さいたま市、いじめ被害者の第三者窓口開設 市長部局に「救済相談室」

さいたま市が開設したいじめ救済相談室と第三者窓口の取り組みを伝える報道用アイキャッチ画像

さいたま市は7月2日、いじめ被害に悩む子どもや保護者を支援する新たな相談窓口「いじめ問題救済相談室」を開設した。学校や教育委員会とは別の相談ルートを設けることで、被害を訴える子どもや保護者の声を受け止め、必要に応じて専門家による助言や調整につなげる。

相談室は市長部局に設置され、相談業務はNPO法人さいたまチャイルドラインに委託する。相談員が電話やメールで相談を受け、内容に応じて「いじめ問題救済委員会」と連携する仕組みだ。

救済委員会は、埼玉弁護士会が推薦した弁護士2人と臨床心理士1人で構成される。学校現場だけでは対応が難しい事案について、法的視点や心理的支援の観点から、関係機関との調整や助言を行う。

開設初日の7月2日には、市内施設で関係者による初の定例ミーティングが行われた。相談対応の流れや情報共有の方法、関係機関との連携について確認し、この日は電話2件、メール1件の相談が寄せられたという。

さいたま市子ども・青少年政策課によると、市内の公立学校におけるいじめ認知件数は増加傾向にある。2021年度は約1,350件だったが、2025年度は速報値で約2,962件に上った。市は、いじめの定義の浸透や学校側の認知意識の高まりも背景にあるとみている。

いじめ問題では、学校や教育委員会に相談しても、被害者側と学校側の認識が一致しないケースがある。今回の相談室は、こうした場合に学校外の第三者的な窓口として相談を受けることを目的としている。

救済委員会の委員長を務める川原祐介弁護士は、学校現場が真摯に取り組んでいる一方で、被害者側との意思疎通が難しくなるケースがあると説明。そのうえで、「どのように動いていくかがなかなか決まらないケースもある」と指摘し、第三者が間に入ることの意義を示した。

相談は電話とメールで受け付ける。開所日は火曜日と木曜日が午後5時半から午後8時まで、土曜日が午後2時から午後8時まで。子ども本人だけでなく、保護者や周囲の大人からの相談にも対応する。

市は今後、週1回の委員会ミーティングを継続し、相談内容に応じて関係機関との連携を進める方針。学校や教育委員会とは別の窓口を設けた今回の取り組みは、いじめ被害者支援の新たな受け皿として注目される。

制度の価値は、相談を受けた件数ではなく、子どもの状況改善にどこまでつながるかで問われる。

編集部まとめ

さいたま市は7月2日、いじめ被害に悩む子どもや保護者を支援する「いじめ問題救済相談室」を開設した。市長部局に設置された窓口で、相談業務はNPO法人さいたまチャイルドラインが担う。弁護士2人と臨床心理士1人で構成する救済委員会とも連携し、学校や教育委員会だけでは対応が難しい事案について助言や調整を行う。市内のいじめ認知件数は2021年度の約1,350件から2025年度速報値で約2,962件に増加しており、新たな支援体制の実効性が今後の焦点となる。

特記事項:本記事は、さいたま市公式発表、関係資料、公開情報をもとに週刊TAKAPI編集部が整理・構成しました。相談体制、受付時間、運用内容は今後変更される可能性があります。

Qさいたま市の「いじめ問題救済相談室」とは何ですか?
Aいじめ被害に悩む子どもや保護者を支援するため、さいたま市が市長部局に設置した相談窓口です。
Q学校や教育委員会との違いは何ですか?
A学校や教育委員会とは別の相談ルートとして、市長部局に置かれている点が特徴です。必要に応じて専門家による助言や調整につなげます。
Q誰が相談を受けるのですか?
A相談業務はNPO法人さいたまチャイルドラインが担い、内容に応じて弁護士2人と臨床心理士1人で構成する救済委員会と連携します。
Q相談初日はどのような状況でしたか?
A開設初日の7月2日には、電話2件、メール1件の相談が寄せられたとされています。
Qさいたま市のいじめ認知件数は増えているのですか?
A市内公立学校のいじめ認知件数は、2021年度の約1,350件から2025年度速報値で約2,962件に増加しています。
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