当直勤務中、警察署内の執務室や会議室、署の近くに止めた車内で、男女の警察官が複数回にわたって性的な行為をしていた。
兵庫県警が9月11日に発表した懲戒処分は、単なる職場不倫では済まされない内容だった。処分されたのは西播方面の同じ警察署に勤務する男性巡査長(29)と女性巡査(20代)。男性は既婚者で、2人は不倫関係にあった。2025年11月から2026年7月まで、当直勤務中の仮眠時間などに署内や自家用車内で複数回性的な行為をしたとして、いずれも減給10分の1、3カ月の懲戒処分を受けた。
兵庫県警では2025年、警察官・警察職員50人が懲戒処分を受け、都道府県警別で全国最多となった。県警自身が「規律の緩み」「危機的な状況」と認める中で、2026年に入っても職員を巡る問題の公表が続いている。
いま、兵庫県警で何が起きているのか。
当直中に執務室や会議室 「署内不倫」が突きつけた勤務規律
2人は2025年11月から2026年7月にかけ、当直勤務の仮眠時間などに、警察署近くに止めた男性巡査長の自家用車や署内の執務室、会議室で複数回性的な行為に及んでいた。
さらに勤務時間中にも私的なメッセージを大量にやり取りしていた。男性巡査長は既婚者で、不倫関係を妻に知られたことを受けて自ら上司へ報告し、県警監察官室の調査につながった。
今回の問題を「不倫」とだけ捉えると本質を見誤る。
問題になったのは、警察官が勤務時間中に持ち場を離れ、職場である警察署内を私的な性的行為に使用していたという職務懈怠と勤務規律だ。
兵庫県警監察官室は「警察職員としてあるまじき行為」とし、職務倫理教育を徹底して再発防止を図るとしている。
「署内で性行為」は今回だけではなかった
さらに重いのは、兵庫県警で類似事案が過去にも起きていることだ。
神戸新聞によると、2017年には男性警部が当直勤務中に職場を離れ、部下と警察署内の武道場更衣室で性行為をしたとして減給処分を受けた。
2024年にも交番の休憩室で性行為をした男女警察官2人が減給処分となった。2020年、2021年にも同様の不祥事があり、いずれも不倫関係だったという。
個々の事案の背景はそれぞれ異なる。それでも、過去に類似事案を処分してきたにもかかわらず、再び勤務中の同種事案が発生したという事実は、職務倫理教育や再発防止策の実効性を検証する必要性を示している。
2025年は過去最多50人 県警自身が「危機的」と認識
兵庫県警では2025年、50人が懲戒処分を受けた。
それまで県警で最多だった2004年の37人を大きく上回った。大麻所持や盗撮を巡る事件のほか、オンラインカジノで9人、勤務中の飲酒やパチンコで7人が懲戒処分となるなど、問題の種類も一様ではなかった。
2026年1月の兵庫県議会では、県警警務部長が「規律の緩みを痛感している」と説明し、状況を「危機的」と表現した。
4月の署長会議でも、当時の本部長が前年の50人に触れ、綱紀粛正と組織管理の徹底を指示している。
つまり、県警は問題を認識していなかったわけではない。
組織自身が危機感を示し、再発防止を進めている最中にも、過去から続いていた問題が次々と表面化している。
