三重県津市白塚町で、同居していた男性名義の生命保険の加入申込書を偽造したなどとして、男女3人が有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕された事件で、死亡した山下豊さん=当時58歳=に日常的な暴行が加えられていた疑いがあることが分かった。
山下さんは7月15日に自宅アパートで死亡しているのが見つかり、死因は敗血症だった。遺体には第三者によるものとみられる外傷が確認されている。
警察は、3人が山下さんの生活保護費を使い込んでいた可能性や、暴行によって負傷させた後に入院給付金などを得ようとしていた可能性も含め、詳しい経緯を調べている。
3人は10月7日に送検された。
62歳、60歳、54歳の男女3人を逮捕
有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕されたのは、いずれも津市白塚町に住む無職の山下博史容疑者(62)、野尻孝俊容疑者(60)、阿部桂子容疑者(54)。
警察によると、3人は2026年7月、同じアパートで暮らしていた山下豊さんの意思によらず、山下さん名義の生命保険の加入申込書を作成し、保険会社に提出した疑いが持たれている。
3人の認否について、警察は明らかにしていない。
7月8日ごろ申込書を偽造か 15日に死亡
捜査関係情報によると、生命保険の加入申込書が偽造されたとみられるのは7月8日ごろ。
その後、7月15日深夜に阿部容疑者から119番通報があり、山下さんがアパート内で死亡しているのが確認された。
加入申込書は翌16日に保険会社側で受理されたとされる。
ただし、加入申込書が受理されたことと、生命保険契約が正式に成立して保障が開始したことは同じではない。
現時点で、死亡保険金が実際に支払われたとの情報も確認されていない。
入院1日5000円、死亡時最大1000万円の内容か
捜査関係情報では、山下さん名義で申し込まれた生命保険は、入院した場合に1日5000円、死亡時には最大1000万円が支払われる内容だったとされる。
警察は、山下さんへの暴行とされる行為や保険加入の経緯、入院給付金などを得ようとした可能性についても調べている。
一方、現時点で3人が死亡保険金1000万円を受け取った事実は確認されていない。
現在の逮捕容疑も、殺人や詐欺ではなく、有印私文書偽造・同行使だ。
死因は敗血症 遺体には外傷
山下さんの死因は敗血症だった。
遺体には第三者によるものとみられる外傷が確認されており、警察は日常的な暴行があった可能性について捜査している。
ただし、暴行と敗血症による死亡との医学的・法的な因果関係は現時点で明らかになっていない。
山下さんの死亡について、逮捕された3人の刑事責任が確定した事実もない。
近隣住民「助けて」との声を聞いたとの証言
アパート周辺では、以前から部屋から激しい物音や怒鳴り声が聞こえていたとの証言が出ている。
近隣住民からは、物を投げたり何かをたたいたりするような音に加え、男性の「助けて」という声を聞いたことがあるとの証言も報じられている。
別の住民からも、「痛い」と訴えるような男性の声を聞いたとの話が出ている。
こうした証言は、それ自体で犯罪事実を確定するものではない。警察が日常的な暴行の有無や共同生活の実態を確認する際の周辺事情となる。
1月には山下さん自身が警察に暴力被害を相談
この事件では、山下さんが死亡する約半年前から警察に相談していたことも分かっている。
2026年1月、山下さんは同居人から暴力を受けているとして警察に相談し、転居を希望する趣旨の話をしていたとされる。
警察は当時、阿部容疑者に警告していたという。
今後は、当時の相談内容や警察の対応、その後も共同生活が続いた経緯についても確認が必要となる。
4人は家族ではなく共同生活
死亡した山下さんと逮捕された3人は、同じアパートで生活していたものの、家族関係ではなかった。
山下さんと山下博史容疑者、野尻容疑者は過去に同じ会社で働いていた関係だったとされる。
阿部容疑者についても、他の同居人との交際関係があったとされている。
家族ではない4人がどのような経緯で共同生活を始め、生活費や金銭を誰が管理していたのかも、事件の背景を理解するうえで重要になる。
生活保護費の使い込み疑いも捜査
10月7日には、山下さんに支給されていた生活保護費を巡る新たな疑いも浮上した。
警察は、逮捕された3人が山下さんの生活保護費を使い込んでいた可能性についても調べている。
ただし、具体的な金額や、誰がどのように管理・使用していたのかは明らかになっていない。
生命保険の加入申込書だけでなく、生前の金銭管理全体について捜査が広がっている。
「暴行」「金銭」「死亡」の関係が焦点
これまでに明らかになっている経緯を整理すると、
2026年1月
山下さんが同居人からの暴力について警察に相談。
7月8日ごろ
山下さん名義の生命保険加入申込書を偽造した疑い。
7月15日
山下さんがアパートで死亡しているのが見つかる。死因は敗血症。
7月16日
生命保険の加入申込書が保険会社に受理されたとされる。
10月6日
男女3人を有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕。
10月7日
3人を送検。日常的な暴行や生活保護費を巡る疑いも捜査対象となっている。
今後の焦点は、暴行と山下さんの死亡との関係、生命保険加入の目的や経緯、生活保護費を含む金銭管理の実態となる。
編集部まとめ
三重県津市白塚町で、同居していた58歳男性名義の生命保険加入申込書を偽造したなどとして、62歳、60歳、54歳の男女3人が逮捕・送検された。
死亡した山下豊さんは7月15日に自宅で死亡しているのが見つかり、死因は敗血症だった。遺体には第三者によるものとみられる外傷も確認されている。
さらに警察は、山下さんに対する日常的な暴行の疑いや、生活保護費を巡る金銭管理についても捜査している。
山下さん自身は2026年1月、同居人からの暴力について警察へ相談していた。
現時点で3人が逮捕・送検されているのは有印私文書偽造・同行使の疑いであり、山下さんの死亡に対する刑事責任や、暴行と死因との因果関係は確定していない。
週刊TAKAPI 編集部/一条
特記事項
本記事は2026年10月7日時点で確認できた警察関係情報と公開情報をもとに構成しています。
逮捕された3人の認否は明らかにされていません。
また、3人は現時点で有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕・送検された段階です。山下豊さんの死亡についての刑事責任や、生活保護費を巡る疑いについて法的責任が確定したものではありません。

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