宅建業者13万3,727社、12年連続増加 その一方で「業務停止」は2.25倍に

「宅地建物取引業者13万3,727社、業務停止処分36件を伝える週刊TAKAPI記事」/キャプション「宅建業者は12年連続増加。一方で業務停止処分、行政指導も増加した」/

全国の宅地建物取引業者が13万3,727業者となり、12年連続で増加したことが分かりました。

国土交通省が2026年10月2日に公表した「令和7年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果」によると、2026年3月末時点の宅建業者数は前年度から1,436業者、1.1%増加しました。

一方で注目されるのが、業者数だけでなく監督処分や行政指導も増えていることです。

宅地建物取引業法に基づく業務停止処分は36件。前年度の16件から20件増え、125%増、件数では2.25倍となりました。

不動産業者が増え続けるなか、消費者が「どの会社に任せるのか」を見極める重要性も改めて浮かび上がっています。


宅建業者は13万3,727業者 12年連続で増加

国土交通省の調査によると、令和7年度末(2026年3月末)時点の宅地建物取引業者は全国で13万3,727業者でした。

内訳は、

  • 国土交通大臣免許:3,238業者
  • 都道府県知事免許:13万489業者

となっています。

前年度は13万2,291業者だったため、1年間で1,436業者、1.1%増加しました。

大臣免許は80業者(2.5%)増、知事免許は1,356業者(1.1%)増となっており、宅建業者全体としては12年連続の増加です。

不動産会社の減少ではなく、参入・営業する事業者が長期的に増えている状況が続いていることになります。


業者が増える一方、監督処分は163件に増加

今回の調査で注目したいのは、業者数の増加と同時に、宅地建物取引業法に基づく監督処分件数も増加したことです。

令和7年度の監督処分は、

免許取消:85件
前年度比14件減、14.1%減

業務停止:36件
前年度比20件増、125.0%増

指示:42件
前年度比10件増、31.3%増

となりました。

合計では163件。前年度から16件増え、10.9%増加しています。

特に目立つのが業務停止処分です。

前年度の16件から36件となったため、単純な件数比較では2.25倍になりました。


行政指導は592件→768件 約3割増える

監督処分だけではありません。

勧告などの行政指導は768件に上り、前年度の592件から176件増えました。

増加率は29.7%です。

つまり今回の国交省資料から見えてくるのは、

「不動産業者が増えている」

という一方向の動きだけではありません。

市場に参加する事業者が増える一方で、監督処分と行政指導についても前年度より増えているという二つの動きが同時に起きています。

ただし、今回公表された集計値だけを根拠に「不動産業界全体で違反が増えている」「業者の質が低下している」とまで断定することはできません。

業務停止や行政指導が増加した背景については、違反類型や立入調査件数などを含めた追加検証が必要です。


どんな違反で宅建業者は処分されるのか

国土交通省は、宅地建物取引業者に対する行政処分情報を「ネガティブ情報等検索サイト」で公開しています。

実際の処分事例を見ると、違反内容は一様ではありません。

例えば2026年3月に東京都から業務停止処分を受けた事業者では、インターネット広告で、売買対象が宅地だったにもかかわらず建物プランなどを掲載して「新築一戸建て」と表示したことや、実態と異なる周辺施設情報を表示したことなどが処分理由とされています。

別の事例では、土地売買契約の媒介で媒介契約書を交付しなかったことを理由に、業務停止処分を受けています。

このほか、専任の宅地建物取引士が不足した状態について必要な措置を講じなかったとして、指示処分を受けたケースも確認できます。

処分理由は広告、契約手続き、宅建士の配置など多岐にわたります。

そのため、今回の「業務停止36件」という数字についても、どの違反類型が増加を押し上げたのかを確認することが重要です。


ネットで物件を探す時代、「広告表示」の確認も重要に

現在は、不動産会社の店舗を訪れる前にポータルサイトや各社のウェブサイト、SNSなどで物件を探すことが一般的になっています。

一方、不動産広告には当然ながら正確性が求められます。

消費者庁も「不動産のおとり広告に関する表示」を定めており、実在しない物件、すでに取引できない物件、実際には取引する意思がない物件などを使って顧客を誘引する表示を規制しています。

物件情報を見る際には、価格や間取りだけではなく、掲載情報と実際の取引条件に違いがないかを確認することも重要になります。


宅地建物取引士は124万3,738人に

宅地建物取引士の登録者も増えています。

令和7年度に新たに都道府県知事へ登録した宅地建物取引士は3万4,714人。

これによって総登録者数は124万3,738人となりました。

宅建業者だけでなく、宅建士の登録者数についても大きな規模となっています。


編集部の考察|「業者が増えた=競争激化」だけでは見えない

今回の統計で興味深いのは、宅建業者の増加と監督処分・行政指導の増加が同時に起きていることです。

宅建業者数は12年連続で増えました。

事業者が増えれば、消費者にとって選択肢が広がる側面があります。一方、会社数だけを見ても、各事業者の契約実務や広告表示、法令順守の状況までは判断できません。

特に住宅購入や不動産投資は、一般の消費者にとって数千万円規模の契約になることがあります。

だからこそ「大手だから」「広告をよく見るから」「物件価格が安いから」といった要素だけではなく、行政処分歴や免許情報、契約内容などを確認する視点も必要でしょう。

国土交通省では宅建業者に対する免許取消、業務停止、指示などの行政処分情報を原則5年間公開しており、事業者名などから検索できます。

契約前にこうした公的情報を確認することも、消費者側でできる対策の一つです。


愛知県では何件処分された?今後の取材ポイント

今回の国交省発表は全国集計です。

週刊TAKAPIでは、さらに地域へ落とし込んで検証する余地があると考えます。

特に確認したいのは、愛知県内の宅建業者数がどの程度増減しているのか、県内で何件の監督処分・行政指導が行われたのかという点です。

また、

「愛知県内で立入検査は年間何件行われているのか」

「行政指導や処分で多い違反は何か」

「不動産広告・インターネット広告を巡る違反は増えているのか」

「消費者からの相談は増えているのか」

といった点まで確認できれば、全国統計だけでは分からない地域の不動産取引の実態が見えてくる可能性があります。

週刊TAKAPIでは今後、愛知県への取材も含めて確認を進めたいと考えています。


Q不動産会社が過去に行政処分を受けたか一般の人でも調べられますか?
Aはい。国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」では、宅地建物取引業者について、免許取消、業務停止、指示などの行政処分情報を検索できます。公開期間は原則5年間です。
Q業務停止処分を受けた会社とは契約してはいけないのでしょうか?
A行政処分歴だけで個々の会社との現在の取引の適否を一律に判断することはできません。処分年月日、違反内容、処分期間、その後の対応などを確認したうえで判断することが重要です。
Q不動産広告に疑問を感じた場合、何を残しておくべきですか?
Aウェブ広告の場合は、掲載ページのURL、掲載日時、価格、物件概要、広告画面のスクリーンショットなど、どのような表示がされていたのか確認できる資料を保存しておくと、後から相談する際の手掛かりになります。

特記事項

本記事は国土交通省などが公表した資料を基に、週刊TAKAPI編集部が独自に整理・考察したものです。「編集部の考察」部分には編集部の見解を含みます。最新の情報や個別事業者の処分状況については、国土交通省・各都道府県などの公式情報をご確認ください。

出典:国土交通省「令和7年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について」(2026年10月2日公表)

週刊TAKAPI 編集部/黒木

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