとの説明があったため、75件については「市から回答を受けた各年度の数字を週刊TAKAPIが単純合計したもの」として扱う必要がある。


新城市の空き家バンク、成約は何件あった?

成約件数についても年度別の数字を確認した。

平成27年度:2件
平成28年度:6件
平成29年度:3件
平成30年度:2件
令和元年度:1件
令和2年度:0件
令和3年度:1件
令和4年度:2件
令和5年度:0件
令和6年度:3件
令和7年度:6件

平成27年度から令和7年度までの成約件数を単純合計すると26件となる。

こちらを単純合計すると、26件となる。

直近の令和7年度は6件で、市によると土地売買も含まれている。

一方、令和2年度と令和5年度は0件だった。

年度によって登録・成約件数には大きな幅があることが分かる。


「登録75件・成約26件」でも成約率34.7%とは言えない

単純に75件と26件だけを見ると、「約34.7%が成約したのではないか」と考えたくなる。

しかし、新城市は空き家バンクの成約率を算出していない。

また、年度別の登録件数と成約件数は、同じ年度に登録された物件がその年度中に成約したことを意味するものではない。

過年度から掲載されていた物件が後の年度に成約する可能性もある。

さらに、市側の説明によれば、一般的な仲介契約を結んでいる物件の場合、空き家バンクだけではなく民間の不動産情報サイトなどに掲載される可能性もある。

空き家バンクに掲載されていた物件が、別のサイトをきっかけとして成約するケースも考えられるため、「空き家バンク経由の成約」を単純に切り分けられない事情がある。

そのため、26÷75=約34.7%を新城市空き家バンクの「成約率」とすることはできない。


1年以上売れない空き家は何件?市では詳細把握できず

週刊TAKAPIでは、現在掲載されている物件について、

「1年以上成約していない物件は何件あるのか」

さらに可能であれば、

「2年以上、3年以上残っている物件は何件あるのか」

についても市に質問した。

しかし、市によると、現在の空き家バンクは宅建協会側に運営を依頼していることから、個々の物件がいつ登録され、どれだけの期間掲載され続けているのかを市側で遡って把握することは難しいという。

長期間成約していない物件について、その理由を市独自に分析しているわけでもないとしている。


新城市の空き家バンクは平成29年度まで市直営だった

現在の制度を理解するうえで重要なのが、運営方式の変更だ。

新城市によると、平成29年度までは市が空き家バンクを直営していた。

その後、平成30年度から宅建協会側に運営を依頼する形に移行したという。

実際、登録件数を見ると、

平成28年度:22件
平成29年度:11件
平成30年度:3件
令和元年度:0件

と変化している。

ただし、これをもって「運営方式を変更したから登録件数が減った」と結論付けることはできない。

市側も、件数の変化について明確な因果関係を示してはいない。

平成27~29年度については市直営だったため、市による制度の周知などが一定の影響を与えた可能性について担当者は言及したが、あくまで可能性の範囲だ。


令和3年ごろから納税通知書に「空き家」の啓発チラシ

一方、市が行っている空き家対策の周知として確認できたのが、納税通知書への啓発チラシの同封だ。

市側によると、令和3年ごろから、納税通知書に空き家に関する啓発チラシを入れているという。

空き家の所有者に情報を届ける手段の一つとして活用しており、市側はこうした周知が登録件数などに多少影響した可能性はあるとの見方を示した。

ただし、チラシによって何件の相談や登録につながったのかといった具体的な効果が確認されているわけではない。


令和7年度は登録11件・成約6件 増加の理由は?

年度別データで目を引くのが令和7年度だ。

令和5年度は登録1件・成約0件、令和6年度は登録2件・成約3件だったのに対し、令和7年度は登録11件・成約6件となった。

週刊TAKAPIは市に対し、令和7年度に登録や成約を増やすための新たな施策を実施したのか確認した。

市側は、令和7年度に特段の新しい施策を打ったという認識はないとの趣旨で回答した。

つまり、数字が増えたことは確認できる一方、現時点の取材では「なぜ増えたのか」までを特定できる材料は得られていない。


市への空き家相談から何割が登録される?

