東京都奥多摩町日原の山中で、下半身のみの遺体が見つかりました。
警視庁青梅署は、遺体の身元確認を進めるとともに、登山中の滑落やクマなどの野生動物による被害の可能性も含め、詳しい経緯を調べています。
現場は、奥多摩町と埼玉県秩父市の境に近い山中です。仙元峠や長沢背稜付近とみられるエリアで、登山道から離れた場所でした。
経緯はこうです。
5月14日、休暇中に登山をしていた警視庁青梅署員が、登山道から約100メートル下に遺体のようなものがあるのを見つけました。
その後、5月19日午後1時ごろ、警視庁と地元猟友会などが周辺を捜索し、下半身のみの遺体を確認しました。
遺体には動物による食害とみられる痕があり、周辺では大型動物の足跡やフンも確認されました。近くにはリュックサックや登山用具、人の骨とみられるものも見つかっています。
警視庁は、遺体の身元確認を急ぐとともに、死亡までの経緯を調べています。
奥多摩では、直前にもクマによる人身被害が起きていました。
5月17日正午ごろ、奥多摩町の六ツ石山付近で、登山中の30代のロシア国籍の男性がクマに襲われました。男性は六ツ石山から下山中にクマと遭遇したとみられ、顔や腕などにけがをしてヘリで搬送されました。重傷でしたが、命に別条はないとされています。
奥多摩町によりますと、男性を襲ったクマは1頭の成獣とみられ、警察と猟友会が周辺の警戒にあたりました。
今回、遺体が見つかった現場でも大型動物の痕跡が確認されています。警視庁は、クマに襲われた可能性だけでなく、登山中の滑落後に動物が遺体を荒らした可能性も含め、慎重に調べています。
東京都内では、クマの出没が山岳地帯だけの問題ではなくなりつつあります。
八王子市では、4月29日に元八王子町で体長1メートルを超えるツキノワグマとみられる動物が撮影されました。現場は住宅地や小学校に近い場所です。
さらに5月17日には、上恩方町周辺で親子とみられるクマ2頭の目撃情報もあり、山沿いの地域で警戒が続いています。
八王子市は5月19日、山間部の小中学校に通う児童・生徒にクマよけ鈴を配布する方針を示しました。学校、幼稚園、地域団体などには、ホルスター付きのクマ撃退スプレーを配布するとしています。
登下校、部活動、習い事の帰り、校外学習。子どもが山沿いを歩く場面で、クマ対策が日常の安全管理に入り始めています。
一方、青森県では、クマの出没情報を共有するサイト「くまログあおもり」をめぐり、別の問題が起きています。
青森市中心部では5月15日、クマが商業施設に入り込んだ可能性があるとして、警察や猟友会が対応にあたりました。市街地でのクマ出没が相次ぐ中、青森県が運用する情報共有サイトに、虚偽とみられる投稿が相次いでいます。
投稿内容には、「クラスに2匹いた」「ヒグマが線路で乱闘していた」「300頭目撃した」など、現実とは考えにくいものが含まれていました。
青森市の西秀記市長は、虚偽投稿について「不安をあおる大変危険な行為」として、適切な利用を呼びかけています。専門家からは、悪質な虚偽投稿は偽計業務妨害罪に問われる可能性があるとの指摘も出ています。
クマの出没情報は、住民の外出判断、学校の登下校対応、警察や猟友会の出動、自治体の注意喚起に直結します。
虚偽投稿が増えれば、本当に危険な場所の確認が遅れます。担当者が架空の情報確認に追われれば、実際の現場対応にも影響が出ます。
奥多摩では遺体が見つかり、直前には登山者が重傷を負いました。八王子では児童にクマよけ鈴を配る対策が始まります。青森では、クマ情報を共有するサイトが虚偽投稿に揺れています。
いま問われているのは、山に入る人の装備だけではありません。
登山道の閉鎖判断、通学路の安全確認、自治体サイトの投稿管理、警察や猟友会への通報の正確さです。
クマ被害は、登山者だけでなく、学校、自治体、住民、ネット利用者の行動まで巻き込む段階に入っています。
警視庁は、奥多摩町で見つかった遺体の身元と死因の特定を進めています。
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編集部まとめ
東京・奥多摩町日原の山中で5月19日、下半身のみの遺体が見つかりました。
遺体には動物による食害とみられる痕があり、周辺では大型動物の足跡やフン、リュックサック、人の骨とみられるものも確認されました。
5月14日に休暇中の青梅署員が登山中に遺体のようなものを見つけ、19日に警視庁と猟友会などが捜索して遺体を確認しました。
奥多摩では5月17日にも、ロシア国籍の30代男性が下山中にクマに襲われ、顔や腕などに重傷を負っています。
八王子市では、クマ出没を受けて山間部の小中学生にクマよけ鈴を配布し、学校や幼稚園などにクマ撃退スプレーを配る方針です。
青森県では「くまログあおもり」への虚偽投稿が相次ぎ、偽計業務妨害罪に問われる可能性も指摘されています。

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