愛知県弥富市の市立小学校で2025年、プール授業後の行動を巡り、担任から「社会に出たら、わいせつ罪」と注意された高学年の男子児童が、その後転校していたことが分かった。事案はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」として調査され、第三者委員会は担任の指導について、児童の発達段階を踏まえておらず適切ではなかったと指摘した。
担任の発言に第三者委が問題を指摘
報道によると、男子児童は授業後に教室の床に寝そべり、同級生から「汚い」などと言われた。担任は犯罪を例に挙げて注意し、床を拭くよう指示したという。後日、児童は担任との面談中にじんましんが出たとされ、別の学校に転校した。ただし、体調の変化と担任の発言との医学的因果関係は確認されていない。第三者委員会が指導を不適切と評価したことと、担任の言動そのものが「いじめ」と認定されたことも区別する必要がある。
市の基本方針には教員の言動への注意を明記
週刊TAKAPIが弥富市教育委員会の2025年1月改訂「いじめ防止基本方針」を照合すると、教職員の不適切な言動が児童を傷つけ、いじめを助長しないよう注意する規定があった。児童の行動を注意する必要性と、犯罪名を用いた指導が発達段階に適していたかは別の問題だ。
さらに同方針は、教職員がいじめを発見・相談された場合、情報を即日、校内の対策組織に報告すると明記。重大事態の調査に係る面談や聞き取りなどの記録についても、少なくとも5年間の保存を定める。重大事態は被害が確定する前の「疑い」の段階から対応し、市教育委員会は市長へ報告する仕組みだ。
重大事態の認知日、教員への措置は確認できず
今回の事案で、学校がいじめを認知した日、重大事態と判断した日、市教育委員会から市長への報告日はいずれも確認できていない。第三者委員会報告書の全文や、担任への処分・指導上の措置も公表資料から特定できなかった。調査記録や報告経過が、実際に市の方針どおり管理されたのかが検証点となる。
市が自ら示した基準を学校現場でどう運用し、転校した児童への支援と再発防止につなげたのか。市教育委員会には、児童の個人情報に配慮しつつ、初動対応の時系列と調査後の措置を説明することが求められる。
編集部まとめ
今回の事案では、同級生の言動に加え、担任による指導の適切性が第三者委員会から問題視された。弥富市は事件発生前から、教職員の不適切な言動への注意、いじめ情報の即日共有、調査記録の保存を基本方針に定めていた。問われるのは、こうした規定が実際に機能したかどうかだ。児童はすでに転校しており、市教育委員会には重大事態の認知時期、調査の経過、担任への対応、転校後の支援を含む再発防止策について説明が求められる。
特記事項
2026年10月28日の公表報道、弥富市いじめ防止基本方針(2025年1月改訂)、愛知県教育委員会の懲戒処分公表基準を照合した。第三者委員会の本件報告書全文は未確認。市が2026年9月に公開した小学3年生のドッジボール事案は別件であり、その調査日程を本件には使用していない。
週刊TAKAPI編集部/成田
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