では、新城市に空き家について相談した人のうち、どれだけが実際に空き家バンクへ登録しているのだろうか。

これについても市は、割合を把握することは難しいとしている。

新城市では、市に相談した所有者へ空き家バンクなどの制度を案内するケースがある一方、所有者が市を経由せず、直接不動産事業者に相談し、その後登録される場合もある。

そのため、

「相談10件のうち○件が空き家バンクに登録された」

といった形で相談件数と登録件数を結び付けることはできないという。


空き家バンクとは別に「移住定住不動産情報」も

新城市には空き家バンクだけでなく、移住定住不動産情報という別の仕組みもある。

市に「相続した住宅を売却したい」といった相談が寄せられた場合、空き家バンクに加えて、こうした制度についても案内する。

移住定住不動産情報については、協力する事業者と所有者らが調整し、事業者側からの申し出などを経て市のホームページに掲載する仕組みとなっているという。

つまり、新城市の空き家流通を「空き家バンクの数字だけ」で捉えることは難しい。


不動産だけではない「空き家問題」 司法書士や片付け事業者とも連携

空き家を動かすうえで問題になるのは、売却価格や買い手探しだけではない。

市側は取材に対し、空き家には仏壇、家財の片付け、農地・田んぼ、相続など、それぞれ異なる課題があると説明した。

新城市では「移住定住協力支援事業者」の仕組みを設け、民間事業者などが登録。

不動産関係だけでなく、司法書士や片付けに関係する事業者などにも参加してもらい、所有者らが抱える課題に応じて専門家へ相談できる体制を整えているという。


新城市では空き家改修への補助制度も

市では空き家の活用を支援するため、改修に関する補助制度も設けている。

市側は取材に対し、リフォームなどに利用できる支援メニューがあると説明した。

空き家は「物件を登録すれば解決する」とは限らない。

相続や家財処分、農地、建物の状態など複数の課題が絡む中、新城市では空き家バンクだけではなく、民間事業者との連携や改修支援などを組み合わせて対応している形だ。


新城市の空き家バンクは「数字だけ」では実態を測れない

今回の取材では、2026年8月31日時点で計26件が掲載・登録されていることに加え、平成27年度から令和7年度までの登録・成約件数も確認できた。

一方で、市は成約率を算出しておらず、長期間売れていない物件数や、相談から登録に至る割合についても詳細な把握は難しいとしている。

空き家バンク以外にも移住定住不動産情報や一般の不動産流通が存在する以上、「空き家バンクの登録数・成約数=新城市の空き家流通全体」ではない点にも注意が必要だ。

令和7年度には登録11件・成約6件と数字が増えたものの、市は特別な新施策を実施した認識はないとしており、この変化が一時的なものなのか、今後も続くのかも注目される。


Q新城市の空き家バンクには現在何件登録されている?
A新城市への取材では、2026年8月31日時点で建物売買9件、建物賃貸3件、土地売買8件の計20件。このほか旧市直営時代から掲載されている6件があり、合わせて26件と説明されています。
Q新城市は空き家バンクの成約率を公表している?
A市への取材では、成約率そのものは算出していないとの回答でした。年度別の登録件数と成約件数は確認できますが、登録年度と成約年度が一致するとは限らないため、単純な割り算を公式な成約率として扱うことはできません。
Q新城市の空き家バンクは市役所が運営している?
A平成29年度までは市直営でしたが、平成30年度以降は宅建協会側に運営を依頼しています。
Q新城市は空き家の改修を支援している?
A市では空き家の改修に関する補助制度を設けています。利用する場合は、対象となる物件や工事、申請時期など最新の条件を市に確認する必要があります。

特記事項

※本記事の登録・成約件数は、新城市への電話取材で市から回答を受けた数値をもとにしています。「75件」「26件」の累計値は回答された年度別件数を週刊TAKAPI編集部が単純合計したもので、市が公式に示した「成約率」を意味するものではありません。

週刊TAKAPI編集部:黒木

週刊TAKAPI 編集部 月間30万PV超|総SNSフォロワー50万人規模
📩 タレコミ・情報提供
事件・事故|学校・行政|熱愛スクープ|地域の噂・身近な情報
写真・動画・内部資料などの提供も受け付けています
相談ベースでもOK。 1人で悩まず、まずはお寄せください。
LINEでタレコミ・相談する 匿名OK・秘密厳守 ▶ クリックして送る
些細な情報や「ちょっと気になる」ことも歓迎します。
独立メディアだからこそできる、忖度しない報道を。
📰 週刊TAKAPIのニュースを見逃さない
LINEで最新ニュースを受け取る ▶ クリックして登録

コメント

1件
  • 【独自•愛知•豊川】空き家バンクは現在9件 今年度「新規登録0件」でも4件成約、2018年から残る物件も – 週刊TAKAPI

    […] 【独自•新城】新城市の空き家バンク、登録26件 令和7年度は11件登録・6件成約、市に実態を聞いた […]

この記事のコメント投稿は締め切られています。