【波紋】鹿児島・元高校生が県を提訴 個室の「欠点指導」で自殺未遂、4600万円賠償請求

鹿児島県内の元高校生が個室指導をめぐり県を提訴した問題を伝える報道アイキャッチ

週刊TAKAPI編集部/担当記者:成田

鹿児島県内の高校に通っていた元男子生徒が、当時受けた「欠点指導」によって自殺未遂に至り、重い後遺症が残ったとして、県に約4600万円の損害賠償を求め鹿児島地裁に提訴した。関係者への取材で18日、明らかになった。

訴状などによると、元生徒は高校1年だった2020年10月、中間テストの成績不振を理由に指導を受けた。当時、同校では平均点を下回った生徒に対し、複数の教員や保護者から印鑑を集める「印鑑集め」と呼ばれる指導が行われていたという。

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問題とされているのは、最後に行われた学年主任教諭による個別指導だ。元生徒側は、外から見えない個室でドアを閉め切られ、約10分間にわたり強い叱責を受けたと主張している。教諭は書類を机に叩きつけながら「馬鹿野郎」「何のために勉強しているんだ」などと大声を上げ、机を何度も叩いたとされる。

元生徒側は、恐怖で声が出せず、説明する機会も十分になかったと訴えている。指導後、元生徒は「学校に行ったら終わり」と追い詰められ、翌日学校を欠席。その後、自宅で自ら命を絶とうとした。命は取り留めたものの、重度の熱傷を負い、後遺障害が認定されたという。現在もPTSD、うつ病、不安障害、フラッシュバックなどに苦しんでいるとされる。

学校側の調査報告書では、指導が「不適切だった」と認められ、当該教諭に対する過去の保護者からの苦情も記載された。一方で、元生徒本人への直接聴取は行われず、「反抗的な態度があった」とする記述もあった。元生徒側は「ただ震えていただけで、反抗はしていない」と反論している。

県教育委員会は「係争中につきコメントを差し控える」としている。元生徒は現在、教師を目指しているという。「同じ苦しみを抱える生徒を追い詰めるのではなく、救える存在になりたい」。この訴訟は、密室での指導、成績不振者への圧力、学校側の事後調査のあり方を改めて問うものとなる。

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編集部まとめ

今回の訴訟で問われるのは、単なる「厳しい指導」ではない。外から見えない個室、閉じられたドア、大声での叱責、机を叩く行為。これらが未成年の生徒にどのような心理的圧迫を与えたのかが焦点となる。学校の指導は、生徒を追い詰めるためではなく、立て直すためにあるべきだ。

鹿児島・元高校生提訴Q&A

Q1. 何が問題になっていますか?
成績不振を理由に行われた個室での厳しい指導が原因で、元生徒が自殺未遂に至ったと主張している点です。

Q2. 元生徒はいくらの賠償を求めていますか?
県に対し、約4600万円の損害賠償を求めています。

Q3. 「印鑑集め」とは何ですか?
成績が平均点を下回った生徒が、複数の教員や保護者から印鑑をもらう指導だったとされています。

Q4. 学校側の調査では何が認められましたか?
指導が「不適切だった」と認められた一方、元生徒本人への直接聴取は行われていません。

Q5. 今後の焦点は何ですか?
個室での指導が元生徒に与えた心理的影響、後遺症との因果関係、学校と県教育委員会の事後対応が焦点になります。

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