高知県教育委員会は9月15日付で、職場関係者の女性に口止めを迫ろうとして逮捕され、その後、脅迫罪で罰金20万円の略式命令を受けた室戸市立佐喜浜中学校の白井紘太教諭(31)を戒告の懲戒処分とした。
白井教諭は同じ9月15日付で依願退職した。高知県教委による戒告という行政上の処分と、刑事手続き上の罰金刑は別の手続きとなる。
事件では、白井教諭が職場関係者の20代女性に対し、学校や校長について話した内容を他人に伝えないよう脅し、口止めを強要しようとした疑いで7月に逮捕されていた。
「誰かに言ったらどうなるか分かるやろ」女性に口止め迫る
事件があったのは2026年6月25日。
警察発表を基にした報道によると、白井教諭は徳島県海陽町の飲食店で、職場関係者の20代女性に対し、学校や校長に関する話をしたうえで、内容を外部に漏らさないよう求めた。
その際、「校長も学校も殺しにかかるつもりやき」「誰かに言ったらどうなるか分かるやろ」などと発言し、口止めを強要しようとした疑いが持たれた。
女性から話を聞いた関係者が翌26日に警察へ相談し、捜査が始まったとされる。
7月6日に強要未遂容疑で逮捕
白井教諭は7月6日、強要未遂の疑いで逮捕された。
逮捕当時、発言したこと自体は認めた一方、相手の命を奪う趣旨ではなかったとして、容疑を一部否認していたと報じられている。
ここで重要なのは、逮捕時の「強要未遂容疑」と、その後の刑事処分を分けて見ることだ。
逮捕は捜査段階の手続きであり、それ自体が犯罪の成立を確定させるものではない。
罰金20万円の略式命令
その後、白井教諭は高知簡易裁判所から罰金20万円の略式命令を受けた。
高知さんさんテレビは、脅迫罪で罰金20万円の略式命令を受けたと報じている。
報道では、略式命令は7月27日付とされている。
県教委は、この刑事処分などを踏まえ、9月15日付で白井教諭を戒告とした。
県教委の懲戒処分は「戒告」
県教委が白井教諭に科した懲戒処分は、免職や停職、減給ではなく戒告だった。
戒告は地方公務員法上の懲戒処分の一つで、職員の非違行為について責任を問い、将来を戒める処分となる。
一方、白井教諭は処分と同じ9月15日付で依願退職した。
このため、今回の経過は、
強要未遂容疑で逮捕 → 罰金20万円の略式命令 → 県教委が戒告 → 同日依願退職
と整理できる。
戒告と依願退職は別の判断
戒告の懲戒処分を受けたことと、本人が依願退職したことも区別する必要がある。
県教委は白井教諭を懲戒免職にしたのではなく、戒告とした。
そのうえで、白井教諭本人が同日付で依願退職している。
現時点で確認できる公開情報では、県教委が戒告という処分量定を判断した具体的な基準や、依願退職の申し出がいつ行われ、どのような確認を経て受理されたのかまでは明らかになっていない。
ここは今後の確認点となる。
■高知県 今城純子教育長 コメント要約
今城純子教育長は白井教諭の逮捕後、教員が逮捕される事態について、生徒や保護者をはじめ県民に大きな不安や心配を与えたとして謝罪した。
さらに、教職員による不祥事が毎年発生している状況について、深刻な事態であり強い危機感を持っているとの認識を示した。県教委は8月、公立小中学校の校長を対象に不祥事防止研修を行っている。
9月18日の会見でも今城教育長は、相次ぐ教員不祥事について改めて謝罪。各学校で全職員向け研修を実施するほか、10月から12月にかけて公立小中学校の採用1年目の教員を対象とした新たな不祥事防止研修を実施するとしている。
①のわいせつ事案で示された児童生徒性暴力防止策とは別に、今回の記事では、県教委全体として教職員の規範意識と不祥事防止をどう徹底するかが焦点となる。
学校や市教委は事件前に把握していたのか
今回の事件では、職場関係者の女性への発言に、校長や学校への言及が含まれていた。
しかし、公開情報だけでは、白井教諭と女性との間にどのような職場上の問題があったのか、学校側や室戸市教育委員会が事件前にトラブルを把握していたのかまでは確認できていない。
また、白井教諭が口止めしようとした内容が、学校運営や職務上の問題と具体的にどのような関係にあったのかも明らかになっていない。
事件の背景を検証するには、この部分の確認が必要になる。
6月の事案から退職までの経過
6月25日
徳島県海陽町の飲食店で、職場関係者の20代女性に口止めを迫ったとされる。
6月26日
女性から話を聞いた関係者が警察に相談したとされる。
7月6日
白井教諭を強要未遂容疑で逮捕。発言自体は認めながら、命を奪う趣旨ではなかったとして一部否認。
7月23日
今城純子教育長が会見で謝罪し、教職員不祥事が相次ぐ状況に危機感を示す。
7月27日
高知簡裁が罰金20万円の略式命令を出したと報じられる。
9月15日
高知県教委が戒告の懲戒処分。白井教諭は同日付で依願退職。
9月18日
今城教育長が相次ぐ教員不祥事について改めて謝罪し、新たな研修など再発防止策を説明。
編集部まとめ
白井紘太教諭は、強要未遂容疑で逮捕された後、罰金20万円の略式命令を受けた。一方、高知県教委の懲戒処分は戒告で、本人は処分と同じ9月15日付で依願退職した。
今後確認すべき点は3つある。
①県教委が戒告と判断した具体的な処分基準と量定理由
②事件前に学校や室戸市教委が職場上のトラブルを把握していたか
③本人の依願退職について、申し出の時期や受理までにどのような確認を行ったか
刑事処分と懲戒処分は制度上別のものだが、今回の事案では、罰金刑を受けた後に県教委が戒告とした判断過程も検証点となる。
週刊TAKAPI編集部/成田
特記事項
本記事は2026年7月から9月に公表された高知県内の報道、高知県教育委員会の公開情報などを基に構成しています。
白井紘太教諭は7月6日に強要未遂容疑で逮捕されました。その後、高知さんさんテレビなどは、脅迫罪で罰金20万円の略式命令を受けたと報じています。逮捕時の容疑と、その後の刑事処分を区別して記載しています。
高知県教委による戒告は行政上の懲戒処分です。本人は9月15日付で依願退職しています。
同じ9月15日付で処分された香南市立夜須中学校の橋場公亮教諭のわいせつ事案とは別の事件です。

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