連日の高温と少雨の影響で、愛知県内に水を供給するダムで貯水率の低下が続いている。
愛知県新城市の宇連ダムは、2026年3月に貯水率0%まで低下した後、7月には90%を超える水準まで回復したが、再び急減。8月25日午後6時時点の貯水率は5.87%となった。
これを受け、豊川用水では8月21日午前9時から、農業用水、水道用水、工業用水についてそれぞれ5%の節水対策を実施している。愛知県と水資源機構も節水対策の実施を公表している。
一方、愛知用水最大の水源である長野県の牧尾ダムでも貯水率が低下。8月26日から節水対策が強化され、水道用水10%、農業用水と工業用水20%となった。現時点では、他の水源から補うことで一般家庭への実質的な影響は出ていないとされている。
宇連ダム、3月には貯水率0%
宇連ダムでは2026年春にも深刻な渇水が発生していた。
3月には貯水量が減少し、自然に水を放流できない状態を示す貯水率0%まで低下。その後の降雨によって回復し、7月には一時90%を超えたものの、夏場の少雨によって再び水位が低下した。
8月25日午後6時時点では5.87%。
さらに水資源機構が8月28日に公表した宇連ダム単体の状況では、貯水量129万5000立方メートル、貯水率4.5%まで低下している。
つまり、8月25日の5%台からも低下が続いている状況だ。
豊川用水は8月21日から5%節水
豊川用水節水対策協議会は8月19日に協議を行い、21日午前9時から第1回の節水対策を開始した。
節水率は、
- 農業用水:5%
- 水道用水:5%
- 工業用水:5%
となっている。
豊川用水は東三河地域などの生活や農業、産業を支える重要な水源で、愛知県東三河水道事務所も節水の実施を案内している。
なお、愛知県が公表している「豊川用水全体」の貯水率は、宇連ダムだけでなく、大島ダムや地区内調整池を合算した数字となる。
8月28日時点では、これらを合わせた豊川用水全体の利水貯水量は1483万9000立方メートル、貯水率は28.6%だった。
宇連ダム単体の「4.5%」とは対象が異なるため、数字を区別して見る必要がある。
牧尾ダムでも節水を強化
水不足は東三河だけではない。
愛知用水最大の水源となっている牧尾ダムでも、7月以降の少雨などにより貯水量が低下している。
愛知県によると、8月26日午前0時から第2回節水対策に入り、
農業用水20%、水道用水10%、工業用水20%
へ節水率が引き上げられた。
8月28日時点の牧尾ダムの貯水率は35.7%となっている。
一般家庭への影響は現時点でなし
牧尾ダムから供給される水道用水については、数字上は10%の節水となっているものの、愛知県の資料では水道用水の実質節水率は0%とされている。
阿木川ダムや味噌川ダムなど、別の水源から補うことで対応しているためだ。
そのため、現時点で一般家庭の水道利用に直接的な制限がかかっている状況ではない。
ただし、今後も降雨が少ない状態が続けば、水源状況や節水率が変更される可能性がある。
今年2度目となる東三河の水不足
東三河では今年春にも宇連ダムの深刻な貯水量低下が問題となった。
一度は大きく回復したものの、わずか数か月で再び5%を割り込む水準まで落ち込んでいる。
今年の動きを見ると、
3月:貯水率0% ↓ 7月:90%超まで回復 ↓ 8月25日:5.87% ↓ 8月28日:4.5%
という大きな変動が起きたことになる。
Q&A|宇連ダムと愛知の水不足
編集部まとめ
3月に貯水率0%まで低下した宇連ダムは、一度90%超まで回復したものの、8月末には再び5%を下回った。現時点で一般家庭への大きな影響は確認されていないが、豊川用水と愛知用水の双方で節水対策が続いており、今後の降雨と貯水率の推移が焦点となる。
週刊TAKAPI 編集部/黒木
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