宮内庁は2026年10月15日、酒に酔った状態で他人のペダル付き電動バイク「モペット」を持ち出し、運転したとして、管理部に所属する30代の係員級職員を停職3カ月の懲戒処分とした。
職員は7月23日未明、東京都江東区で他人のモペットを盗んで運転した疑いが持たれており、窃盗と道路交通法違反(酒酔い運転)の疑いで、10月中に東京地検へ書類送検された。
職員は前夜、千代田区内の飲食店3軒で飲酒。江東区の路上で寝ていたところを警察官に起こされ、いったんその場を離れたが、約10分後にモペットに乗って戻ってきたという。
呼気検査では1リットル当たり0.6ミリグラムのアルコールが検出された。宮内庁は処分について天皇皇后両陛下にも報告した。
飲食店3軒で酒を飲み、路上で寝る 約10分後にモペットで戻る
宮内庁によると、職員は7月22日の勤務終了後、知人らと東京都千代田区内の飲食店を訪れ、3次会まで飲酒した。
翌23日午前2時ごろ、江東区内の路上で寝ていたところを警察官に起こされ、その場を離れた。
ところが約10分後、職員はペダル付き電動バイクに乗って同じ場所へ戻ってきた。警察官が再び呼び止めて呼気検査を実施したところ、呼気1リットル当たり0.6ミリグラムのアルコールが検出された。
その後の捜査で、職員が運転していたモペットは近くの店舗前に止められていた他人の所有物だったことが判明。警察は窃盗の疑いでも捜査を進めた。
なお、午前2時ごろという時刻は警察官が職員を起こしたころのものであり、モペットが持ち出された正確な時刻ではない。
職員「2次会が終わったあたりから記憶がない」
宮内庁は職員本人からの報告を受け、事案を把握したという。
職員は宮内庁の聞き取りに対し、2次会が終わったあたりから記憶がないと説明。自身の行為を深く反省し、二度と繰り返さない趣旨の話をしたとされる。
職員は窃盗と酒酔い運転の疑いで東京地検に書類送検されたが、起訴・不起訴の判断については確認されていない。
今回の停職3カ月は宮内庁による懲戒処分であり、刑事手続きとは別のものとなる。
呼気0.6ミリグラム 事件2日前に施行された新基準を上回る
今回検出された呼気1リットル当たり0.6ミリグラムという数値は、酒酔い運転の新たな数値基準を上回っている。
2026年7月21日に施行された改正道路交通法では、酒酔い運転の要件に、呼気1リットル当たり0.5ミリグラム以上という数値基準が加わった。
従来の「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」という要件も維持されており、数値基準といずれかを満たす場合が酒酔い運転の対象となる。
事件が発生したのは、この改正法施行から2日後の7月23日だった。
なお、報道されている0.6ミリグラムという検査結果と書類送検の容疑は確認できるが、刑事責任が裁判で確定したわけではない。
モペットは「自転車」ではない 免許が必要な車両
今回の事件に登場するモペットは、ペダルとモーターを備えた車両で、一般的な電動アシスト自転車とは法律上の扱いが異なる。
警視庁によると、ペダル付き電動バイクは原動機付自転車や自動二輪車などに分類され、運転するには車両区分に応じた免許が必要となる。
モーターを使わず、ペダルだけで走行する場合も、道路交通法上はバイクの運転として扱われる。
このため、ペダルが付いていることを理由に、飲酒運転の規制対象から外れるものではない。
停職3カ月の処分を両陛下にも報告
宮内庁は10月15日付で職員を停職3カ月の懲戒処分とした。
宮内庁長官官房秘書課は今回の事案を遺憾とする考えを示し、職員への指導を徹底して再発防止に努めるとしている。
また、今回の処分については、天皇皇后両陛下にも報告したという。
編集部まとめ
宮内庁の30代職員が、飲酒後に他人のモペットを盗んで運転した疑いで書類送検され、停職3カ月の懲戒処分を受けた。
路上で寝ていたところを警察官に起こされ、その約10分後に他人のモペットに乗って戻ってきたという経緯に加え、呼気から0.6ミリグラムのアルコールが検出されたことも確認されている。
職員は宮内庁の聞き取りに対し、2次会の終了後から記憶がないと説明したという。
宮内庁は職員の指導徹底と再発防止を表明し、天皇皇后両陛下にも処分を報告した。書類送検後の刑事手続きについては、今後の判断を待つことになる。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
特記事項
本記事は、2026年10月15日に報じられた宮内庁職員の懲戒処分、窃盗・酒酔い運転容疑での書類送検に関する情報と、警察庁・警視庁の公表資料に基づき作成した。
事件当日の経過については、7月23日午前2時ごろに職員が路上で警察官から声を掛けられ、その約10分後にモペットで戻ってきたとする報道に基づいている。モペットを持ち出した正確な時刻は特定していない。
また、2026年7月21日に施行された改正道路交通法の酒酔い運転に関する数値基準を確認し、呼気検査の結果と区別して記載した。
宮内庁の正式な懲戒処分通知の原本は取得できていない。書類送検は逮捕や有罪確定を意味するものではなく、今回の刑事手続きについても確認できた範囲で記載している。
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